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九月二十四日土曜日

九月二十四日土曜日

 いつから、そこに存在してるのかは知らない。ともかく、その規則性に俺が気付いたのは、九月の下旬。まだまだ、ラニーニャの残暑が厳しい昨今のことだ。

 八時十五分、庚午城西詰発。八時四十二分、星辰さくら台着。約二十七分間の各駅停車の旅。途中停車駅は十七駅。二駅目で快速に乗り換えれば、所要時間を三分短縮できるのだが、あえてそうしない理由がある。

 毎週土曜日。講師を勤めている英会話教室に通うために利用しているその列車には、同じ時刻にホームに現れ、同じ車両に乗り、同じ座席に腰掛ける、ある一人の謎めいた人物がいるからだ。

 パナマ帽をかぶり、半袖開襟シャツを羽織り、スラックスをサスペンダーで吊り、磨き上げられた革靴を履いた、ロマンスグレーの紳士。ご丁寧にも、両手に白手袋を填め、右手はステッキを、左手はブリーフケースを握っている。

 俺は、その人物にミンソというアダ名を付け、しばらく観察することにした。 




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