第拾話『突然の襲来』
遅くなりました!
不定期になってしまいますが・・・何卒、よろしくおねがいします。
では、どうぞ!
私がケイの依頼を受けた翌日。
私はフィールドに出ていた。
ベイグルからすぐの平原。私達が歩いて来た所の反対側。
無難な草原が果てしなく広がっている。
後ろを振り向けば巨大な空中科学都市がその圧倒的な存在感を発している。
そんな平原の中・・・
「グボォォォォォォ!」
私はイノシシもどきと戦っていた。
名前はラブグルス・ゲルスボア。
雑魚敵ではある。
私は神様から貰った転生特典である刀を二振りともに抜き払う。
黒塗りの刀。片方が赤、片方が青の筋のある刀身。
銘は赤い方が黒刀『焔』
青い方が黒刀『氷』である。
「・・・・・・」
心を落ち着かせて刀を二振りともに正眼に構える。
二刀流であるから、左足を後ろに下げ、右手の『焔』を敵に向ける。
「ブッフゥゥゥゥ!」
ゲルスボアが攻撃で突っ込んでくる。
私はそれを左手の『氷』で受け流しながら『焔』で切りつける
「グギャァァァァァ!」
次は流した『氷』で横一閃の単発切りを放つ。
技:セカンド・スレット。
技名のある技はある程度はシステムが補佐してくれる。
・・・名前があれだけどさ。
「グボォォォグ!」
切りつけられたゲルスボアが怒って突っ込んでくる。
・・・短気なやつめ。
「はぁ・・・。」
思わず出てしまった溜息。
私はそのままゲルスボアを二刀で滅多切りにした。
技:ツイン・ブラルム
二刀流で今のところ唯一使える技。
まぁ双天二刀流もあるけど・・・システムが補佐してくれる技は今の所これだけ。
「グボ・・・ガァァァァァァァァ!」
またゲルスボアが立ち上がる。
見た目よりもタフだねぇ。
私はその時ある事を思いついた。
「双天二刀流一式肆ノ型『乱燕』!」
黒刀『氷』と黒刀『焔』が踊る。
『氷』は青い、『焔』は赤い燐光を纏い、ゲルスボアへ殺到する。
赤が左から右へ抜け、青が遅れて同じように抜ける。
体を回転させて左、右、左、左、右という順番に刀を振るっていく。
そして・・・
「グガァァ・・・」
HPを切らしたゲルスボアはその体を四散させた。
・・・同時に血も撒き散らした。
「うわっ!?」
思わずたじろいだ。
全身に血を浴びてしまった。
体が真っ赤っ赤だ。誰かに見られる前に帰んなきゃ!
「うわぁ!?」
だが現実はいつも非道なり。
一人の少年がこちらを見ていた。
「あ、あの、さっきはゴメン!」
先程の少年が謝ってきた。
「あぁ、うん。気にしないで。」
私はそれは不可抗力だったからって言って許した。特に何もされてないしね。
「そう言えば、君の名前は?」
私は少年の名前が気になって聞いてみた。
「俺?俺はソウジ。ソウジ・K・ミナヅキだ。」
「ソウジ君?」
なんだか目の前の少年がニコニコしてる。
なんでだろ?
「そう言う君の名前は?」
「私は金ヶ崎葵。アオイでいいよ。」
「そうか。なら俺もソウジでいいぞ。」
そう言って彼ーソウジ君はニッコリと笑う。
多分女の子なら一撃だろう。
・・・意図的にやってるのかな?
「・・・さて、そろそろ俺は行くよ。モンスターがリポップする頃だろうからな。」
彼は立ち上がって言った。
なんだかちょっと寂しい・・・
・・・はっ!?
今私は何を!?
「そ、そうか。なら私はベイグルに戻る。」
「そっか。んじゃ、またどっかで会えるといいな。いつでも俺はログインしてるからな。」
また凄い威力の笑みを浮かべふソウジ君。
一体どれだけの女の子を落としてきたのだろうか?
「私はベイグルを拠点にしてるから。」
「よし。んじゃ、俺は行くよ。じゃあな!」
そう言ってソウジ君は草原をかけて行った。
「・・・ソウジ君・・・かぁ・・・。面白い人だったなぁ。」
見えなくなった彼の背中を思い出しながら、私はくるり、と後ろを向いて歩き出す。
だが・・・
ーーシャランーー
「君が金ヶ崎葵、だね?」
はっとして振り返る。
そこには全身を黒い服で統一した何者かが立っていた。
雰囲気からして、プレイヤーではない事は確か。
ていうか、服装、私とめちゃめちゃにてるんだけど・・・パクられた気分。
「私に何か用?」
ちょっと威圧的に聞いて見る。
「いや、ね。君にはさ、もう一度だけ・・・」
男が何かを取り出す。咄嗟に身構えようとした。だけど・・・
「死んでもらおうかと。」
ズプッ!
「カハッ!」
心臓の辺り、胸の中心に相手の腕が突き立てられていた。
しかもその手には注射器。
それが意図するところは・・・
「うっ!?」
目の前が急に歪んできた。
息が・・・出来ないッ!
「くぁ・・・くそ・・・!」
右手に力が入らない。
なら・・・左手に刀を握って駆け出す。
「ふっ・・・そんな体で何をしようと?」
気が付けばそいつは私の後ろにいた。
そしてそいつは・・・なんの造作もなしに私の左腕を切り落とした。
「ガァァァァ!?」
あまりの痛みに地面を転がり回る。
倒れる時に見たが、左腕が、肩を残して無くなっていた。
「ふふ・・・これでもう、戦えないでしょう。さぁ、覚悟するのです!」
さらに追い打ちをかけるように、胸に打たれた薬が周り出した。
体に力が入らない・・・
男はそこでようやく自分の得物を出した。
禍々しい程に黒い大鎌。
魂を刈り取るにはピッタリの物だ。
「覚悟ぉ!」
男の鎌が迫る。
なんか短かったな・・・二度目の人生・・・。
もう・・・死ぬのか・・・
ー本当に、それでいいのか?
声が聞こえる。
いいわけないだろ・・・チクショウ・・・
ー死ぬのか?
恐らくな・・・
ー・・・ならば・・・諦めたくはないか?
・・・諦めたくねぇ・・・!
ーふ・・・ならば・・・。
ちょっとまて!お前、名前は!!
ー教えよう・・・我が名を・・・深層精神の中で。
俺の意識はここで途切れた。
秀作「はい!高宮秀作です。」
葵「今回新しい人出たね。」
秀作「あ、うん、そーなんだよ。某無料通話アプリで、友達が『これだして!』っていう意見くれたんだよ。で、知ってる人ならこの出た人物が誰なのかわかるよね。」
葵「へぇ。その人もなろうで活動してるの?」
秀作「あぁ。というかその人がなろうに誘ってくれたみたいなもんだよ。つっても、友達なんだけどね。」
葵「へぇ。なんか意外。」
秀作「どうしてだ?」
葵「だってアンタ、友達いなさそうだもん。」
秀作「んな!?なんてことを!いなくはないぞ!」
葵「どうだか。」
秀作「酷い!!葵って毒舌キャラだっけ!?」
葵「ここではそれでもいいかなぁって。」
秀作「くそぉ・・・。まぁいいや。んじゃ、今回はここら辺で。ではまた次回!」
二人「「さようなら!」」