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4つの交錯  作者: 幡賀 吉紗
~最期の世界 編~
52/67

深奥

 

ーーーー……

最奥部コアへ向かう途中の、泉美いずみ夢芽ゆめ


「私の産まれ故郷には、誰も入れたことがないんだよ…」

唐突に、そう話し始める夢芽。


「孤独…だったんだな、夢芽は」

出自を聞いてからと言うもの、一緒にゆっくり歩きながら会話を交わす泉美。


「飛んでいかないのは、イズミンとゆっくりお話しながら行きたいからだよっ♪」

わざわざ地に足を着いて歩きながら向かう夢芽。


しかし、その歩く先には、地平線しか見えていない。一体どこまで行くのか…


「…もう2時間くらい歩いてない?」

少しばかり疲労を感じ始める泉美。だが、

「え? まだ2時間程度だよ?」

と、まるで時間感覚が狂っているような発言をされた。


「こ~のくらいで疲れないよ~♪」

人間らしからぬ言動。歩くのが好きすぎて、感覚が麻痺しているようだった。


「…ところで」

泉美は、話題を変えて質問する。

「夢芽…お前は一体、どの部類の……」

生物なんだ?、と言おうとした時、夢芽が、


「ん、着いちゃった…♪」

と、最奥部に着いたことを宣言する。


「…いいや、後で聞くよ」

泉美は質問を後回しにした。




「…あれっ?」

少し立ち尽くして、泉美は、その異変に気づいた。

「何もないよ…?」


そう言った時だった。

何やら温かい光に包まれ、夢芽と泉美は、異空間へと飛んだ。

しかし、その異空間は、今まで見たモノとは全く違い、それはまるで進化を遂げた未来像のような街に見えた。



「…この世界が最奥部コアだよ、イズミン♪」



ついに泉美は、夢芽の故郷に辿り着いた…


 

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