第發話『レイの鍛治』
天淵歴3026年2月9日、アオイはとある鉱石をレイに渡していた。
「ちょっと・・・これ・・・シャドメリック・クリスタルじゃないですか!?」
アオイが持っているのは全体的に黒く、綺麗に光を反射させてる鉱石、シャドメリック・クリスタル。この世界のレア度は25段階で表示されるが、そのレア度は12だった。
「たまたま迷宮の階層ボスからドロップした。」
アオイはそう淡々とつげる。
この世界のダンジョンは一から十層までで一つの区画になる。
言うなれば一区から十区というふうかな。
で、さらに下層に行くにはその都度転移台に乗って転移する必要がある。その転移台は下一桁が零と五のついている区にあり、第零区は地上、ギルド内にあるのだ。
「いや!普通有り得ないですから!!」
レイは頭を抱えて叫び出す。本来シャドメリック・クリスタルは迷宮の第二十区以降の区にしか存在しない。
「有り得ないって・・・実際もう手に入ってるんだし・・・ねぇ?」
と、私は少しおどけて言うと
「ねぇ?じゃないですよ!あぁもう!」
レイは頭を抱えて呻き始めた。
「なんで・・・が・・・です・・・のか・・・れて・・・」
「おぉーい。レイさーん?おぉーい!」
・・・返事が帰ってこない。
「レイ!?」
遂にレイは壊れてしまったらしい。
さっきからずっと独り言を呟いてる。
「私なんて・・・私なんて・・・あは・・・あははは・・・!」
「ありゃ、レイが笑い出した・・・。」
・・・このままだと埒が開かないのでアオイがレイを叩き起しました。
「ハッ!?私は一体何を・・・。」
「大丈夫?」
「平気。あ、用件は何?」
漸く復帰したレイに用件を聞かれる。
「えっと、鎌を打って欲しいの。」
「鎌?既にいい刀を持ってるじゃないですか。」
「えっとね、私のサブアームが鎌だから・・・。」
アオイ説明中。
「・・・なるほどね。よーするに、ドロップした鎌が壊れたから新しいのを作って欲しい訳ですね。」
レイがそう言ったので私は頷いた。
「分かりました。シャドメリック・クリスタルでいいのです?」
「うん。全部使っていいよ。」
と言うわけで打って貰うのであった。
レイside
私は今鎌を打って欲しいって言われて炉の前にいる。
私は炉を蒸す。圧倒的な熱量と共に燃え上がる炉。
その中にシャドメリック・クリスタルを突っ込む。
時間が表示される。残り05:30。
その間に金床に鎚と鑢を用意する。他の道具は道具入れの中に入れておく。
なんだかんだ用意が終わった時、炉が鋼鉄を熱し終わった事を知らせる鐘が鳴る。
私はそっと中のシャドメリック・クリスタルを取り出して金床に置く。
「よし、やりますよぉ!」
鎚を持って意気込んでから叩き始める。
カン!カン!と、リズミカルに金属を叩く音が響く。
暫くあたしはひたすらに鎚を振り下ろした。
カン!カン!カン!
何度目かはわからない程打ったとき、それは起こった。
この世界はバーチャルだから規定回数打てば形が変わる。
出来る武器はランダムで、鉱石によりそのランダムで選ばれる武器が変わる。
段々と、けど確実に鉱石の形が変わってゆく。
鎚を振り下ろす手を止めてその変化を見る。
やがてそれは一振りの大きな黒鎌と成った。
「・・・凄い・・・。」
あたしはそれの余りの美しさに魅入ってしまった。
黒く輝く刃には禍々しさなど存在せず、むしろ綺麗な黒だった。
持ち手まで金属でつくられ、そちらは若干白くなっていた。
とにかく、私はそれをアオイに渡そうと持ち上げようとした。
「お・・・重い・・・!?」
だけど重過ぎてなかなか持ち上がらなかった。
嘘でしょ!?と私は内心驚いた。
これでも筋力値はかなりあげてある。それこそ、120ちょいくらい。
でも、それでもこの鎌は持つので精一杯だった。
「レイ、できた?」
アオイが工房を覗きに来たので、
「あ、アオイさん・・・これ・・・!」
これ幸いと、アオイさんに渡す。・・・重かったんだもん。
アオイさんはそれを右手で受け取ると・・・
「うん、なかなかだね!」
右手1本でブンブンと振り回し始めた。
「嘘・・・。」
私は言葉を失った。
だって有り得ないでしょ!?あたしでも持ち上げられなかったんだからね!?
「あ・・・アオイさん、一体筋力値どれだけ上げてるんですか・・・」
気がつけば呆れ半分にそんな言葉を呟いていた。
が、その呟きが聞こえていたらしく、アオイが振り返った。
「え?最大までだけど?」
アオイのこの言葉に、さしものあたしも、流石に呆れた。
「あなたって人は・・・はぁ・・・まぁ、喜んでくれたならいいです。」
私はそう言ってニッコリと笑った。
アオイside
やっほー、アオイだよー。
と、言うわけで私はこの鎌を打ってもらったのだー笑。
「んじゃ、私は寝ますね。疲れましたぁ・・・」
「うん、ありがとう。」
レイは部屋に帰っていった。さて、私も家に帰ろうかな。
一週間で稼いだお金で買ったホームに私は戻った。
家具とかはまだ余り無いけどそのうちに買おうかなって思ってる。
私はベッドに横たわる。
目を閉じればすぐに眠気が襲ってきた。
そのまま私は夢の中へと引きずり込まれていった。
???side
何処か遠い場所、真っ暗闇の中で、一つの双眸が光を反射させていた。
「・・・これから・・・全てを終わらす目覚めがおこる・・・。」
その双眸はスッと細められ、
「さぁ・・・間も無く終焉の時・・・精精・・・足掻いて見せよ・・・。」
やがて消えていった。
そこには何も無かったかのような暗闇が残される。
「金ヶ崎・・・葵・・・!」
再びその世界が静寂に満ちた。まるで何一つ、草木一本も生えていない、そんなような静寂に満ちていた。
すみませんでした
遅くなりました。ハイ!第發話投下です!
文がおかしくて申し訳ございません
久しぶりの投下と言うのに、訳分からん文章ですが、何かとご理解頂けたら幸いです。
では、また次回お会いしましょう
葵の現在のステータス振り
HP 8095/8095 レベルアップにより最大値上昇
筋力値 173 (平均が63) レベルにより最大値変化
素早さ 46 (平均57) レベルにより最大値変化
攻撃力 635 (平均576) 武器とレベルにより値が変化
防御力 472 (平均377) 防具とレベルにより値が変化
MP 90/120 レベルアップにより最大値上昇
といったところでしょうか?