拾陸話『神化しました?』
前回のおさらい。
ケイ「神になって!」
葵「半強制!?なるからまって!」
ケイ「ありがとう!」
神誕生!?
です。では、どうぞ!
今、私は絶賛混乱中です。
だって・・・
「姫天神!前へ!」
なんて、ケイさんに呼ばれてるんだもん。
「は、はい!」
一応返事をしてから私はケイさんの前に出る。
まぁなるようになれ。と半ば自暴自棄になりながら立った私は・・・呆然としてる神の皆さんを高台から見下ろすと言う状態になった。
「この者、新なる神なり!神名があるから、不容易に傷付けるべからず!この者から相応の天罰が下るであろう!」
ケイさんはまだ何かいってる。
もうどうとでもなれ!
「私・・・いや、我は姫天神なり!この戦争を・・・」
一息ついてから私は周りに
「終わらせに来たッ!!」
高らかに宣言した。
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ケイ視点
やっほー!ケイさんだよー!
とまぁ、お巫山戯はここまでにして、と。
アオイちゃんが神になったよ!
え?知ってるって?私がこれを言いたかっただけなの!
悪い!?
コホン。
とりあえず神になったアオイちゃんには神格と霊格を与えないとね。
指パッチンでアオイちゃんに神格と霊格が宿る。
本人は心底驚いているようだけど気にしない気にしない!
葵(え!?えぇ!?なんでぇ!?)
秀作「しょーがないでしょ・・・君、神になったんだからそれくらい当然じゃん?」
葵「そんな訳あるかぁッ!!」
・・・なにか受信した様だけど気にしないでおくわ。
えぇ。秀作と葵の会話なんて知らないわ。
「次は武器ね。」
私が右手を翳すと、黄色い球状の光が現れてアオイちゃんの方に漂っていった。
その光は暫くアオイちゃんの前を漂ってから、その形を変化させた。
武器は持つ人によって形が変わる。
だから私もアオイちゃんの武器が何になるかは分からないんだ。
「・・・!」
皆が息を飲む中、出来上がった武器は・・・
「鎌・・・と・・・槍!?」
そう、私がよく使う武器が2つ、アオイちゃんの目の前に浮いてい・・・あら?
「まて!もう一つ無いか!?」
そう、アオイちゃんの目の前にはもう一つ光が瞬いていて、細長く伸びていっているのだ。
徐々に伸びていったその光は長さが150cmに届こうかと言う所で止まって・・・光が爆散した。
「か・・・刀・・・!?」
三つ目の武器は刀だった。刀と言うよりかは野太刀に近いかな。
勿論、鞘に入っていて、その状態でも神々しくその存在を主張していた。
「怨道三天神刀が一つ・・・"呪刀・初代村正"・・・!?」
私は目を疑った。
今アオイちゃんの目の前にある刀は・・・かつてこの神界で脅威を奮った剣・・・
「嘘・・・なんで・・・初代村正が!?」
妖刀村正の元祖・・・初代村正があったのだ。
これを握った人は誰も・・・戻らなかった。
死んでしまったのだ・・・村正自らに切られて。
そんな刀を、新参者ならぬ新参神が扱えるわけが無い
しかし・・・
「・・・いい刀だね。妖気が半端じゃない・・・。」
それでも尚、アオイちゃんは笑っていた。
私はこの時、後悔したのかもしれない。
なにしろ・・・狂戦士を・・・神にしてしまったのだから・・・。
今度はアオイちゃんの容姿が変わった。
ショートストレートの髪は若干はねっけのある髪になり、前髪はピンでとめている。
左の頭と背中、そして鎌の持ち手の先っぽに天輪がついていて、神格も馴染み、かなりの力がついたよう。
服もロングコートに袴と、何故か曖昧なものに、右手首には光輪が2つ。
機械の左腕も神格を持ち、目を閉じて佇む彼女に、周りの神たちは驚愕を隠せないでいた。
「・・・あらためて・・・私は姫天神。よろしくお願いしますね。」
目をうっすらとは開けた彼女は・・・先程の慌て用は何処へやら、静かに囁くと、ニコリと笑った。
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「くそ・・・まさか・・・金ヶ崎を・・・神にするとは・・・。」
闇の塔、最上階。
一人の男が悪態をついていた。
どうやら、葵が神になったことが気に入らないらしい。
「・・・フン・・・まぁいい。何れはこの手で決着をつけてやる。覚悟するんだな。姫天神・・・金ヶ崎葵!」
男はそれ以上は喋らず、窓を覗く。
そこに映る光は・・・
・・・儚くも綺麗な月光であった。
来ました。第拾陸話です。
今回はあまり後書きは書かないでおこうかと。
眠いですし。
コラボの方も御座いますが、水無月蒼次先生、今後共、この私めをよろしくお願い申し上げます。