姉妹
「いつ振りだったかしら? 姉さんがエフティルシパ王国を裏切った日から、もう15年経つけど…4年くらい前に、一度だけ会ったわね…」
その言葉に、怒りを露わにするシュロナ。
「バルミ? それは違うのよ。ただフォゲウスのことが好きで、それで嫁いだだけなの。なのに、それは裏切り行為として扱われて、そんな私にフォゲウスは、シェガンゾフの名を私に与えてくれた…。私は、王国を絶対に許さない…!」
語り始めたシュロナは、止まらなかった。
「一度、フォゲウスのことを王国に引きずり込もうとした事もあった。そしたら和解することも出来たと思う。なのに、帝国をなぜか嫌う王国側のせいで、私は即座に裏切り者扱いされたのよ。…王国に戻ること出来なくて、結局は帝国側になった…」
拳を強く握り、チカラを解き放つ。
「…だから、そんなエフティルシパ王国が許せなくて、破壊活動をしたのよ。…私は王国だけ壊せれば良かった…なのに、フォゲウスは
『全世界に強さを知らしめる…。そのためには、端から端まで壊す!』
って言い始めた…」
そうして語られた過去に食いついたバルミ。
「…それって、“破壊神”の始まり?」
「そう。…でも、途中で飽きて止めたけどね、フォゲウスは」
驚きの過去。
「…それに釣られて、鉄雄やアタシ、アマヨに終矢は、破壊活動し始めたんだな…」
バルミは、この過去に驚きが隠せずいた。
「…あれっ?」
ここで、意外な告白に驚いた亜久未。
「バルミも“破壊神”だったの…?」
「そうよ? そういうツグミも、でしょ?」
これに驚いた円。すかさず質問した。
「…っ!? ツグちゃん、元は破壊神の一員だったの!?」
「ごめんね、今まで黙ってて。元々は破壊神、だけど今は復興支援員…分かって?」
本心から円に向けて告白する。すると円は、快諾してくれた。
「分かってる。そうじゃなきゃ復興支援してないもんね…♪」
「…話が逸れてきたから、単刀直入に言うわね?」
シュロナは、話を元に戻す。
「バルミ…いや、王国側は絶対に許さない。ここで死んでもらうわ!」
戦闘態勢になり、バルミに殺意を向けるシュロナ。
「…まさか、また闘う事になると思ってなかったわ…」
智歌は、仕方なく戦闘態勢になった。
「もし智歌が帝国側なら、ボクが相手するよ…」
怒りを露わにしながら、亜久未も戦闘態勢に。
「…許さねぇ、王国側は絶対に!」
戦闘態勢になるニヒツ。
「奇遇ね。私も帝国側は絶対に許さないよ」
円は、いつも以上に帝国を嫌い、戦闘態勢になる。
…王国と帝国の闘いは、静かに開幕した。




