第拾撥話『完成とすれ違った人影』
今回はかなり短いです。
流石に一時間では厳しかったです。
では、どうぞ!
二日後・・・正確には4月30日。ランフォート武具店。
「いらっしゃいませ!」
「あの、刀、受け取りにきt・・・ました。」
「あ、霞さんですね!どうぞ中へ!」
ランが出迎え、霞は店内へと入っていった。
「はい!これでいいかな?」
ランが奥に置いてあった(正確には立て掛けてあった)野太刀を一振り持ってくる。
黒塗りの鞘、その鞘に巻き付く細い鎖と晒。
柄の色も黒、それも普通の刀のように布のようなものがついてる訳ではなく、まるっきり持ち手が木で出来ている。
鍔の形は珍しい六角形。
長さは要望通りの150cmそこそこ。
それを霞は手に取る。
「うん、いいね。」
鞘に収まってる刀を左手に持って感触を確かめる。
そして、そっとその刀を引き抜く。
キラッと輝きながら現れた刀身は真っ黒に染まっている、所謂黒刀と言うやつだ。
峰側の色は深淵に近い黒、刃の部分の色は少し薄めの、大体濃い灰色と言った所。
「綺麗だ・・・。」
霞はこの刀身の、吸い込まれるような輝きに、息を飲み込んだ。
「そうでしょ!そりゃあうちの最高の鍛冶士が打った、今迄で最高の刀なんだもの!」
ランが当然でしょ!と言わんばかりに胸を張る。
「うん!サンキュー!」
霞がにこやかに礼を言う。
「いえいえ!私は注文を聞いただけで、レイが打ったんですから!」
ランは飽く迄も自分の力ではない事を示す。
「それじゃ、また今度も宜しく頼むよ。」
「はい!これからもランフォート武具店を御贔屓に!」
ありがとうございました!と言うランの声を聞きながら霞は店を出る。
街から出て武器を試すため、転移台のあるところまで歩いていく。その時だった。
ある女性プレイヤーとすれ違う。
どこかで見覚えのあるその長髪・・・少し低めの背丈、腰にさした二本の刀。
思わず後ろを振り返ってしまった。
それはどうやらその女性プレイヤーも同じ様で、彼女もこちらを見ていた。
やがて二人はどちらともなく再び前を向き歩き始めた。
霞は内心ヒヤヒヤしたが。
でも、まぁ、
「大丈夫・・・だよ・・・ね・・・?」
不安ではあるが。
「・・・ソウジさん・・・?」
葵は先ほどすれ違ったプレイヤーに、知り合いと同じ様な雰囲気を感じ取っていた。
でも、そんな事は無い筈なのだ。
何故なら・・・
「ソウジさんは・・・男性の筈・・・。」
そう、ソウジは男性プレイヤー。
ありえるはずが無いのだ。
「???まぁ、いっか。」
そう言って、さっきまでの思考はどこへやら、彼女はまた歩き出した。
ランフォート武具店へ向かう為に。
はいはーい!
高宮秀作っす!
葵「アオイだよー!」
さて、拾撥話ですけど、アオイさん、どうですか?
葵「うーんとね、私って2日間何してたの?」
それは・・・また次回に本編で。
葵(あ、まだ考えてないんだ・・・。)「わかりました。」
コラボはウインドの方でまたケイさんが出ましたね。
葵「神同士のトレードなんだってね。」
いやー、こんな形になるとは思わなかったよ。
葵「うん、伏線撒いてる人が何言ってんだか。」
まぁ、今日はここら辺にてお暇しますか。
葵「やけに早いわね。」
諸事情ってやつだよ。
では、今回はこの辺りで、
秀作、葵「「また次回!」」




