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第26話:あれから・・・


呼び出しのコールで目が覚める

隣には美しい女性が裸で寝ている


うむ、理想的な目覚めではないかね?



俺は可愛い寝息を立てているスフィンを起こさぬように起き上がると

通信端末をONにする


「おはようございます、ゲイザー公爵閣下」


呼び出しの相手は部下の女性であった

名前は『キャリー=スーン』

元は侍女であったが有能であったため秘書として使っている

まだ1年程度の付き合いだが

色々な意味で有能な女性だ


褐色の肌と長い黒髪、整った顔立ち

そして抜群のプロポーション


それでいて仕事もできるのだから文句ない



「おはようキャリー。用件は何だ?」


「ジェスター皇太子殿下から通信です」


「俺にか?」


「はい」


「何で女王の寝室に連絡してくる」


「閣下が寝る場所といえば私の隣か、そこ以外ありません」


「そうとも限らんさ」


っと不敵な笑いを浮かべてみたものの

よく考えたら本当にそうだったか

前線に出陣する時もキャリーは連れて行っていたしな


「殿下がお待ちですよ」


「今行く」


まだ寝ているスフィンの頬のキスをしてから

通信室へと急いだのだった






シフォン王国の革命から約1年

内部の再編をマイクに任せ

俺は反帝国艦隊との戦いに明け暮れていた


当初はすぐに帰るつもりでいたが

シフォン王国軍のあまりの脆弱さに呆れ

帰るに帰れなくなってしまった


結局何度も激しい戦いを繰り広げ

いくつもの惑星の奪い合いを行い

その合間にも他愛のない事件を解決し


気がつけば

すっかりシフォン王家の重鎮となってしまっていた

最近じゃスフィンとの婚約の話も頻繁に上がるようになってきた


能力が認められたのは嬉しいが

さすがにここまで持ち上げられると困ってしまうな


一部の信者の中には

『白き神を守りし黒き神獣』などと呼ばれているらしい

このままじゃ本当に地球に帰れなくなりそうだ


帰りたいわけでもなくなってきたが

椿や菫とも長いこと会っていないし


これから先どうするかを考えるにしても

一度地球へ戻っておきたい気持ちはある







「やぁ、ハジメ君、久しぶりだね」


いつものようにジェスター皇太子殿下の軽い調子の挨拶が始まる

この人と話していると相手が皇太子だということを忘れるな


「お久しぶりです殿下」


「殿下はやめてくれよ、ジェスと呼べと言っただろう?」


「周囲の目もあります」


「今は2人だけさ」


「それでジェス、この通信の用件は?」


「ああ、そうだね、何処から話そうか。君は桜が今ルビゥム王国の首都星『マジェスト』へ留学しているのは知っているかい?」


「・・・初耳ですね」


桜は母親の蘭さんの下で魔法の修行をしていたと思っていたが


「君にはシフォン王国方面の戦線を任せてしまっていたからね、なかなか連絡をする暇がなかったんだ、すまないね」


「いえ、それで桜に何か?」


「うん、実はね、『行方不明』らしいんだよ、これが」


「行方不明!!!?」


「修行の一環としてフィールドワークをしていたらしいんだけどね。山の中に入ったきり降りてこないらしいんだ。妻は心配ないと言っているのだが・・・」


「私が行って様子を見てきましょう」


「おお!!! 頼めるかい? すまないね」


「久しぶりに桜にも会いたいですから」


「向こうには話を付けておくから。よろしく頼むよ」


「お任せください」




こうして俺は急遽ルビゥム王国へ向かうこととなった


幸いにも反帝国連合軍は最近おとなしくなっているので

後のことをキャリーに任せて旅支度を整える


スフィンは不機嫌そうな顔で了解してくれたが

出発までむくれていた

最近は表情にもバリエーションができて良い傾向にある


多数の人に惜しまれながらも

俺はシフォンを後にしたのだった

時間がだいぶ経過しましたが

途中の話は外伝的に書いていきたいと思います

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