表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元ヤンオメガは平穏に生きたい!〜中華風異世界に転生したら、過保護な最強生徒会長に溺愛されて番にされました〜  作者: 水凪しおん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/15

番外編「過保護な暴君と休日の密室」

 天耀学舎の敷地内に建てられた、生徒会役員専用の特別寮。


 その最上階にある、広大な間取りと豪華な調度品で埋め尽くされた部屋の主寝室で、飛燕はふかふかの巨大な天蓋付きベッドに沈み込んでいた。


 厚手の遮光カーテンが引かれた室内は、真昼だというのに薄暗く、空調が完璧に効いた快適な温度に保たれている。


 「……んっ……」


 飛燕が寝返りを打とうとした瞬間、腰に巻きついている太く力強い腕の存在に気がつき、小さくうめき声を漏らした。


 背中には、熱を帯びた広い胸板がぴったりと張り付いており、首筋には一定のリズムで温かい吐息が吹きかかっている。


 冬の夜気のような、重厚で安心するアルファの香りが、部屋中に濃密に充満していた。


 「会長……起きてるんだろ。離してくれよ、トイレ行きたい」


 飛燕が掠れた声で文句を言いながら腕を外そうとすると、その腕は逆にぎゅっと力を増し、飛燕の身体をさらに自分の方へと引き寄せた。


 「だめだ。今日は休日だ。お前は一日中、ここから一歩も動かさず俺のそばに置いておく」


 耳元で囁かれた低く艶のある声に、飛燕の背筋がびくっと大きく跳ねた。


 「だからって、ずっとベッドの中はないだろ。飯も食ってないし……」


 「食事なら、後で俺が口移しで食べさせてやろう」


 「ふざけんな」


 飛燕が顔を真っ赤にして暴れると、蒼龍は低く笑い声を上げながら、飛燕の首筋に顔を埋めた。


 ちゅっ、という水音とともに、肌に吸いつかれるような熱い感触が走る。


 「ひっ……」


 「お前が可愛すぎるのがいけないのだ。あの夜会で、他のアルファどもがお前に色目を使っていたのを思い出すだけで、気が狂いそうになる」


 蒼龍の言葉には、冗談ではない本気の独占欲がドロドロと渦巻いていた。


 数日前に開かれた学園主催の夜会で、正式に蒼龍の番として紹介された飛燕は、嫌でも注目の的となっていたのだ。


 オメガでありながら凛とした強さを放つ飛燕の姿に、魅了されるアルファが続出したのは事実だが、飛燕自身にはまったくその自覚がない。


 「俺は誰にも色目なんて使ってねえよ。大体、あんたがずっと俺の腰に手を回して威嚇してたじゃねえか」


 「当然だ。お前は俺のものだ。髪の毛一本すら、他の誰にも触れさせはしない」


 蒼龍の大きな手が、飛燕の寝間着の隙間から滑り込み、滑らかな白い肌をなぞり始める。


 指先が触れるたびに、オメガとしての本能が甘く疼き、飛燕の呼吸が不規則に乱れていく。


 「あっ……ちょ、待っ……」


 「待たない。お前の身体に、俺の匂いを骨の髄まで染み込ませてやる」


 蒼龍の唇が飛燕のうなじを這い上がり、耳たぶを甘噛みする。


 抗うことなど最初から不可能だと知っている。


 飛燕は蒼龍の過保護で重すぎる愛情に完全に絡め取られ、ただ甘い吐息を漏らしながら、その熱に溶けていくことしかできなかった。


 休日の密室は、学園の絶対君主による、甘く理不尽な独裁空間として、夕暮れまでその扉が開かれることはなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ