第9話:客襲来
ウゥ〜!!!!!! ウゥ〜!!!!!!
「何だこの音！ 警報か？」
まだ朝早いというのに大音量の警報に起こされる
緊急事態かもしれんので急いで司令室へ向かう
「何があった!?」
「おはよう、お兄ちゃん」
「おはよう桜・・・ってノンビリしてる場合じゃないだろ！ 何があった？」
「お客様がきたみたい」
「客？」
「うん、チャイムが鳴ってる」
そう言って天井を指す桜
紛らわしい音をチャイムにしないでくれ
「今から下にくるから、お出迎えしなきゃ」
「いったい誰がきたんだ？」
入ち口へ向かう桜を追った
エレベーターが開くと
そこに居たのは男装の麗人だった
ビシッとした黒いスーツを着こなした、かなりの美女だ
顔も男前といった感じで、髪や瞳はうちの上2人と同じ金色
筋肉質ではないが、しっかりとした体で、タッパもそれなりに高い
これだけ端整な顔立ちや背格好だと男に見間違えないかって？
それはないね
スーツを押し上げるボリュームは隠し通せるものではないのだ
俺最近巨乳に縁があるね
「やあ、久しぶりだね桜」
「お久しぶりですサーシャさん」
予想通りのハスキーボイスでクールビューティーな感じがグーだね
俺最近美女に縁があるね
「そちらは？」
「あっ、この人はうちに所属している戦闘員でハジメさんって言うの」
「こいつが『Ｇ』か！」
あっ
なんかすごい勢いで迫ってきた
そんな顔近づけるとキスしちゃいますよ
「えっと・・・木戸ハジメです。よろしく」
「おっとすまない。私は『サーシャ=ルビゥム』だ。よろしく」
お互いに握手をする
彼女の手からは力強さを感じる
「サーシャさんは帝国三王家の一つ『ルビゥム』家の次期党首なの。つまり私達のライバルってわけ」
「そういや他にも帝国からきてる勢力があるって話しだったな」
「詳しいことは奥で話して構わないかな？」
「これはすまない。先に奥に通すべきだったか」
彼女を連れて食堂まで移動する
他の部屋でも良かったが、ちょうど朝飯の時間だしな
今日はサーシャさんも入れて5人での食事となった
菫は何か言いたげだったが、他3人の賛成で押し切った
特に椿はサーシャとは知り合いらしく
是非いっしょに朝食をと薦めていた
「この時間にきて良かったかな？ またアルマの作る食事が食べられた」
確信犯ですか、意外と食い意地張ってますね
「私とサーシャ先輩とは帝国国立大学で一緒だった時期があるのよ」
地球の大学は行ってないのに宇宙の大学は卒業してるってことか
「そうそう、あの時はアルマの食事目当てに寮に入り浸っていたっけな」
「ほとんど同棲状態でしたよ。先輩実家が近いのに家に帰らないし」
なんか椿のキャラがいつもと違う？
「あの時は楽しかったな。スフィンも一緒で」
「そういえば、あの子で全然連絡付かないんですけど、先輩何か知りませんか？」
「ちゃんと地球にはきてるみたいだよ。どうやらヨーロッパを拠点にしているらしいね」
「先輩は何処に？」
「アメリカのワシントンさ、住所はここね。今度遊びにくるといい」
そんな簡単に秘密結社の本拠地を教えちゃっていいもんなのか？
さっきから2人だけで話が進んでいて俺の入る込む余地がない
「さっきから分からないことだらけなんだが」
「その辺は後で私が纏めて教えてあげるよ」
ありがとう桜、またチビッコ教師ルックが見られるのかな？
「さて『Ｇ』」
あんだけ放置しておいてこっちに話きたよ
「私と手合わせ願いたいが、如何かな？」
「手合わせ？」
「あのメタル・ブラザーズを1人で倒した男というので興味があってな。今日きたのはその力を確認するためだ」
「それは良い考えね。先輩となら訓練相手として申し分ないわ。是非やりなさい！」
ビシッ！と指差さないでください
だがこっちがＧを使うとして、サーシャさんもパワードスーツを持ってきているのか？
「ダメよ！ サーシャさんと訓練をして、そのまま再起不能になった人だって大勢いるって話じゃないの！」
「あれは相手が軟弱すぎただけだ」
珍しく菫が焦っているように見えるが
この人はそんなに強いのか？
確かに戦士としての雰囲気は感じ取れるが・・・
そんなこんなで
俺は今闘技室でサーシャさんと向かい合って立っている
こちらはＧを機動させて完全戦闘モード
サーシャさんは・・・ポッケから何か取り出しましたね
グローブ？
腕に嵌めて・・・終わりですか!?
「そのままで戦うつもりなのか？」
「ああ、問題ない」
問題ないって・・・大丈夫なのかよ
「相手の心配より自分の心配をしなさい。先輩は生身でも今の貴方より強いわよ」
椿の嫌な笑いがとても気になる
そういや桜も見た目では分からないような怪力の持ち主だ
色々な意味で侮れんか『宇宙人』
そして勝負の始まる鐘が鳴った
サーシャさんのモデルは某ゲームのあの人
