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作者: 低反発

きっかけはいつも知らされない。

誰かを待つようだった回廊の上で、女体の形象が揺らいだかと思うと、不意に石鹸の香りが立った。横に寝かされた子供の白い人形、オレンジの斑点を纏った蝶、断面化された細い菌類。Kはタバコに火を点けた。月世界旅行を夢見た友人からの便りの中に、次のような記述があった。

「ついに旅券を手に入れた。容易いことだ。窓のない部屋で待つことにも飽きただろう。籠は出来る限り早く出てしまうべきだ。どうせまた籠はあるのだから」

Kは友人の手紙を樫の抽き出しに仕舞った。ノックの音が聞こえた。

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― 新着の感想 ―
[一言] ノックの先にある世界が見たいです。 きっとそこにもいつもと同じ風景があって、 だけど、同じ風景の中で心次第で自由にも不自由にも なれるのだろうな…。
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