残酷な支配劇
「イズミ…正気なのか?」
憤怒するバルミ。
「まさか泉美が裏切るなんて…」
驚きを隠せず、何もせず立ち尽くす亜久未。
「邪魔しないで…」
まず泉美は、亜久未から潰しにかかる。
火炎で上下左右前後すべて塞ぎ、亜久未の逃げ場を無くした。そして、その包囲を少しずつ凝縮していき、亜久未を焼き尽くす。
「うぅぅああぁっっ!!!」
熱さに耐えきれなかったが、気合いで包囲から抜け出した。しかし、その直後に体力を使い果たし、倒れてしまった。
「ツ、ツグミ……っ」
夢芽に抑えられていて何も出来ず、バルミは自分の無力さを悔いた。
「あとは王女様だけ、なんだけど…ちょーっと見ててほしいな、王国の壊れる瞬間を♪」
バルミを捕らえたまま上空へと移動し、そして泉美に合図する。
すると、泉美は無言のまま行動に出た。
まず王国城の外側を炎幕で囲み、次に内部へ移動し、破壊光線で全てを破壊していく。
わずか数十秒で王国城は無惨に壊された。
「ひでぇ…! それでも人間かよ!」
バルミは激怒し、夢芽に蹴りをくらわそうとする。が、それは簡単に抑えられてしまい、逆に、鳩尾に蹴りを入れられた。
「あぐっ!!」
痛みに悶えるが、意識は保った。
「いいから見てて~♪」
バルミの身体の自由を全体から奪い、夢芽は、壊されていく王国の無惨な姿をあざ笑う。
泉美は〆に、城を大爆発させ、全ての街を燃やし尽くした。
「…まずは王国から。殲滅完了だよ、夢芽」
任務完了の報告。
「それじゃ、王女様は用済み♪」
バルミを、何も言わせる間も与えない速度で瞬殺し、夢芽はバルミを、火の海の中にポイ捨てした。
この時、エフティルシパ王国は全壊した…
…………その頃、絶世森海。
「…? なんだ…?」
バルミの気配を感じ取れなくなり、それに対して違和感を感じた智歌。
「…何かが始まってる…間違いなく」
薄々と、地球の破壊を感じ取っていた。
………夢芽と泉美は、
「んじゃ、次の国に行こ。イズミン♪」
と言われ、
「そうだな。次は…」
と、次の目標を探し始めた。
そして、次の国は………




