Thunderbolt
「くっ…! やっぱ智歌は厄介だね…」
亜久未は呟く。
「そういう亜久未も、ね…」
疲労困憊な智歌が呟く。
雷を使い慣れてる亜久未は、雷同士の戦闘には慣れていて、そんなに疲れなかった。
その反面、歌によってチカラを得ている智歌は、チカラを得て発動しているので、普通より疲れがヒドいのだ。
「…っ!」
また脳内詠唱し、今度は、雷を身にまといながら射撃を繰り出したり、拳で攻撃したりする。
「何度やっても私には勝てないよ? 雷ならね」
亜久未も同じように雷を身にまとい、射撃や攻撃をする。
亜久未が、智歌のことをやや押している。
「くっ…! このままじゃ、アタシが…!」
ーーーーー…某世界、某所。
「あっれ~? 歌聖神が、能力者に押されてるね~…意外♪」
泉美を知っている女は、遠目から、亜久未と智歌の戦場の様子を把握していた。
「だが、そんなものだろうよ。下等種族の争いなんて、何が起きるか分からんモノよ」
某国の帝王と名乗る男が、その女に言う。
女「彼女らを下等種族って扱いされると、ちょっと気が引けるわ~…。あれでも、それぞれの国の最高位より強いんだからね?」
男「だが、それも我が輩の眼中には無いのだよ。我が輩が使える超能力には及ばぬのだよ。この“無源魔能”の前では、な」
女「無源魔能も、気を抜いてたら攻略されるわよ~? イズミンまだ生きてるし、彼女は私の○○○だからね~?」
男「なら、試すか? 我が輩も甘く見られたな…」
女「…試さなくても、私のことは知ってるでしょ~? 私は無源魔能のことも知ってるのよ?」
某国帝王と女は、戦闘態勢になる。
どうやら、こっちでも何かが始まりそうだ…
ーーーーー……
魔源域、戦場。
「…まさ、か…だわ…。アタシが負けるなんて…」
智歌は、亜久未の手によって倒されていた。
「っ…! なかなか手強かったけど、ね…」
亜久未も、だいぶやられていた。
しかし、やられたのには理由があった。
それは、亜久未の口から告げられる。
「智歌…。キミは、歌からチカラを得れるけど、それが自分の体を蝕むことを考慮しないで使っちゃう時があるの。だからさっき息切れが激しかったし、段々に威力が弱まってしまうの。これは必然的」
昔からの馴染みなら、そのクセを見破っていて当然。それを、智歌に告げた。
この時、亜久未の勝ちが決定した。
「アタシの…負け、ね…。攻撃に転じると衰えてしまうのは、私の悪いクセ…。知っていたから、それを修正しようとしたのに…見破っていたアンタは、そこを突いてきた。完敗よ…」
そう言った智歌には、もはやチカラなど宿っていなかった。歌も歌えない状況。
「これ以上もしも歌唱ったら、もうアタシのカラダはボロボロ…死んでしまうわ」
ーーーーー…
こうして智歌と亜久未の決着がついた時、某世界、某所では…
女「はぁ…。だから試すまでもないって言ったのに~…」
某国の帝王たる男は、その女に負け、その上、封印されてしまったようだ。
女「…あっ。これもまた楽しくなりそ~♪ ちょっとコイツ利用しようかしら!」
女は、何かを企んでいた。




