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4つの交錯  作者: 幡賀 吉紗
~破壊神 編~
29/67

戦場

27話『清海 彩夏』 の続きです。

 

羅生らうは、彩夏さやかの異常なオーラ値に絶句した。


「10,587f…だと!? 上限値 8,675f を遥かに上回ってる…!?」


しかし、そのオーラ値は全逆応インフィニティのもの。羅生はソレに気づき、空間支配シンクロプレスも測る。すると…


「シ、空間支配も…9,588f …!? こんな異常なオーラ値の能力を2つ持ってるとはな…」


合わせて 20,175f だ。異常すぎる。


「…」

その場にいた泉美と、終矢、バルミ、天世も唖然とし、絶句していた。



そこで、彩夏が羅生に質問した。

「…あんた、自分のオーラ値は測った事ある?」


素朴な疑問であり、全員が知りたい事だった。


「確かに…。今まで一度も測ったこと無いわよね? 羅生…」

と、天世も訪ねた。


「…私は、自分のオーラ値を測ったこと無かったな…。一体いくつなのか、今から測ろう…」

そう言い、その場に“オーラ値測定機器”を具現化し、測り始める。


そして、測り終えた。

「…まさか、だな。そんな数値だとは思わなかった…」


彼の口から、驚くべき数値を明かされた。




「私のオーラ値は…


 78,950f …」





なんと、尋常じゃなく異常なオーラ値だった。


「…っ!!?」

さすがに、彩夏のオーラ値“20,175f”以上に全員が絶句した。


「…羅生…。あんた、人造人間クリーチャーなんじゃ…?」

彩夏は質問する。

「…かもしれない。だが、それだと泉美の出産は…どう説明すればいい…? 人間の子供は人間…もしも人造人間だとしたら、泉美にも何かあるはず。しかし、普通の人間が産まれたんだ…」



そこで泉美は、あることに気づく。


「お父さん…。今の話を聞いてて思ったんだけど…



禍々しき呪いの眼エンシェントブラックアイ ”って…何の類なの?」



と、自分の眼のことを訪ねた。

すると、それを聞いたことが無かったのか、


「…? 何だ、それは…?」


と、逆に訪ねた。その時、他の4人も、その眼の正体を知らなかった。


「…どうやら、私と“鉄雄”にしか禍々しき呪いの眼エンシェントブラックアイは無いみたいだね。怒りでチカラを増幅させて、通常では得られないオーラ値を叩き出す…」


泉美は、知らないうちに怒りの感情を操作コントロールできるようになっていたため、すぐに見せた。


その状態の泉美のオーラ値を測ってもらったら、驚愕の数値に変わった。


「な、なっ…!? 807,648f …!!? 通常時の94倍…!!?」


これまた人外のオーラ値だった。


「…眼、見て…?」

この暴走をコントロール出来るのは3分20秒…と、少しずつ鍛えて尋常じゃない覚醒を得た。

そして羅生は、泉美の眼を見て、


「…な、なんだ…? “S”…?」

と、泉美の眼に浮き出たSの字が見えた。


「これ、“爆膨圧眼スウェルアウト”って言ってね…? 禍々しき呪いの眼エンシェントブラックアイって呼ばれてる中の1つ。鉄雄も、同じなの…」


怒りを収めて、泉美は通常状態に戻る。


「でも、鉄雄は4倍が限界…。清海先輩は闘ったことあると思うけど、異常に強くならなかった?」


そう。彩夏は直接対決しているのである。

生徒会で彩夏が鉄雄のことを能力者だと見破り、異次元の空間に飛ばされて襲撃され、その後に生徒会も巻き込まれた、あのときだ。

(※7部『生徒会副会長』~9部『荒れ始める生徒会』 参照)


「確かに…言われてみれば、肉体も膨張して、攻撃力も尋常じゃなく上がってたわね…」

思い返す彩夏。

全逆応インフィニティですら歯が立たなかったから、奥の手の空間支配シンクロプレスを使ったのよね…」

と、奥の手である“左”を使ったことを言う。


「私とテッちゃんには、その禍々しき呪いの眼エンシェントブラックアイがあるの。



 …この意味、分かる…?」



このとき、全員がポカンとしている中、彩夏だけが、その意味を理解した。


「…つまり、人造人間クリーチャー人間ノーマルが混ざる事で産まれた者しか使えない禍々しき呪いの眼エンシェントブラックアイを、霧龍くんも使ってる…。つまり、霧龍くんも、父親か母親のどちらかが人造人間クリーチャー…!?」


そう。泉美と鉄雄は、共通して、人造人間と人間の中間の子なのだ。


「うん。…だから、人造人間でもなく、人間でもないんだよね…」

複雑な気分になる泉美。


「…新しい伝説が生まれたな…。人造人間と人間が交わると、新しい“何か”が産まれる…と」

感慨深く、そう発言した羅生。

そして、


「“混在人間ミックス”…と名付けよう…」


と、命名した。


人造人間でもなく人間でもない。初めて目の当たりにした現実と実物。そう明かされた時に泉美が周りから感じた視線は、珍しいモノとして見るような視線へと変わっていた。


「…混在人間ミックス…」


そこで泉美は、現状に気づく。

「…あれ? なんか、闘っていた敵同士だったハズなのに、みんな慣れ合ってきた…?」


そう。

気づいたら闘争心は無くなっていたのだ。


「…でも、何だろう? この胸騒ぎ……」


……この直後、予想だにしない人物が現れた。




「そんな機械で能力を測ることができるなら、数値を知ったら、挑んだり退いたり出来てつまんないわ。こっちの方が、よっぽど便利。そんな機械で測れるワケないもの♪」



魔源域に、新たな敵が現れた……


 

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