襲撃
「さて、王国から始めよ~♪」
徐々にエフティルシパに近づく夢芽と泉美。
…………王国城内。
そんな2人に気づくことなく、
「ごちそうさま! 美味しかった…」
と、亜久未と円は満足していた。
「今日は2人のために奮発したんだ、当然♪」
とても自慢げに、バルミは腰に手をついて偉そうにしている。
「普通の奮発よりも奮発してるけどねぇ」
素直に言ってしまう円。
「それは王女なんだし普通だよ♪」
またまた自慢げに話すバルミ。
すると突然、地震に襲われた。
「ふ、普通の地震じゃない…!」
バルミは、自然の地震じゃないことを瞬時に悟り、外へ飛び出す。
すると……
目の前にとんでもなく長い爆熱光線が走り、一部の街が、瞬時に火の海になった。
「な、なっ………」
その犯人を突き止めに向かおうとするバルミ。だが、
「バルミ! こっちもヒドいことに!!」
城の裏手で、街が完全に氷で凍結していた。
「な、なんっ……」
しかし、それまた束の間。
今度は西側に、光線が円上に走り、複数の街が地盤沈下に襲われた。
「破壊神にしちゃ破壊力ありすぎだ…! こんなこと出来るのは……」
バルミは知っていた。夢芽のことを。
そう思うと居ても立ってもいられず、その根元の辺りへと高速で飛ぶ。
「ちょっ、バルミ!?」
それに続いて、亜久未と円も飛ぶ。
だがこの時、最初の悲劇が起きた。
「あぐっ!! う、そ…でしょ……」
謎の攻撃が、円を襲った。
「ま、円ー!!」
円のもとへ駆け寄る亜久未だったが、時すでに遅し。円は…
心臓を貫かれて、即死していた…。
「そ、んな……っ」
泣きそうになる亜久未。しかし、それを堪え、謎の攻撃の正体を、バルミの元に行って確認することにした。
そしてバルミは、攻撃の根元…夢芽のいる所にたどり着いた。
「やっぱり夢芽か…」
予想が当たっていて、対峙する。
「ありゃ、バルミちゃん♪」
夢芽も彼女のことを知っていた。
「…なんでアタシの王国を壊しに来たんだ?」
攻撃を仕掛けながら、夢芽に問う。
すると、とんでもない答えが返ってくる。
「全世界を破壊するために、端から端まで壊す。そのための第一歩だよ~♪」
地球破壊宣言をした。
「そんなことさせねぇ!」
全力で、バルミは得意の蹴撃を繰り出す。
しかし簡単に抑えられてしまう。
「私に勝てるワケないでしょ~?」
バルミの背後に神速で回り込み、すぐに身柄を確保する。
そこに、亜久未が辿り着いた。
「ば、バルミっ!!」
とっさに夢芽に攻撃をしようとするが、思わぬ攻撃が、横から襲ってきた。
その攻撃は、亜久未の苦手な火炎での包囲だった。
その攻撃をしたのは………
「なっ…う、嘘だろ…」
あまりの衝撃に立ち尽くすバルミ。
「どうして……っ」
続いて立ち尽くす亜久未。
「まず、この王国から跡形もなく消し去る…」
…なんと!
感情を失った泉美だった……




