逆転劇
「まさか更正されるなんて…!」
怒りを露わにする夢芽。
「操ってくれてありがとう。おかげで夢芽…お前よりも強いチカラを手に入れたよ」
夢芽に与えられたチカラを存分に発揮する泉美。
「そんなことさせない。最強なのは変わらず私だけなんだからぁ♪」
「お前が最強な世界は終わったよ。そして、私にも“全魔能源”を植え付けた以上、勝ち目は無くなったよ」
泉美を操る際、夢芽は自分の能力を植え付けて操っていた。すなわち、知らないうちに泉美を最強に仕立て上げていたのだ。
「戦力差別のこの世界は、今から武力が守護する世界へと変える!」
泉美は、世界の破壊を止めようとする。
「無駄よ~♪ この破壊は時限式。私にも止められないし、私を殺しても止まらない♪」
実は夢芽は、破壊する時に、時限爆弾となるように能力を分離させ、壊れやすいように少しずつ大地をボロボロにしていたのである。
「「…くそっ! まさか、そうくるとは…!!」」
泉美も智歌もユニゾンし、夢芽を倒すことよりも崩壊を抑えることに集中した。
「破壊は止めさせない…!」
破壊を進めていくために、智歌と泉美を相手に全力で抵抗し始める。
「智歌…」
傍受されないよう、頭を指さし、脳内電信で作戦を告げる。
『私は破壊を食い止める。智歌は、夢芽の気を引きつけといて! 頼んだよ…』
『OK♪ でも、どうやって?』
『破壊の根元を見つけて、そこに突っ込む』
『…待って!? それって、まさか…』
しかし、止めようとする智歌が止められないほど凄まじい速度で泉美は飛んでいき、脳内電信すら届かなくなった。
「い、イズミン!!」
追いかけようとする夢芽。だが、そんな彼女に対して智歌は、
「アンタの相手はアタシだよ!!」
と言い放ち、全力で対抗。
「全世界最強さん、アタシだって“世界最強”の1人なのよ。ここで最強がどっちか決めない?」
夢芽を挑発する。すると、
「最強は2人も必要ない…私こそ最強よ♪」
と、案の定この挑発に乗った。
(や~りぃ♪ 泉美…頼んだよ!)
果たして泉美は、世界の崩壊を止められるのか…
全壊まで、あと1分を切った…………




