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4つの交錯  作者: 幡賀 吉紗
~覇魔歌 編~
35/67

Twin - Flash

 

ーーーーー………

某所にて。

「イズミンのチカラって、暴走するとあ~なっちゃうんだね~♪ いや~凄い! けど、あの“破砕の詠クラッシュ”を死なずに・・・・使えるのは、私だけかな~♪」


どうやら泉美と関わりのありそうな女は呟いた。そして、


「だけど、破壊神ダークマターの一員の亜久未と、二輝幻将ツインフラッシュの円が共闘してるのは何故かしら~? 敵対してたハズなのに、復興支援中に仲良くなるなんてぇ~!」


顔に見合わぬ変な喋り方で、呟いた。


ーーーーー………



破砕の詠クラッシュを抑えようと必死になる円と亜久未。そして、智歌。

3人で抑えた結果、その詠唱は止まった。

「ふぅ…良かった」

安心する円と亜久未。それにつられて、

「表の世界は破壊したくないから、良かったわ…」

と、智歌も安堵の表情に。


「それはさておき…」

唐突に話題を変える智歌。

「久しぶりじゃない? 亜久未…」

と、亜久未を知っていたことを口に出す。

「…えっ?」

疑問に思うが、よーく見てみたら知っていたようだ。

「…あ。もしかして“歌聖神セイクリッド” 智歌?」

「そうよ♪ 久しぶりね」

懐かしの友に出会えたことで嬉しくなり、とてもテンション上がっている智歌。

「久しぶりだねっ!」

亜久未も、とても嬉しくて抱きつく。


「…亜久未? その人と知り合い?」

素朴な疑問をぶつける円。

「知り合いも何も、旧友だよ! 懐かしいなぁ♪」

そう答える亜久未。


………だが、それも束の間だった。

「ごめんね? 亜久未…」


次の瞬間、彼女の背中に高圧電流を流し、気を失わせようとした。

「…何のつもり? 智歌…」

高圧電流は効かず、そのまま智歌に反撃する。


その反撃は、雷をまとい、放出していた。


ビリビリと伝わってきた痛みに智歌は悶え、亜久未から距離を取った。

「っ!? あ、相変わらず電気は通じないか…」

そう言った智歌に、亜久未は答える。

「ボクの能力、知ってるよね? 忘れたとは言わせないよ…」


第28部“復興ーRemakeー”にて、亜久未の能力を披露したのは覚えているだろう。

それは…


身傷治癒ヒーリング


…しかし、それとは別の何かを持っている事は間違いない…。


「忘れるワケないじゃないの。親友のあなたの能力を…」


電光操作エレキライト

電気や雷、光を操り、攻撃等をする能力。


「…なら、さっきのスタンガンは何? 忘れてないなら、効かないのは知ってるよね?」

「ふふ、それは試したのよ。どんなに数値が大きくても防ぐのか、ね。結局は超高圧にしてもダメなんだって分かったけど」

忘れたのではなく、あえて試したのだと言う。


「…ボクが“元・二輝幻将ツインフラッシュ”っていうのも知ってるよね?」


そう。実は、亜久未は元・二輝幻将…。



ーーーーー………3年前。

魔源域ダークオリジン某所。

まだ破壊神ダークマターが動き出していない頃の、二輝幻将ツインフラッシュ本部。


「ただいま戻りました、天世様」

礼儀正しく、帰還したことを伝える亜久未。

「うん、お疲れ様♪ ゆっくり休んで?」

優しく手を差し伸べ、部屋の前まで見送った。


そして亜久未が部屋に入ったあと、天世と羅生率いる移次元警官ナイトポリス、それと彩夏たち二輝幻将ツインフラッシュによる合同会議が開かれた。


羅生「破壊神ダークマターに潜入し、その活動報告を通信してほしいのだが…誰が良いのだろうか?」

天世「それなら…」

彩夏「亜久未が適任なんじゃない? 今のところ亜久未は破壊神ダークマターに顔バレしていないし…」

羅生「そうだな。少し酷だが、そうするしかないだろう…」


こうして、亜久未が破壊神ダークマター潜入捜査の要因となった。


翌日。速攻で破壊神のアジトを探しに行く亜久未。

しかし、そう簡単に見つからなかった。が…


「何か探してるのか?」

と声を掛けてくれた若者の市民。

その質問に、こう答える。

「実は、破壊神ダークマターのアジトを…………」


事情を説明した後、市民は答えてくれた。

「それなら、頼んだよ。アジトの場所は、あの要塞の地下深くにあるから…」

と、場所を知っていたから教えてくれた。

「ありがとう…」

感謝をし、亜久未は破壊神のアジトへ向かう。


…その時だった。

入り口付近で、数人に囲まれる。

「な、なんだ…!?」

状況が把握できなかった亜久未。そんな彼女の前に、破壊神ダークマターは現れた。


「初めまして。よくここを見つけたな、歓迎するぜ?」

と言った直後、亜久未は両腕と両足を押さえられ、能力解除鎖キャンセラーを取り付けられ、抵抗できず、捕まってしまった。

「っ!? な、何これ…っ!!」

「大人しくついてこい」

そう言った破壊神に向けて能力を発揮できずに為す術ないため、大人しく連行されることにした。


…そして、最深部。

ここに着いた時、破壊神ダークマターは、

「…貴様、潜入捜査しに来たんだろう?」

と言った。つまり、亜久未の正体はバレていたのだ。

「そんなつもりは無い…」

と言ったが、その直後、

「嘘ついても分かるんだ。正直に言え…」

と言い、亜久未の全身を鎖で縛り付けた。

「私は、破壊神になりたくて…」

その発言途中、破壊神は鎖に電気を走らせた。

「っ、い゛ぁぁっっ!!!」

痛みに悶え、体力を急激に失う。

「嘘をつかずに正直に言えば、電気は走らせないぞ? ほら…」

また電気を流し、拷問する。


「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁっ!!!」


悶絶し、息を切らせながら、正直に答えた。


「ぼ、ボク…ツ、二輝ツイン幻将フラッシュの一員…で、今回…潜入捜査、しに…来た…」

正直に打ち明けた。


「そうか…そうだと思ってたよ。それじゃ、行方不明ロストしな…」

打ち明けたにも関わらず、破壊神は電気を流し、亜久未を拷問し続けた。

「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁっ!!!」

正気を保てなくなり、亜久未は…

「…も、もう……やめて…」

と、泣きの一言を呟くが…それでも止めなかった。

「ん゛う゛う゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁっ!!!」


………拷問され、24時間後。

野垂れ死にかけている亜久未。破壊神ダークマターは そんな彼女の記憶を操作し、破壊欲を植え付けた。


そうして亜久未は、破壊活動に参加してしまっていた。

その連絡を破壊神ダークマターから受けた天世は、その記憶操作の事を隠し、


“滝宮 亜久未 は、私たちを裏切った”


として、二輝幻将ツインフラッシュから除名された…


「ごめん、二輝幻将…。ごめん、移次元警官ナイトポリスの皆様…ッ」


………ーーーーー



「ふふ、それは聞いたことあるわね♪」

智歌は不意にニヤリと笑う。

「…まさか天世も破壊神ダークマターの一員で、その破壊神が鉄雄だったなんて、予想だにしなかったけどね…」

昔を悔いて、拳を握る亜久未。


円は、この真実に驚きを隠せなかった。

「亜久未…。そんなツラい環境に生きてたんだね…」


「過去話は良いから、さっさと私の表現詠唱うたの前で沈みなさいよ♪」


再び、戦闘が始まる。



…その頃、泉美は…暴走の反動で気を失っていた…。


 

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