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魔王軍派閥の幹部たち

Pixivで書いていた小説をなろうにも投稿することにしました。楽しんで読んでいただけると幸いです。


「それにしても竜って登場するたびに爆発音たてる必要あるの?」


「はい。それは俺たちの本能なので」


 レイナはただふーんとしていた。

 

 戦いの後、とりあえずヴァルトとやらともう一人をミストの家で寝かせ、俺らは会議室に戻っていた。


「それにしてもケンイチ様の力はやはり偉大です。彼らは旧ミラビリスの幹部、相当な経験と強さを持っていたはずです」


「それに基本魔法だけで彼らを倒すとは・・・・・」


 フォーガッテンやデータが俺を讃える。

 

 魔力の大きさで敵を倒しただけなんですがね。


「我らの味方としては、心強いばかりですな!」


「そうですじゃ」


 ダストとベテランもそんなことを言う。

 

 レイナは君のスキルが強いだけだろう、と罵倒したそうな顔をしていた。会議室(正確には会議用の家だが)の扉が開けられ、ミストの声が聞こえた。


「ヴァルトともう一人が起きましたよ」


 全員の視線が玄関にいく。


「じゃあ話を聞きに行くか ー」


 と言いかけた所だったのだが、その瞬間ヴァルトともう一人が部屋に入ってきた。おいおい傷治るの早くね?!流石にすぐには立ち上がれないだろうと安心してたのに!

 

 コイツらがここで暴れ出したらヤバいぞ!

 

 でもミストが無事なら戦意はない? ー っていうかミスト一人に任せていたのは不味かったな。二人は堂々と俺の前にやって来た。残りのみんなは警戒しているようだな。俺もだけど。


「すまなかった、ケンイチ殿。我々は勘違いしていたようだ。俺はヴァルト、彼女はストリームという竜だ」


 ヴァルトに突然謝られた。

 

 え?


「どういう事だよ?お前ら急に俺を始末するとか言ってきたじゃないか」


「それには・・・・・全て話したほうが良さそうだな」


 そこからヴァルトはこれまでの経緯について話し始めた。

 

 クライングランが死んだ後、旧ミラビリスの四人の幹部たちは派閥を保とうとした。しかし食料の問題など、度重なる問題により試みは失敗し、そのまま旧ミラビリスは崩壊してしまったらしい。


 その後は、二人の幹部はそれぞれ魔王軍幹部となり、己の派閥を持つようになった。そして残りの二人 ー ヴァルトとストリームはクライングランが死ぬ前にとった不自然な行動から彼が操られていたと考え、その後の旧ミラビリス支配領域での怪しい動きを観察していたようだ。


 そんな中、俺というバカみたいな魔力量を持った存在が現れたから、クライングランを操っていた奴に違いないと思い、襲ってきたそうだ。


「本当に申し訳なかった。ミスト殿からあなたがしようとしていることは聞いている。クライングラン様を操りミラビリスを崩壊させた奴が、その再建を目指すとは思わない。我々の完全な間違いだ」


 そういうことか・・・・・でもなんでなにも聞かずに俺を攻撃してきたんだ?


「それで君は何故問答無用でケンイチを狙ったの?流石に話くらいは聞いてから戦うのでは?」


 俺が聞く前にレイナに言われた。

 

 これにはストリームが答えた。


「私たちのリーダー、クライングラン様は素晴らしい人でした。いつでも優しく、仲間を第一に考えていました。そしてロイヤーとの戦いでも、私が足を引っ張っても庇ってくれていたのです。


 クライングラン様は亡くなる前、何故か私たちの抱える問題を増やすようなことをしていました。明らかにミラビリス弱体化を狙ったようなものです。あんな優しいクライングラン様を操った敵が許せなくて・・・・・早く復讐したいという気持ちから焦ってしまったようです。申し訳ございません」


「なるほどね・・・・・」


 レイナはまた考え事をしているようだ。

 

 それにしても、この二人はよほどクライングランって奴を慕ってたんだろうなぁ。というかクライングランが皆に好かれるような存在だったのか。何であれ、そりゃ確かに操っていた奴には腹が立つわな。操られていたのだとしたら。

 

 あと、俺のゴッドスキル危険すぎだろ!この調子だとどんどん俺の魔力に反応した奴らが来そうじゃん!もう魔王に目を付けられてるとかねえよな?!でもその場合は仲間になるつもりだし別に良いのか?とにかくもっと早く気づいて魔力抑えときゃ良かった・・・・・。


「そういえばロイヤーって誰」


 考え込んでいたレイナは顔を上げ、ストリームに再び質問した。

 

 あ。さり気無く知らない名前出てたな。

 

 ただ、この質問にはフォーガッテンたちも驚いている様子だった。


「ま、まさかレイナ殿はロイヤーをご存知では無いのですか?」


 言ったのはダストだった。

 

 そんな有名人だったのか?人間かは知らんけど。


 少し間が空いてフォーガッテンが答えた。


「ロイヤー・ヴァスカーナ。魔王軍結成以前から存在していて、世界の厄災と呼ばれています。あと俺も詳しくは知りませんが、千年前、魔王軍に攻撃を仕掛けてきたこともあるようです」


 めっちゃ大物じゃねえか!そんな奴とヴァルトたちは戦ったことがあるのか。


「そんな人がいるんだね。ミラビリスを作り直す時、気をつけないとかも」


 レイナは再び何かを考えている様子だった。


「それでなんだが、一つお願いしたい事がある」


 ヴァルトが話の続きをしてきた。


「我々もこのミラビリス再建に加えてもらえないか」


 ええ?!急に頼もしそうな奴らが入ってきたな!


「良いのか?お前からしたら俺らなんて知りもしない他人だぞ?」


「ミラビリスを再建できれば、クライングラン様を操っていた敵の動きもあるはず。ソイツに復讐をする為にも、是非ともこの計画に加わらさせてもらいたい」


 俺の運は結構良いのかもしれない。こんな時点で強力な仲間が増えるとは。


「もちろんだとも!歓迎するさ!」


「感謝する。そしてこれからはケンイチ様と呼ばせてもらうおう。あなたは我々より強い。リーダーとしては適任だと俺は思う」


「同感です」


「一応言っておくけど、僕らが狙うのはミラビリス国の建国。少し魔王軍派閥とは違うと思うよ」


 レイナはそう二人に告げる。なんか共和国じゃ無くなってる気がするが、突っ込まないでおくか。


「問題ない。魔王軍の援助はするのだろう?」


「そうだね」


 こうして俺には速攻で仲間が増えたのだった。ちなみに、まだ転生してから3日しか経っていない。


◆◇◆


 どうやらヴァルトとストリームは仲間になるそうだ。なんか上手くいきすぎてない?とも思う。

 

 ところで、僕は会議中、考えていたことがある。まず一つは“ミラビリス共和国”ついて。ベテランから教えてもらった世界的に、共和国はあまり歓迎されなさそうだった。この世界はいわば中世風で、ほぼ全ての国は王国か帝国なのである。 ー 歴史は長そうなのに、今だに中世風の世界だから、不思議だね。

 

 まあとにかく共和国は難しいと判断したので、普通に国を作ることにした。もう良いよ、王みたいな存在は林健一で。まあ僕が色々国の内政はコントロールするつもりだけど。

 

 あと、クライングランが操られていたという仮説についても考えていた。これはもっと情報が欲しいところだね。

 

 そ し て。さっき周りに合わせて林健一のことをただただ健一と呼んでしまった。なんか馴れ馴れしい感じで嫌だ!確かに林健一は周りには”ケンイチ“と名乗ってるから”林“と付けるのはおかしいけれど!なんかあんなふざけた人と近い存在だと思われたく無い! ー いや待て。今そんな事を考えている場合じゃない。国作りに必要なことをまずは話そう。僕も相当困っているんだよね。


「早速だけど国作りに必要なことを言いたいと思う」


 そう言ったすぐあと、途轍も無い眠気で僕は倒れた。そういえば3日間寝て無かった。


「レイナー?!」


「レイナ殿?!」

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