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4つの交錯  作者: 幡賀 吉紗
~破壊神 編~
12/67

2人の絶縁

 

---…翌朝。鉄雄が何かしら用事があって、泉美と遊ぶ予定が狂った日の1週間前。


起床する泉美。しかし、あからさまに寝不足だった。

だが、無理やり笑顔を作り、周囲には明るく振る舞った。

「おはよう、みんな!」

と、少し元気のない声で挨拶する。

それが気になった鉄雄は、泉美を呼んで2人きりのシチュエーションになる。いつも通りに、屋上で。


「何かあったのか? 相談なら乗るぞ?」

そう言ってくれた鉄雄。だが、昨日…


『鉄雄が破壊神ダークマター


だということを知ってしまった泉美は、何も答えなかった。

「い、泉美…??」

鉄雄の伸ばした手が泉美の肩に触れようとした時、

「触らないで!!」

と拒絶した。

「な、なんで…!? 俺、何かした!?」

なんでなのかサッパリ分からなかった鉄雄は、泉美に問う。

それに対して泉美は、


「…知っちゃったのよ…。昔の真実…」

と、何かを知ったことを、鉄雄の正体を知ったことは伏せて発言した。

「あの日…私の妹は、戦争に巻き込まれて右足を失い…その次に左腕を失った…。私と鉄雄が超能力者になった5年後、つまりは2年前…」

「…あれは悲惨だったな…」


ここで鉄雄は墓穴を掘った。なぜなら…


「…ね。そして、テッちゃんが……いや、鉄雄・・がそこに居たことも、初めて知った……」


そう。その時彼女の隣に居なかったハズの鉄雄が、その事件を目の当たりにしていることを自らバラしたのだ。

「…あっ」

口が滑ったことに今さら気づいた鉄雄。だが、時すでに遅し。


「そうだよね……破壊神ダークマターさん…!」


そう大声で怒鳴った時だった。泉美は、鉄雄とともに異空間へ飛ぶ。

するとその先で、いきなり地割れを起こし、それと同時に鉄雄めがけて、気を凝縮集中させた拳を振りかざす。

「ま、待て!!」

その拳を受け止め、説得しようと試みる鉄雄。

だが、あまりの怒りに泉美のオーラ値が爆発的に上昇し、さすがの鉄雄も抑えきれなかった。


(くっ…! 激増強眼クロスアイを使うか? いや待て、泉美だけは……)


その時、泉美の眼にも……


(…っ!? い、泉美にも激増強眼クロスアイが…!?)


泉美の左目に“S”の形をした印が現れ、オーラとパワーが格段に跳ね上がる。

「私のは“爆膨圧眼スウェルアウト”っていう禍々しき呪いの眼エンシェントブラックアイ…」

4倍なんてものじゃなく、そのオーラ値は数十倍に軽く跳ね上がった。


泉美は、もはや怒り任せに、鉄雄を殺す勢いで仕掛ける。

すると鉄雄は、少しずつ本性を露わにしていく。

「もう避けられねえか…。泉美も、ここで死んでもらう!」

幼なじみで親友だった泉美との絆が、今こうして崩壊してしまった。

「私は死なない…、鉄雄は私を殺せない…」

鉄雄の激増強眼クロスアイを知っている泉美は、そう言う。


ここで、意外な人物が現れる。

その場面に偶然にも居合わせていた終矢が、そこにいた。

「…っ! 知っちまったか…泉美が…」

その存在を確認し、鉄雄は、

「終矢、いたのか…!」

と驚きながらも、陰ながら奈那を呼び出していた。

しかし、そんなことをせずとも、奈那は鉄雄の近くに居た。

「私なら、ここに居るわ」


鉄雄は、あまりにも周囲が見えていなかったようだ。

「あれ…?」

それを自覚した鉄雄。だが、立ち直るのは難しかった。


「だから鉄雄は私を殺せない…」


まるで弱点を握りしめているように、泉美は語るように話す。


2対2 の、小さな戦争が幕を開ける…かな? …-----


 

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