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11-9 配信終了×古河終了

 永田町の路上では、ガブリエルと国防情報局(DIA)による壮大な茶番劇(ネットライブ)の終幕が近づいていた。


「なるほど、よく分かった。君の思想と主張は実に興味深い」


「で、ですよね? 助けてください! 大統領のためなら何でもします! アメリアに亡命させてください!」


 古河はガブリエルの足元で土下座し、アスファルトの地面に額を擦り付けんばかりに懇願した。

 しかし、ガブリエルは蔑んだ目線で古河を見下ろして一言だけ告げる。


「答えはノーだ」


 氷点下の拒絶。

「私は、嘘と欺瞞に塗れた詐欺師や、身内を簡単に裏切るような卑劣漢を飼うつもりはない。我が家の愛犬『ムーン』の方が、君よりも遥かに賢く支えとなる存在だよ」


 ガブリエルは、エリオット直属のエージェントに目配せをした。

「連れて行け」


「え? 嫌だ……! 死にたくない! 助けてくれぇぇぇ!!」


 古河の絶叫が、夕暮れ色に染まり始めた空に響き渡る。

 彼はDIAエージェントたちに両脇を抱えられ、ズルズルと引きずられていく。

 その先に待つのは、アメリア大使館へと向かう護送車。

 日本の法律も伯父の権力も一切及ばない、底無しの闇へと誘うナビゲーター。


 ライブ映像では、連行される古河の背中にオーバーラップして、配信終了を知らせる『END』のテロップが大きく表示された。

 ENDテロップが出るとコメント欄には、数多の視聴者の感情に委ねたメッセージが、怒涛の勢いで吐き出された。


『続編はよ』

『END(意味深)』

『焼き土下座くらいしろ腐れ詐欺師』

『古河のくっころシーンまだー?』

『ミゾウユウの神配信だったな』

『嫌味に耐えてよく頑張った!感動した!』

『第3部完!』


 車内からの目視と配信映像で、一部始終を見ていた岬は静かに息を吐き出した。

 公開の場での復讐は、これ以上ない形で成し遂げられた。


「僕らも行こうか、ミサキ」

 エリオットが、タブレット端末の電源を落として言った。

「この後は第二ラウンドだ。次は君のやり方で、個人的な感情を清算するターンだよ」


 岬は、こくりと頷いた。

 向かう先は、もちろん大使館の地下室。

 今から連れていくのは、かつての私をいじめて排除した特級詐欺師の古河達哉と、その側近の鶴ヶ島。

 今夜、私を苦しめたクズどもを招いた地獄の宴が始まる。


 古河を護送車に収納した後、ガブリエルが率いてきた車列は移動せず、その場で待機していた。急遽、ガブリエルが須磨総理と直接会うことになったからだ。


 一方で、エリオットと彼の指揮下にあるDIAの車列は、大使館に向かって移動を始めた。

 移動する車中、エリオットの隣に座る岬の瞳には冷え切った決意の光が宿っていた。


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