21話目 来のセンスは無い
「氷像……いいなこれ」
「自分でハマったギャグを反芻するのってどうなのよね」
恥ずかしいのよね!とは彼女の談。
「って言うかこんなくだらない話をしてる間に攻撃してくんの止めてくれませんかね」
「はっ、ちょこまかと動き回るのを止めて欲しいのはこっちなのよね!」
つまらないギャグを止めろと言っているシュタイクは「何か」を飛ばすのを止めない。
攻撃をかわしながら喋るのも疲れるんだぞー。
どうやら陰から見ていたらしい。オスクリタ先生がなぜか側にいた。
「り、リリーさんを倒した実力は、ど、どうやら本物ら、しいね」
「アたりマエでしょ。ライクンはツヨい。……ソコがシれないほどにね」
ふっ、俺だって底が分かんねえよ。分かりたくもない。なぜなら俺は頭がわる………
「「…………っておい!」」
シュタイクと俺は吠えた。
「何さりげなく先生あたしの魔法解除してるのよね!?」
「そしてなんで 魔法なんて食らってなかった みたいな感じでスーノは話してんの!?」
「い、いやあ、つ、つい体が動いちゃっ、て」
「いやほら。ボクってセンセイキャラだし」
なんだその当然でしょみてーなのは
「身勝手なのよね……っ!」
「まったく身勝手だなぁっ!」
と、今の一連の動きで分かったのは恐らくオスクリタ先生はなんらかの方法で魔法の解除が出来るって事だな。覚えておかねばならない。気がする。
「くっ、あんちくしょーがいる限りあんたらにあたしの魔法具は効かないのよね!」
あぁ、その靴は魔法具だったのかやっぱり。
スーノが説明をしてくれた。
「シュタイクはそのトクシュな靴型のマホウグから魔法弾を打ち出す!氷像になっちゃうんだよねぇ」
あ、そのギャグ言ってたときにはもう解除されてたんだ!?早えなおい!
「って言うかなんで生徒会の事に詳しくないはずなのにシュタイクに関してはそんなに明るいんだよ?」
「ふっ、ライクン愚問だよ。ただちょっとシりアいってだけさ」
髪をかきあげる仕草をする。意味わかんなすぎてキマッてねーぞ。
「……いや知り合いっていうか幼馴染みなのよねっ!!」
納得。そりゃ名前から能力まで分かるわけだ。
「バラしちゃうのハヤいよ……。シュタイクってばそういうとこあるよねー」
「あんたのそういうところあたし嫌いなのよね」
てかスーノを好きな奴っているの……?
「そ、そのし、仕草も美しい、よ……!」
隣にいました。
「チッ!ざけんじゃないのよね!本気をだすしかないじゃないのよねッッ!」
シュタイクが呪文を唱えたその瞬間、シュタイクの周りがぼやけ、もやに触れたものが潰れてゆく。
全速力でシュタイクが追ってくる!
怖い!
と、とりあえず投石!が破片になった!
「ちょっ、スーノ!なにこれ!?」
「ごめんワかんない、ミたことない」
え、なに空間でも操ってんの?
「……………」
オスクリタ先生は口を閉じている。教え子(とはいえ入学二日目だが)としてバラすわけには行かないのだろう。
「もうこれを発動させたらあたしでも止められないのよね!潰れるがいいわ!」
「シュタイクは身体強化のゾクセイだったはずなんだけど…」
「笑みを浮かべながら走ってくる狂気の目をした女子が身体強化には見えませんっ!」
何が何だかわからん。かろうじてわかるのはもやが上半身部分に見えるという事だ。
多分死なないだろうけど俺は痛いのは嫌だ!食らってから考えるのは嫌だよぉっ。なんだよ周りの物体が粉々になるって!チートかよ!
少なくとも来が思う事ではない。
「僕が彼女の能力をシらないコトでライ君に迷惑をかけてしまうっ。あぁっ、そんなことをカンガえている間にもシュタイクがセマってきているどうしようってか解析ツカえばいいじゃん」
「……あ」
「なにごちゃごちゃ喋ってんのよね!?そのまま粉雪になるがいいのよねげふっっっっ!!??」
鉄拳。
◎ ◉ ◎ ◉
「いやー。物凄いハヤさでグルグル腕を回してただけとはね…」
感心したようにスーノは顎に手を乗せる。
「ある意味最終奥義とも言えるな」
主に子供っぽいと言う意味で。体つきとか。
「ら…ライ君の一撃で、の、ノックダウンしないだけ…マシじゃないかな…」
確かに、リリーや《ライフル&リボルバー女》よりは耐久性がある……身体強化のたまものか。
「やっぱり、ライクンって……センスがアレだよね……」
「どこがだ?」
全然分からない。
「頭が……痛いのよね………」
そんな話をしているとシュタイクが頭を抱えてつぶやいた。
「シュタイク、悪いけどこのままトドメを刺させてもらうよ」
もう戦う気力もないだろう。早く楽にしてやったほうがお互いのためにも良い。
「くっ!チーム特待生…残るは1人なのよね!」
その後に「あたしは三羽烏の中で最弱…」とか言ってたけどちょっとよく分からないです。




