心理の葛藤
全壊まで、あと7分。
………泉美の心の中。
(私は、破壊神から世界を守り、武力は守護のためにしか使わないことを望んだハズ。なのに、今の私は破壊神じゃないか…!)
(その世界を構成するためには、いち早く世界の全てを壊す。それこそ最高の選択肢じゃないのかな?)
(壊してしまったら、それこそただの武力弾圧。そんなの平和になるわけがない…)
しかし、そんな心理錯誤とは裏腹に、身体は行動に出てしまった。
目の前にいる智歌に攻撃を仕掛けた。
しかし智歌は、そう迷っている泉美の攻撃が弱っていることに気付き、泉美との距離を縮める。
だが、その智歌を空間爆発で弾き、近づかせない。
(…私は、どうしたらいい? このままだと、破壊することになってしまう…っ)
泉美は、破壊衝動が収まり始めていた。
それを読んだ智歌は、叫ぶ。
「泉美ぃぃ! アンタが破壊するのは世界じゃない、破壊神だぁぁー!!」
その言葉を聞き、泉美は、
(そうだよ! …倒すべきは破壊神…!!)
我に返った。
そして泉美は、攻撃対象を夢芽に戻し、智歌と共闘し始める。
「…してやられたねぇ…まさかイズミンの心を更正するなんて…っ」
夢芽は心底驚き、初めて冷静さを欠いた。
「…もう私以外は生かしておけないねぇ♪」
泉美も攻撃対象とし、1人で破壊を企む。
「地球を、お前だけのために壊させない…!」
泉美は、全力で夢芽に対抗する。
全壊まで、あと3分……
智歌と泉美で、最後の戦いに挑む!




