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4つの交錯  作者: 幡賀 吉紗
~神源 編~
46/67

驚愕

 

ーーーーー……

一方その頃、泉美とニェンテ。


「…このオーラを辿れば、その“全世界最強”の居場所に辿り着けるんだね?」

「うん。でも、わざと向こうから知らせてきてるみたいだし…警戒しなきゃ」

少し軽い気持ちの泉美と、警戒心の強いニェンテ。


「…そういえば、その“全世界最強”って…いったい誰?」

そうニェンテに問う泉美。

「確か名前は“夢芽ゆめ”…。なんでも、どの能力も瞬時にコピーするとか、なんでも能力が使えるとか…いろんな噂があるわね」

ニェンテは答えた。


「どんな奴なんだろ…夢芽…」

泉美は、にわかに思い始める部分があった。


(夢芽…って、私の妹・・・と同じ名前だな…)


「その場で相手と会っただけで能力の本質を見抜いて、それをあたかも自分の能力のように使いこなす…とも言われてるわ」

ニェンテは、多くの噂を耳にしていて、聞いたことのある噂話を泉美に話す。


「何をしても効かない…とか、圧倒的すぎて勝てる人が居ない…とか。その強さを目の当たりにした人達は、こうしたコメントばかりだよ」

少し顔が険しくなるニェンテ。


ここまで聞いた時、泉美は、

「…最強、か。本当は智歌も“最強”の1人なんだけど、智歌も知ってるのかな…夢芽のこと」

と、少し疑問に思った。


「…っ! 近いよ!」

オーラの濃度が上がっていることに気づき、ニェンテは警戒心を強めた。



…そして、対峙した。


「……」

目の前には、明るい茶髪セミロングで、首もとが隠れる黒いジャージに身を包んだ、細身の女がいた。

泉美は、そこにいた“夢芽”の姿に目を疑った。


「あちゃ~、もう見つかっちゃった♪」

夢芽は、明るく陽気に振る舞う。


「…夢芽…? お前あの日、右足と左腕を失って…殺されたハズじゃ…!?」



…なんと、夢芽は泉美の実の妹だった!



「確かに2年前…破壊神ダークマターに右足と左腕を持って行かれたよ? だから今、私の右足と左腕は、魔力マギで作った義足義腕。…実はね、あの日私は…死んでなかったの♪ 偶然にも生きてた」

夢芽は、2年前の真相を語り始めた。


「でもね? もう動けないくらいダメージ負ってたから、動くことはままならない状態だったし…そのときは死を覚悟してた。でも、そこには“宝石”があって、キレイすぎて手に取った。そしたら…


 全世界最強のチカラを手に入れたの。


 不思議だよね…」


そこまで語った時、能力の片鱗を見せ始める。


「例えば、こんなことも出来る…」

空間の支配をし始めたため、泉美とニェンテは身動きが取れなかった。

「こ、これ…彩夏さんの能力!?」

「うん♪ 清海きよみ 彩夏さやかさんの空間支配シンクロプレスだよっ」


なんと、あたかも自分の能力のように、他人の能力を使い始めた!


「未知なるチカラ ここに集え

 偉大なる神秘 手に宿れ

 抵抗する者 排除する

 2人の戦士に制裁を♪」


いきなり歌い始める夢芽。しかし、

「避けてね?」と注意を促す。


「こ、今度は“覇魔歌唱アナイヒレイト”…智歌の能力、だって…!?」


神速で飛んできた光の矢。それを簡単に避ける泉美だったが、ニェンテは受け止めた。


「…ありゃ? 受け止めた人はキミが初めてだよ~♪ ニェンテ…いや、


 エミナス・バーノ・シェガンゾフ


 ちゃん♪」


「シェガンゾフ一族をナメないで欲しいかな…」

エミナス。これがニェンテの本名。

彼女は、能力を使い始める。


その時だった。

まるで知っているかのように、夢芽はエミナスの能力を語り始める。


「シェガンゾフ一族は“無源魔能アルケミック”の使い手。魔法や魔術、超能力、錬金術ともかけ離れてる、チカラの源が存在しない・・・・・能力。今でもそれは魔法なのか超能力なのか解明できない部分が多いから、どの分類としても扱えない。そんな特異能力だよね」


「…っ!?」

『なぜ知ってるの!?』と言いそうになったエミナス。だが、それは簡単に察しがついた。


(…そうだ。夢芽は少なくともレーシァ…いや、お父様と会ってるし、知ってしまっていて当然だね…)


「勘が鋭いねぇ、エミナスちゃん♪」

「っ!?」

まるで心を読んだように話しかけてきた夢芽に、エミナスは戸惑いを隠せなかった。


「…今のは、読心術…生徒会長の能力…」

ことごとく何でも使える夢芽に、恐怖を覚えた泉美。

「本当に、何でも使えるんだな…夢芽は」


最強の存在が妹の夢芽であることと、彼女の能力の幅広さ。この2つに驚きを隠せなかった。


「これで私の能力は分かったでしょ? …でもね?」

ここで泉美に話しかける。

「私、イズミンの能力だけは…どうしても真似できなくて・・・・・・・悔しいんだ~…」

どうやら泉美の能力は、異様に特殊で、他人には真似できない領域だという。


「…真似できない・・・・・・…?」


ここで泉美は気づいた。


「つまり夢芽は、会った人の能力しか使えない…?」

コピー能力だということに。

「その通りだよっ♪ けど~、本質は違うんだよねぇ♪ 教えないけどっ」

どうやら、それだけでは無いようだ。


「…あっ、エミナスちゃん?」

ここでまたエミナスに振る。

「念願の“お父様奪還”なら、行く場所を示すから、そこまで行ってあげて? 私はイズミンに用があるだけだから、フォゲウスは返してあげる♪」


そしてエミナスに方角と場所を教え、フォゲウスのもとへ向かわせた。


「…こんなにあっさり返すとは思わなかったな…」

心の底から不意打ちを喰らった気分なエミナスだった。


「…さて、エミナスちゃんも行ったことだし、久々に2人きりだね、お姉ちゃん・・・・・♪」

泉美を巻き込み、異空間に飛ぶ。


「珍しいな、夢芽が私のこと“お姉ちゃん”って呼ぶなんて。どうしたんだよ?」

戦闘態勢になる泉美。


「たまには、それらしい呼び方しようかな~って。ダメかな?」

「別にダメじゃないけど、似合わないよ?」

「そうかなぁ~? でも確かに今まで“イズミン”としか呼んだこと無かったしぃ…仕方ないかも♪」


いくらか会話を交わし、2人とも戦闘態勢になる。


「…イズミンの能力“総性造爆オールラウンド”…拝見させてもらうよ~♪」


「夢芽の能力も見せてもらうことにするよ」


ここでもまた姉妹対決が始まった。


ーーーーー……

その頃、バルミ一行vsシュロナ一行は………


 

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