根源
「この最奥部は、私以外に入れない場所。でも、元々は誰かが使っていたんだろうね…」
夢芽は語る。
「この世界は、全世界を確認できるモニターがある。だから、今までイズミンが見てきた世界は、ぜーんぶ見てきたの♪」
魔源域、エフティルシパ王国、シェガンゾフ帝国、そして異空間。その全てを夢芽は、この世界の中で見続けていた。
「全員の能力も、全て確認済み。少ない生き残りのみんなのを…ねっ♪」
その全てを、泉美に公表し始める。
「イズミンは“総性造爆”
魔法・格闘・気攻 を極めた能力。
それと合わせて“爆膨圧眼”
鉄雄は“神速攻防”
主に射撃、それを極めた能力。
それと合わせて“増強眼”
奈那は“黒炎纏撃”
炎をまとい、操る能力。
亜久未は“電光操作”と“身傷治癒”
電気や雷、光を操る能力が電光操作。
生命力を蘇らせたり、傷を癒したりする能力が身傷治癒。
終矢は“悪魔契約”
悪魔のチカラを借りて、それを酷使する。
志乃美は“超分析”
分析力に長けていて、それで対応する能力。
彩夏は“全逆応”と“空間支配”
他人の能力を逆にして返したり、回路逆流させて能力を封じたりするのが全逆応。
空間を支配して、そのチカラを発揮するのが空間支配。
おまけに彩夏は“人造人間”
円は“多属性”
いろんな属性の技を司る能力。
天世は“即予知”
読心・未来予知、それによってワザを繰り出し、攻防に対応する能力。
羅宇は“能力創造”
魔源域の人達に能力を与えた、能力を創り出す能力。
バルミは“神速蹴拳”
蹴りに特化した能力。
智歌は“覇魔歌唱”
歌詞に乗せた言葉通りに能力を発揮する能力。実質上は最強の1人だね♪
そして、シェガンゾフ一族は“無源魔能”
魔法や超能力のような前触れを必要とせず、異次元の何かを利用して発揮する能力。
…今までの全てを、私は見てきたの♪
でもね? 初めて知ったのは、イズミンと鉄雄が特別な存在だってこと、かな」
「…特別な存在…?」
泉美は疑問に思うが、それはすぐに分かった。
「…私とテッちゃんだけが、
“禍々しき呪いの眼”
を持ってる事が関係してるよね…」
「そうなんだよ~!」
まさしく、という感じで夢芽は頷く。
「今まで、そんなの聞いたことなかったし、イズミンと鉄雄だけは、私の中でイレギュラーだったんだ~…」
また、いきなり意味不明な事を言い始める。
「…イレギュラー?」
泉美は質問する。それに夢芽は答える。
「そもそも裏世界の国は、魔法・魔術・超能力で成り立っていたから…そこにイズミンと鉄雄が現れて、新たな“混在人間”という存在が確認されて…世界が歪んだの。それは、鉄雄の行動によって起こされた…」
どうやら、鉄雄が破壊神として活動し始めてから、世界は急激に変わったそうだ。
「そこからかな? 二輝幻将や移次元警官、そしてシェガンゾフ一族の“壊星団”という団体が作られ始めて、それぞれの目的のもとに活動。でも、どの組織も、最終的な目的は、
地球を破壊して、1から作り直す
っていうモノだった…。」
「…正義を語った悪、ということね…」
今までの全てが、正義を語った悪の所業だと知り、複雑な気分になる泉美。
夢芽は語り続ける。
「だけど、それら全てが、イズミンと仲間たちのおかげで、全て平和に治まった。これは私にとって最高の展開だよ~♪」
感謝の気持ちを泉美に送る夢芽。
「…でも、よくこんな世界で、孤独で過ごせたよな…」
「それはもちろん、生まれた場所だからねぇ♪ 退屈しないよ、ここ♪」
そして夢芽は、話を変える。
「イズミンだけには、私の生まれた場所を見せてあげるよ。私の姉ちゃんだから、特別にねっ♪」
ウィンクし、その場所へと連れて行く。
そして、その場所にたどり着く。
すると…
「なっ…!?」
そこにあったのは、驚きの光景だった…………




