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第30話:戦いの舞台へ

Gとの戦いから数日後


地上へ戻った俺は、アカデミーでの精密検査を受け

万全の状態でシフォン王国へと帰還しようとしていた



アカデミーで知り合った仲間達

共に異世界を旅した戦友との別れを済ませると

宇宙港へと向かう




「お兄ちゃんはこのままシフォンに行っちゃうの? 一度地球へ戻ればいいのに」


見送りには桜がきてくれた

彼女はしばらくアカデミー内の魔法学院に残り修行を積む予定だ


「地球か・・・なんだかずいぶん昔のことのように感じるな。シフォン王国の様子を見たら地球へ行くことにするよ」



遠くで手を振る桜を見つつ

宇宙船に乗船する



夢と奇跡に溢れた不思議の国

ルビゥム王国に分かれを告げて

一路シフォン王国へと帰還する


ルビゥムの仲間との別れは寂しいものがあったが

シフォンにいる戦友との再会に心躍らせる自分もいた








「お待ちしておりました、ゲイザー元帥閣下」


シフォンで出迎えてくれたのは

麗しの女王陛下でも、妖艶なるわが右腕でもなく

現軍部代表『ボドル大将』であった


髭面で筋骨隆々とした大男

ルビゥムでは宇宙で5本の指に入りそうな美少女の見送りだったのにえらい違いだ


『ボドル=ゲーリッヒ』は元辺境警備隊隊長であった男だが

シフォン王国軍では珍しく戦上手で勇敢な兵士であったため

いきなり5〜6階級ほど特進させて直属の部下とした


当時のシフォン王国軍は腐敗の極みにあり

また、戦闘経験のある仕官が皆無なこともあり

まともに戦える人材が希少であった


そもそもシフォン王国は

資源や食料等の援助を主な役割としており

戦いに関しては他2国に頼ることが多かった


『ドラルド=ヒューザー』は古くから続くこの風習を他国からの干渉であると感じ

自国の戦力のみで戦おうとしていたが

長い間戦闘に参加していなかった国民がいきなり戦えるわけもなく

実際に戦力になったのは、辺境で宇宙海賊を相手にしていた『辺境警備隊』のような部署出身者くらいなものであった


そして今回の戦争では

他2国が同時攻撃に晒されたために援軍は期待できず

ほとんどゼロからの軍部建て直しを必要とされてしまった




「畏まるなよボドル。元帥なんて言っても名誉職みたいなものだろ。今はお前が軍部のトップなんだ」


「はっはっはっ、そりゃぁ助かりますな『大将』。おっと、もう大将じゃなかったですかな」


ボドルは軍服を着ていなければ海賊にしか見えないと言われるような強面だが

根は良い奴で俺の戦友であり親友だ


「それで、お前がわざわざ出迎えにきた理由は何なんだ?」


「美女の出迎えでなくて申し訳ないんですがね、今は2人とも緊急会議の最中でして」


「緊急会議? お前は出ていなくていいのか?」


「話が長くなりそうなんで副官に任せてきました」


「おいおい。しかし、緊急会議とは穏やかじゃないな・・・」


急に険しい顔になるボドル


「それに関しましては会議室にて・・・」




城の会議室へ入ると

集まっていた大臣達からの歓声が沸き起こった


「ゲイザー卿だ」


「ゲイザー元帥がいれば大丈夫だ」


「戦いに関しては彼に任せておけば・・・」


みなヒソヒソと小言を並べているが、適当に無視して奥の席へ


「G=ゲイザー公爵、ただいま戻りました」


シフォン王国女王スフィンの前に膝を付き

帰還の挨拶をすませる


2人だけならともかく他の大臣達の前では正式な挨拶をしておかないとな


「よくぞ戻ったゲイザー公爵。シフォンは今卿の力を必要としている」


「詳しいことは私からご説明させて頂きます」


女王の背後に立つキャリーから会議の概要が説明される




要約するとこうだ


反帝国連合軍が地球に対して大進攻作戦を展開中であり

地球を統治している『菫=リオ=レノン』より援軍の要請があった

他2国はすでに援軍を送る準備を進めているが

シフォン王国からも援軍を出すべきかどうか

これが会議の大まかなポイントだろう


元々軍として脆弱なシフォンが援軍に加わるかどうか

そして援軍に向かうシフォン王国軍の派遣部隊を誰に指揮させるか

そして残った軍を誰が纏めるのか


人材不足の続くシフォンにおいてボドルと同じクラスの指揮ができる人物はキャリーかマイクくらいなものだろうが

マイクは内政で忙しいだろうし

キャリーがいくら優秀でも兵士の信頼を得るのは難しいだろう



「援軍には参加すべきだろうな、次に何かあればシフォンが助けられる場面もあるはずだ」


「それに関しては私も賛成です。問題だったのは遠征軍の指揮を誰が取るかという問題だけでしたので」


女王のすぐ隣の席からマイク

そして他の大臣達からも賛成の声が上がる


「ちょうど良いタイミングで戻ってきたみたいだな」


「G、正式に勅命を下します。シフォン王国軍艦隊を率いて地球へ救援に向いなさい」


「お任せください、女王陛下」


再び彼女に対して頭を垂れる




会議が終わると、スフィンの部屋で2人だけになった


「せっかく戻ってきたのに・・・」


スフィンは少し怒っているようだ、悲しんでいるのかもしれない


「良いタイミングだったのか解らないなこれじゃ」


言いながら彼女を背中から抱きしめ、首筋にキスをする


「また貴方が戦いに行く。私は貴方が帰るまでとても苦しい・・・いつも。以前はこんな気持ち感じたことなかった」


悲しそうな彼女の声を聞くと、猛烈に抱きしめてやりたい気分になってくる

正面に向きなおした彼女の潤んだ瞳を覗き込むと

俺の中の色々な物が音を立てて弾けとんだ


強引に唇を奪い

酸欠になりそうなくらいお互いを求め合う


俺はそのまま彼女をベッドへ放ると

これまで我慢してきた全てを吐き出すように彼女の体を貪り尽くした


芸術品とも呼べる至高の裸体を獣のように襲い、犯す



俺が特別ってわけじゃない

男はみんな獣さ

そして目の前にこれだけのご馳走があれば、理性など残りはしないさ

そうだろ?








「これより我が艦隊は地球救援に向かう! 発進!!!」


こうして

俺はシフォン王国艦隊の一部を率いて地球へと向かうのだった


やれやれ

とんだ里帰りになりそうだぜ

久しぶりの更新です


15禁ってどこまでやっていいのか気になりますね

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