超能力者、生誕
高校2年生の泉美は、いつも通りに学校へ通った。
そこには幼なじみがいた。
「よぉ、相変わらず元気だなぁ! いずちゃん」
霧龍 鉄雄
金髪つんつん頭、耳に真珠付ピアス、少しマッチョ系の見た目ヤンキーなヤツ。
小さい頃から何かと近所付き合いで遊んで、それからというもの仲良しになり、今となっては一番の親友。
「そういうテッちゃんもね!」
そんな2人には、誰にも言っていない秘密がある。
---…それは7年前のこと。
2人が海で遊んでいた時、異変は起きた。
「あはは、冷たいよー!」
「つめてぇ! くっそ、やったな!?」
高良家と霧龍家で旅行していた時だった。
2人で追いかけっこしていた時、泉美は何を見つけたのか、岩壁の裏に向けて走り出した。
「え、いずちゃん!? ちょっ!」
それに気付いた鉄雄は、泉美を追いかける。
そこにあったのは、『白く輝くクリスタル』と『紫に光る結晶』
泉美は白を、鉄雄は紫を手にした。
……翌日、2人が帰宅すると異変が起きた。
「な、何!? この漲ってくるチカラ…」
微弱ながらも、泉美の身体は燃え上がり、手から風が吹く。
その一方で、
「な、なんだ!? これ…」
絶えずに漲ってくるパワーを感じ、拳を作った…その時! 拳から禍々しいオーラを放出、そしてすぐ横にあった電柱を破壊した。
「な、なんてチカラ…」
……………
……そんな事があってから、はや7年。
泉美は1から育て上げて、能力を完成させた。
能力名『総性造爆』
全ての属性、近中遠距離、格闘攻守。その全てを極めたチカラが彼女に目覚めた。
一方で鉄雄は、元々最強と言われていたチカラを手に入れた。
能力名『神速攻防』
主に射撃だが、速度が神速。秒速970mという驚異的数値。
2人は時々、異空間を作って手合わせしたりする。
とても均衡していて、毎回引き分けになる。
しかし一方で、それぞれに共通の悩みがある。
それは、
内なるチカラが、あの日見つけたモノによって目覚めたこと。
能力を身につけた2人は、放課後、裏側の事件に巻き込まれる。
だが、そんな事など知る由もなかった……----




