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十月十五日土曜日

 こちらの視線に気付いたのか、それとも向こうも、こちらを観察していたのかは知らない。ともかく、無言の心理戦は終わり、会話を交わすようになった。いつものようにミンソの背後に並んでいたら、急に振り返って話しかけられたのである。

 ずっと高齢者特有の皺嗄れ声だろうと思っていたのだが、実際は明朗で優しい声であったので、予想を裏切られて驚いてしまった。ミンソというアダ名を付けたのは、間違いだったかもしれない。

 ミンソの名前は小田原と言い、大正桜女子大学で仏文科の教授をしているそうだ。それを聞いて、教授には違いなかったんだなと思った。

 なぜ途中で乗り換えないのかと聞いてみたら、快速でも普通でも移動距離は同じであり、たかだか数分の時間短縮のために老骨に鞭打つより、着席して景色を眺められるほうが良いからだと答えられた。考えかたは人それぞれだな。


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