第伍話『蹂躙、決着』
少女side
「さぁ、死合しよーか。」
そう行ってからの彼女の戦闘は最早戦闘とは呼べなかった。
一方的な蹂躙。その言葉がよくそれを形容していると初めて思った。
あっという間。二本目の刀を抜き、二刀流となった彼女は圧倒的な力でランデスト・グロッグを斬っていく。
対するランデスト・グロッグはその圧倒的な力の前に為すすべもなくやられていった。
「双天二刀流一式惨ノ型『鳴燕』!」
私はこの流派に覚えがあった。
右手の刀を振り抜き、その勢いで左手の刀で貫く。右手が止まったら刀を返して左肩から斜めに振り下ろして左手を抜く。
最後に両手で左右に一閃。ランデスト・グロッグのHPバーを削りきった。
辺りに赤い光を撒き散らしながら倒れたランデスト・グロッグ。
木鬼の長の名を持つそのモンスターは少女の前に呆気なく倒された。
でも私は違う事に思考を走らせていた。
それは彼女の使った技。
あの技は私の師匠が使っていた物。
でも、私以外に彼女の弟子はいなかった。
何故あの少女が使えるのか。
物凄く気になっていた。
でも、その思考はランデスト・グロッグの断末魔の叫びによって打ち消された。
「グギャァァァァ・・・ガガガガガ・・・ガガガ・・・ガ・・・」
その声が止んだ時、ランデスト・グロッグは端部から光として崩壊していった。
「すごい・・・」
私はその勝利に、ただただ感嘆した。
少女side out.
葵side
「ふぅ、おわったぁ。」
私は伸びをしながら刀を鞘へ収める。
あ、伸びなんてしてる場合じゃなかった。
「あ、彼女を・・・!?」
そう、彼女はどうやら動けないようだ。
かろうじて動く目でこちらを見ていた。
「大丈夫?」
「はい、ありがとうございます。」
少女はしばらく動けなかったけど、漸く動けるようになった体を起こして礼を言った。
「いやいや、モンスターに襲われてるのを見たら助けるでしょ。」
少女の礼に笑いながら答える。
「そうですか?あ、私はラン。クランディスト=ランフォート。貴女は?」
少女はランという名前だそうだ。
背丈は私とそこまで変わらない。
と言っても、転生した私の姿からして、だけれど。
「私は金ケ崎葵。アオイでいいよ。」
私も名乗っておく。
名乗りって、大事よね?
・・・ね?
「あの、失礼ですけど・・・歳は・・・?」
彼女の恐る恐るといった感じの問に思わず
「あっはははは。私?私は15だよ?」
笑って答えると
「え・・・えええぇぇぇぇえぇぇ!?」
少女の絶叫が深緑の森にこだました。
「いやぁ、そんな事思ってたのねぇ。」
彼女が絶叫して数分、彼女を着替えさせてから私達は街へ向かっていた。
街の名前はベイグル。
幾多の技術が浮かべる科学空中都市。
今いる森から三日三晩歩けばつくらしい。
「ごめんなさい・・・てっきり同い年かと・・・」
「うふふ♪人は見かけじゃ判断できないわよ♪」
彼女は私を同い年だと思っていたらしい。
しょうがないとは思う。この容姿だとどうしても、どう背伸びしても十歳前後にしか見えない。
まぁ、それ程若く見られるなら私はそれでいいと思う。
って、私は元男だけど?
・・・なんかまだ1日もたってないのにもう男だったってこと忘れそう。
「はぁ・・・」
「?どうかしました?」
あ、私の溜め息聞こえてたの!?
「い、いや、別に何でもないよ!?」
慌てて否定する。
「そうですか?ならいいんですけど・・・。」
そういってランはまた前を向いた。
危なかった。溜め息聞かれて危うくそのまんま全部話してしまいそうだった。
・・・兎に角今は歩こう。
私は刀に手を添えながら、周りを警戒しながら森の中を進んでいった。
目指すは空中都市ベイグル。
その足取りは少し軽く感じていた。
高宮秀作ッス!
お疲れ様です。まだ少し寒いですね。
なんかインフルエンザも流行ってるらしいじゃないですか。
皆さんも無理は禁物ですよ?
さて、第伍話投下です。
今回は葵の蹂躙回です。
と言ってもよくわかんないかもしれません。
文が・・・
それはさておき、次回は空中都市ベイグルへ到着です。
彼女はベイグルで何をするのか、乞うご期待!
ランフォートのステータスを。
名前 クランディスト=ランフォート
性別 女
年 10歳
誕生日 3月27日
身長 156.8㎝
体重 聞いたら殺すよ?☆
特徴 青色のショートカットヘアに
白のカチューシャ
水色のロングワンピースに
白のスニーカー。あまり戦闘は得意ではない。
だけど葵に会ってから戦闘狂に・・・!?
得物 護身用短刀『ヤミツキ』
??? 『??』
こんなもんですかね?