6話目 Aランク冒険者、来の(非)日常
やっと話が纏まりました!
ラーテムの設定は苦労しましたが、読んでください!
ラーテムの食費がヤベェ。
当たり前だ。彼女はドラゴン、2m程度とはいえ人より食べるのは仕方ない……
……………訳あるかぁっ!!ボケェっ!!
なんで見ず知らずの人型ドラゴンをまだ新米のAランク冒険者が面倒見にゃならんのじゃっ!もう3日!もう3日たったんだけどこのまま食い続けられると月四万ラフとか食費だけなんすけど装備とか買えないんすけど買い食いのせいでギルド一回も行けてないんすけどねぇラーテムさんあんたなんでまだ食ってるんですか、え?追加注文?あ、そうなんだなんでやねん。
はぁっはぁっはぁっ…………
………え?どうしてこうなったって?
………はい、俺が可愛いと思ったからですすいません。
「ね、ねぇラーテム、どうしてそんなに食べてんの?」
「ほはかがふくかはひきはってるひゃはいでふか:意訳:お腹が空くからに決まってるじゃないですか」
即ッ答ッかいッ!
「食費が半端ないんだけど?」
…ラーテム、なんで「その発想はなかった」的な反応すんの?
とりあえず、
「……働こっか」
「………もぐもぐ…もぐもぐ………はひ」
まず食べんのをヤメろ。
○ ◉ ○ ◉ ○
「登録出来ましたねっ……もぐもぐ」
「物凄い訝しげな顔だったけどな…そしていつの間に串焼きを食っている」
どこで買ったんだ……
それにしても種族名にドラゴンって書いてたら怪しむのも当然だよなぁ。キャリーさんすいません。多種族国家だから獣人はいるけど、流石にドラゴンはいない。
「そういえば、どんな依頼を受けたんですか?」
「見てなかったのかよ」
「ピクトキャット美味しいです」
…………キレて良いのか?これは。
「はぁ、俺が受けた依頼はなぁ、
依頼:ゴブリン討伐(通常)
内容:森にゴブリンの出没が確認されました。
巣が発生した可能性が有りますので、十分注意してください。
報酬:一匹20ラフ〜
………だ、分かったか?」
「ゴブリン、美味しいですよね」
……どうやらラーテムはモンスターを味で判断するらしい。
◎ ◉ ◎ ◉ ◎
「食らえ!私の超必殺!!」
ボォーー 『ギャーッ!』
「果てしなくダセェ!」
「……倒したからいいじゃないですかっ、だいたー」
「まてっゴブリンだっ」
『ギャースッ』
クソッ、爆散魔法を……
「またまたわたしの超必殺!!」
グチャッ『グゲ』
………えぇー。
「………なんで邪魔すんの?」
「……わたしから言わせるんですかっ?」
「へ?」
「………もしかして、知らないんですか」
なんのことだ?
「スキル無しは、能力が全体的に低くなるんですよ、知りませんでした?」
「………初耳だなぁ」
どうやら解析のスキルは細かなステータスはわからないらしいな。
「だからわたしを誘ったのではないのですか?」
「いや………」あれは言わされたと言うか、過ちと言うか………いや違うんだ惑わされたんだあれはきっとそうに違いない
………………はっ!
「ラーテムッ!後ろだっ!」
「分かってますよー!ピット器官を甘く見ないでくださいっ!」
お前ヘビじゃねぇだろ。ってそんなこと考えてる場合じゃ……
『クラエッ』
ヒュパッ
「きゃぁっ」
ゴブリンの鉈が素早い!さっきのとは全然違うっ!……あれ!?ゴブリンは緑色だけど……こいつは黄色い………!?
「こいつは≪ハイ・ゴブリン≫!ゴブリンの上位種ですっ!ゴブリンよりも知能が高く、人語をはなせますが、こちらの話は聞き入れませんっ、力もゴブリンの数倍です!来さん、逃げてっ!」
わぁ超早口ぃ。……でもなっ!
「ていっ、俺の超必殺ー」
スパッッッッ!
真っ二つ。
「………え?」
「ふぃー、どうよ?」
「……ハイ・ゴブリンをこんな綺麗に真っ二つにするなんて、来さんあなたはー」
え?なになに惚れた?いきなりメインエベント?
「馬鹿ですか」
「ふっ、そんな………………えぇっ!?」
「ハイ・ゴブリンは心臓部分が美味しいんですっ!真っ二つにするなんて来さんひどいっ」
…………分かってたさ、ラーテムは色気より食い気だって。
◉ ◎ ◉ ◎
「だいたい倒し終わりましたかね」
「あぁ、そうだな」
「それにしても予想外です、来さんのパワーと、ハイ・ゴブリンの心臓は刺身が美味しいということに」
「そこ同列なんだ」
ハイ・ゴブリンはあの後も10体ほど出てきた。ラーテム曰く、それほどハイ・ゴブリンは湧かず、巣に4、5体いれば多い方らしい。
………単純に巣が二つあるのか、それとも……?
そんな事を考えていると……
「あ、巣がありました、焼き払ってしまいましょう」
「ゴブリンごとか?」
「いえ、ゴブリンはもういないはずです、倒し(食べ)のこしはありません」
「……他に巣はあるのか?」
「ゴブリンはかなり縄張り意識が高いんです、近くに巣はないはずですが、ハイ・ゴブリンの数を考えるとその可能性があるので気を付けー」
「…………っ!マジかよっ!」
ゴブリンが巣から出てきやがった!それにおそらく100体はいるぞ!?
「……もったいないですが焼き払いましょう!」すぅぅぅぅっ!
業っっっっ!!
ゴブリンが火の海に呑み込まれた。
そして俺はというと……
「 熱っつ!焦げる焦げるっ」
コントだった。
………とっさの水属性も蒸発するほど熱かったと言えば伝わるだろうか。というかラーテムは人間形態で火を吹くのをやめろ。心臓とまるかと思ったよ。
「ってかグリーンモス・ドラゴンって炎出るんだ?」
「炎属性持ちですから、種族関係無いです。……それよりもまだ生きてますよ」
………うっそぉん。
たしかに、1体だけ生きている。ただ、それはゴブリンでもなく、ハイ・ゴブリンでもない、黒いゴブリンだった。
「わたしの解析ではハイ・ゴブリンとしかでてきませんっ、解析のスキルは未確認の物でも解析出来ますがっ」
俺もだ。……けど明らかに違う。どういうことだ…………っ?
黒いゴブリンがこっちに向かってきたっ!
『グギゲアァァッ!』ヒュッ!
「速い!?」
…けど余裕で視認できる。チートさまさま。
そういえば、ハイ・ゴブリンのくせに意味のある言葉を喋らないな………
「なんなんですかこいつっ!来さんっ手伝ってくださいっ!」
よっしゃ!って熱い!ラーテム熱い!
業っっ!!
『グギグゲア!!』ヒュバッ
炎を消しやがった!
「強いですね………はぁっ!」
怒号が繰り返される。あまりの動きに参戦できないっ…………………?ラーテムの動きが鈍い……?
「はぁっ、はぁっ、魔力切れです、来さん頑張ってくださいっ!」
「あ、あぁ」
今度こそおれの出番か!?
『グギゲャスェァァッ!!』スパッ!
空を切る。
「よっと……弱いな」
「まさか、そんなハズ」
「 朽 ち 果 て ろ っ ! 」
喰らえっ俺の事象確定魔法っ
ゴブァッ
『グギャ』
「すごい………っ!」
「惚れた?」
「いえ全く」
「わーお」
厳しいねっ
「……………帰りますか」
「帰りましょうっ」
報酬の約5000ラフは月の終わりに食いつぶされました。
誰に?もちろん………
「何やってるんですか?………もぐもぐ……ごっくん………来さん」
お前なに食ってんだよ………
まだ、道程は遠い。
◎ ◉ ◎ ◉ ◎
サイド????
ここは、ムルギリアの、何処か。三人の男が言う。
「やはり、ゴブリンは無駄か……………」
「次はどうする……?」
「おいおい、ここはムルギリアだぜ?」
「………それもいいな」
「私達の成功は近いな………っ!」
「ゆるがねぇだろぉよ!」
…………闇がこぼれる。
ラフは、よく矛盾がでると思います。
高いなぁとか、安いなぁ、とか思ってくださるだけで結構です。