第14話:『正義』と『悪』のコラボレーション?
基地内は蜂の巣を突いたような混乱にあった
複数の『怪人』や『ヒーロー』で大混雑しているのだ
日本中の秘密結社&ヒーロー組織がここに集結しようとしていた
理由は簡単、『ヒーロー協会本部』と『侵略管理委員会』がどちらもこの基地に転がり込んできたのだ
そして会議室では
机を囲んで
俺がいるのが下座で、左右には桜と椿
正面には菫
左側にはヒーロー協会会長
右側には侵略管理委員会会長
どちらも本部を敵に占拠されてしまい
ここまで逃げ延びてきたわけだが
それには彼らの過去に理由があった
現ヒーロー協会会長は中年の女性
昔3姉妹の母親がヒーロー協会を立ち上げた時から側にいた相棒だった
侵略管理委員会会長は白髭の老人
3姉妹の父親、つまり皇太子に任命されて会長になった
元某秘密結社の総帥である
どちらも旧レノンとは関係浅からぬ仲であり
両親が宇宙に行った後の3姉妹のことを気にかけていてくれたらしい
それぞれの本部が制圧された際に
この基地の施設が地球で最も優秀な基地であることを知っていた2人が
この場所を避難場所として選らんだのだ
「地球は我々が守ります!」
「ワシ等だってリザルフには迷惑しとるんじゃ! このまま黙っていられるか!」
「だったら私達に協力してくださればよろしいでしょう!」
「誰がお前らの指示になど従えるか! お前らこそワシに従え!」
爺さんとオバサンが激しく主導権の取り合いをしているが
実際には何の進展もなく話しが進まないわけで
「菫、ちょっと外へ」
2人に声を掛けれずにオロオロしていた菫を部屋の外へ連れ出した
「このままじゃ会議どころの騒ぎじゃないぞ。早く纏めないと基地内の連中が勝手にバトルを始めるかもしれんし」
「でも・・・私になにが・・・」
「しっかりしろ! お前はこの基地のリーダーなんだぞ!」
「2人が何者であっても、この基地にいる以上はお前が指揮を執るべきなんだ!」
「私にはそんな力はないわよ・・・」
「そんなんでどうする! 菫は俺と初めて会った時に言ってただろ? 『この星は自分の物だ、他の奴になんて渡さない』って」
「それは・・・確かに言いましたけど」
「菫が今も同じ気持ちならできるはずだ」
「私の・・・気持ち・・・」
「菫」
「お前の意思が変わらず、それでも力が足りないのなら、俺が『力』になってやる」
「今までだって色々あってけど、菫はそれをやり遂げてきたじゃないか」
「私・・・恐いの」
「私の指揮で大勢が死ぬかもしれないと思うと・・・」
「誰かがそれを背負わなきゃならない。でなきゃ戦いは始まらない」
「今それができる立場にいるのはお前だけなんだ」
「私じゃなきゃダメなの? 椿のほうが」
「菫は『秘密結社レノン』の『総帥』だろう!」
「!?」
「・・・そう、そうね・・・私が組織のリーダーなんだもの」
「このままじゃレノンも消えてしまうかもしれない」
「私が守らなきゃ」
「そうだ」
「昔・・・椿と約束したの。『大きくなったらお父さんの侵略計画を完成させよう』って」
「椿は約束を守るために宇宙へ出て、科学技術の勉強をしてきてくれた」
「これ以上私が椿に甘えてちゃいけないのよね」
「椿も桜もお前を助けてくれる。でも、頼ってばかりではダメってことさ」
「ハジメさんは? ハジメさんも私を助けてくれるのよね?」
「もちろんだ。言っただろ、俺はお前の『力』だって」
「それじゃぁ・・・今だけ甘えさせて・・・」
菫のが俺の首に手を回し顔を近づけてくる
俺は彼女の求めに応じて腰に手を回し
キスをした
それは長いようにも短いようにも感じられたし
俺自身少し混乱したかもしれない
『もっと』、『このまま』、っと彼女を求めようとしたが
彼女は身を離す
「私に何処までできるか分からないけど・・・やれるだけやってみる」
「もしダメだったら、その時は・・・」
「まかせろ」
彼女は会議室へと戻っていく
俺も後に続いて会議室に戻るために歩き出したが
もう少し唇の余韻を感じていたいと思った
3日後
『菫=リオ=レノン』の名の元に『正義』と『悪』が集い
一大反抗作戦が展開されようとしていた
1話ごとの時間の飛び方が半端無いせいで分かり難くなってしまい申し訳ございません
実際には『ハジメ』が『G』になってかなりの時間が経過してます
また、本編で書いていない作戦もいくつか存在しています
その辺はいずれ外伝としてでも書こうかと思います