第弐拾弐話『神界壊滅』
ケイが帰った次の日、またケイがやって来た。
だが今回は今までとは雰囲気が違っていた。
「アオイ!」
そんな彼女が飛び込んできたのはお昼前の午前10時。
血相を真っ青にした彼女は、所々傷だらけであった。
「ケイ!?どうしたの!?」
葵は椅子が倒れるのも気にならないほど驚いてケイに駆け寄る。
「うぅ・・・弌江派に・・・」
とここまで言ってケイは気絶してしまった。
どうやら逃げ切って気持ちが緩んでしまったのだろう。
葵はケイをソファ(数日前に買ったもの。)に寝かせ、天界門を開くために神化する。
「う・・・く・・・ッ!」
この時、ゾワッとする感覚が全身を駆け巡る。
そして心なしか、体が火照っているようにも感じる。
・・・神化の副作用はどうやら少しだけ発情してしまう事らしい。
・・・なんともいらないシステム!!
そもそも俺は男だから、女の体で発情とか、物凄く違和感ある。
っとと、これ以上はR-18がつきそうなので抑える。
とにかく、天界門を開いて神界へと赴いた。
そこには・・・
想像を絶する光景が広がっていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「これは・・・酷い・・・。」
降り立った地で、私は呟いた。
所々燻った地面に、崩壊した管理局本部、そこらじゅうで呻く下級神達。
「あ、姫天神様!」
こちらに叫んで向かってくるのはたしか・・・ケイの部下のカイトだったか。
「あぁ、カイト。丁度いいところに。被害状況は?」
「あ、はい。被害状況は酷く、本部はもう取り壊してから建て直した方が早いほど。下級神は半数が死亡、もう半数は重症、上級神でも三分の一が重症です。」
カイトが心苦しそうにそう話すと、自身も痛そうに顔を歪めた。
「ありがとう。カイトも休みなさい。」
「すみません・・・。」
とりあえずカイトも休ませる事にして、私は生き残りを探す事にする。
「・・・酷いわね・・・。」
どうやら燻っていたのは地面ではなく・・・そこに横たわる下級神達であったようだ。
それはもう、"酷い"では形容し難い光景だった。
「・・・・・・。」
私はこの後、三日三晩、寝ずに復興し続けた。




