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4つの交錯  作者: 幡賀 吉紗
~覇魔歌 編~
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31/67

Power of words

 

「希望の歌力(ちから)の前には、能力(マイト)は無意味…。掻き消すことも可能だから」

そう言い放ち、智歌は歌う。



「想像されたチカラ消して

 新天地へと誘う

 それがアタシの歌唱力(セイクリッド)

 そこに問われる殲滅(ブレイク)


 全ての能力(マイト)打ち消して

 表現詠唱(うた)は勝利を導き

 全てを無に帰す挽回(アザーコード)

 この手に宿れ 神秘の覇拳(こぶし)♪」



そう歌った時、泉美や彩夏(さやか)、羅生(らう)のオーラ値が減少し、チカラが激減し始めた。


「な、何…コレッ…!?」

と、真っ先に泉美が気づいたが、遅かった。


「ふふ♪ アタシの表現詠唱(うた)は、歌詞に乗っていれば“上限なく”表現してくれる。そんな詠唱に“上限のある”能力(マイト)が勝てるわけ無いでしょう? 諦めなさい…」


泉美は太刀打ちできず、岩壁に勢いよくぶつかり、立ち上がれなくなった。

それを見た父親の羅生。親の本能が動き出す。


「貴様…私の娘を、よくも…」

そうして怒りに身を任せた時、信じられない速度で攻撃を繰り出す。両手の掌(てのひら)に気を込めた仙球気体(イマジンボール)を宿らせ、それを神速で繰り出し、智歌に向けた。

その攻撃があまりにも速く、さすがの智歌も神速以上の速度は捉えられずに喰らった。


「うぐ…ッ! な、何…いまの速さ…ッッ」


バルミの“神速蹴撃(フューリアス)”という技の速度が、970km/s (秒速970km)…それでも相当速いのだが、今のは軽く2,000km/s (秒速2,000km)を超えていたという。

あまりに速すぎる数値だが、それを普通に繰り出す能力者は限られている。



実は、神速の技を繰り出せるのは…


表現詠唱(ソング)のチカラを持つ智歌と、

智歌の攻撃を受けきった泉美、

能力を作り上げた人造人間(クリーチャー)の羅生、


そして、羅生が造り出した人造人間(クリーチャー)の彩夏。



その中で最速の技を繰り出す人物は、まだ決まっていない。

なぜなら、測定する機器は無いのだから。


「…やるわね、羅生…。いや、この世界の創成主であり人造人間(クリーチャー)の…


ラウ・ビェッキバンク・ヴェルシフ」



ーーーーー………


数年前、ラウは、人造人間(クリーチャー)界で最強を誇る“ヴェルシフ一族”の総長。


だが、忽然(こつぜん)と姿を消し、総長の座を退いたラウは、いろんな国へ、超長髪の銀髪と黒衣をまとって変装し、暗くなったときに移動し、見られないように闇へ消えた。

しかし、その暗がりの中、ラウは天世(あまよ)と出会ってしまう。


「…貴方、能力者ね?」


黒き闇の中、目が良くて暗がりも明るく見える天世がいて、見つかってしまったのだ。


「…なぜ分かった? 初めて気づかれたぞ…」


戦闘態勢になるラウ。だがしかし、そんなラウの拳に優しく手を添え、平和を試みる。


「前から怪しいと思ってたのよ。なぜか夜しか移動しないし、わざわざ黒い衣服にして移動してたから、見られたらマズいのかと思って、気づいてみたのよ…」


するとラウは、その優しさに溺れ始め、戦闘態勢を解き、話し始める。


「…私は、人造人間(クリーチャー)界から抜け出し、エフティルシパ王国と結んだ“条約”を裏切った。それで行き場を無くし、ここへたどり着いたんだ…」


聖都ジアッポーヌ(元・日本)へと迷い込み、誰にもバレずに身を潜めていたラウは、いつの間にか天世に惚れ、いつしか一緒に遊びに行く仲へと進展し、相互告白したために相思相愛が発覚し、結婚した。


ーーーーー………


そんなヴェルシフ家の末裔が、羅生なのだ。


「…私は確かに人造人間(クリーチャー)だが、お前は人間だよな? 負けるハズがない…」


と自信満々に言うが、智歌は驚愕の発言をする。


「アタシ、人間でも人造人間(クリーチャー)でもなければ、混在人間(ミックス)でもない…




 歌聖神(セイクリッド) よ♪」


 

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