第34話:すれ違いの戦場
「来ましたぜ、大将」
「予定通りだ。これより突撃戦を行う。全艦、敵艦隊後方まで走り抜けろ!!!」
敵艦隊がワープアウトした瞬間に突撃し
敵が再ワープするまでの時間を稼ぐのが今回の戦いの目的だ
俺に従うのはボドル指揮下の突撃艦隊
突破力では最高レベル
敵艦隊突破後はそのままアロス方面へワープして逃げる
一撃離脱のゲリラ戦法だ
「まずは先頭を落とす!」
「超重力砲スタンバイ、重力圧縮完了。いつでも撃てる」
「ここから先へ行きたければ通行料を置いてきなぁ!!!!!!!!!!」
GWBの先端から発射された黒い塊が
敵艦隊先頭の1隻に命中する
飲み込まれるように消滅し
さらに周辺の数隻を引き寄せて飲み込んでいく
「穴は空いた! 全艦俺に続け!!!」
超重力の渦から逃れるために敵艦隊が中央を空けた隙を突き内部へ突入する
「変形だ!」
「変形GG」
GWBが変形し
人型機動兵器GGへと姿を変える
「魔剣召喚!!!」
「我が主の呼びかけに応えよ『黒翼』」
召喚された黒翼を手に
目の前に広がる敵艦隊に切り込んだ
眼前に広がる敵艦隊
その数は圧倒的に多い
だが
俺には獲物が群れをなしているようにしか見えない
速度を維持しながら、黒翼を突き立て船を切り裂いて進む
敵艦隊からも迎撃のための砲撃があるが
この速度での戦闘に砲撃など当たりはしない
迎撃のために出撃してきた艦載機も
その火力ではGGを止めることなど不可能
艦載機を黒翼で切り裂きながら眼前に大型艦隊を確認
ここで叩いておけば後が楽になる
「こい、サンダーボルト!!!」
GGのサイズに合わせて巨大化したサンダーボルト
その内部にGの力が浸透し
新たな姿へと進化を遂げる
「沈め!!!!!!!!!!」
サンダーボルトを連射
命中した重力砲弾は
敵艦を捻じ曲げ、爆散させる
次々と大型艦がエビ反りになり撃沈されていく
その爆発によりGGに纏まりついていた艦載機も消えてゆく
「重力砲弾の残弾0、再精製開始」
「重力砲は!?」
「圧縮中、再発射は時間的に無理じゃな」
「残りはボドルに任せる、俺は・・・あれを落とす」
GGの瞳の先には
今撃沈した大型艦を越える大きさの超大型艦
あれがこの艦隊の旗艦だろう
「アシェリー、『器』を」
「『破壊神の器』開放」
力を留める器が開放され
即座に器に力を満たす
GGの出力は急上昇し
溢れる力がGGの周囲にエネルギーフィールドを形成する
「正面からいくぞ!」
「汝の好きにせい」
エネルギーを右腕に集め
敵旗艦に正面から『激突』する
敵艦の装甲を貫き
敵艦の内部を『掘り』進む
敵艦艦尾より脱出後
GGからGWBモードへ変形
最大速度で離脱する
そして後方で
旗艦撃沈による爆発が周囲の艦隊を巻き込み
宇宙に大きな花火をあげるのだった
「『器』を閉じる」
「そうしてくれ」
やはり器を使うと疲れるな
さっきの爆発でかなりの被害を出せたはず
残りはボドルが始末するだろ
「アロスへ向けてワープだ」
「了解」
「っとその前に、こいつは御釣りだ」
GWBに搭載されたミサイルコンテナが全て発射され
敵艦隊に向かい飛来する
そのほとんどは命中前に迎撃されたが
数隻の戦艦が光の玉に変わる
その光をバックに
俺はその宙域を後にした