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第32話:沈む太陽

レノン王国首都星『惑星レノン』


今その王宮にて葬儀が行われていた


レノン帝国皇帝『アシェリー=レノン』の死は帝国のみならず他星系国家にも響き渡った


享年199歳、老衰

研究室の机にて眠るようにして死んでいるのが発見された

200歳記念の祭典を直前に控えての事であった


葬儀には帝国の要人が集まり

葬儀とは思えないほど荘厳な式となった


しかし、参列者の顔は一同に暗い




「本当に逝っちまったんだな、まだ実感沸かねぇや。お前はどうなんだ?」


俺は葬儀場から少し離れた場所で巨大な遺影を眺めつつ

皇帝と瓜二つの姿を持つ相棒に声をかけた


「我は皇帝アシェリーを元にして作られたが、彼女自身のコピーではない。よく知らない他人が死んだ、その程度だ」


「なんだよ、お前を作った人だろ」


「確かに、彼女は私の親と呼べる人だったのかもしれぬ。だが完成後すぐに地球へ送られた我には創造主と話す機会はなかった」


「俺なんかアカデミー時代には世話になりっぱなしだったし、今まで何かと面倒見てもらってたからな」


「悲しいのか?」


「ああ・・・でも、満足そうな顔してたよ」


「すべき事を全て終えたのだろう。その気持ち、少し理解できる」


「すべき事か・・・俺にはDNAに振り回されていたように見えたよ」


「そんなことないさ」


ジェスター皇子が俺の隣に立っていた


「皇帝は・・・母は皆が思っているより自由奔放な方だったよ。暇さえあれば研究室に篭っていたし。皇帝になってからは研究に使える時間が減ったって愚痴を溢していたけれど、幸せな人生だったんじゃないかな」


「だといいんですが。それより、喪主がこんな場所にいて宜しいので?」


「今は私の仕事はないよ、参列者の数も多いし、挨拶の時に戻ればいいさ。暇な間、君と話がしたくてね」


「話?」


「ちょっとした昔話さ・・・」











葬儀が終わり

悲しみが晴れる間もなく、戴冠式が行われた

そして、その戴冠式にて新皇帝ジェスター=レノンは突如重大な発表を行った


「これまで我々は他国からの侵略を防ぐために戦ってきた。だが、このまま戦い続けても、この戦争は終わりはしないだろう。諸君ら『白き人』に連なる民に平和な生活を与えるため、子らの未来のため、我は長き戦争に終止符を打つことを決めた」


壇上のジェスターがマントを広げ、両手を大きく上げて高らかに宣言する


「これよりレノン帝国は反帝国勢力への侵攻を開始する!!!」


長い帝国の歴史の中で

敵を倒して戦闘を終わらせようとした皇帝は存在しない

国境線で領土の取り合いをすることはあっても

他の国を滅ぼすようなことはなかった


ジャスターは本気だ

帝国に牙を向く全ての国をこの宇宙から消滅させるつもりなのだ


「手始めに、リザルフ王国への侵攻作戦『暁』の発動を宣言する!!!」


この放送はリザルフ王国にも知れ渡るだろう

帝国始まって以来の大作戦の発動により

皇帝崩御で落ち込んだ士気を取り戻す計算もあってのことかもしれない


それとも

ジェスターの首領としての本性があらわれたのだろうか




加速する戦乱

これが最後になるというのか



終結した大艦隊と共に

俺は戦いの渦の中心へ向かっていた

新章冒頭になります

リザルフ侵攻編をお楽しみに



(更新が遅れて申し訳ないです)

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