3話 放課後研究部 ~放研部~
「それでみお先輩、この部の名前を教えてください」
膠着から解放された僕は一番聞きたかったことを質問する。
「その前に私の呼び方を変えろ」
「呼び方ですか?」
「そうだ。部長と呼べ。部長と」
「分かりました。では部長」
「なんだ、唯」
部長と呼ばれたのが余程嬉しかったのか、部長はニコニコしながら僕の名前を呼んだ。
「この部はなんていう部ですか?」
「この部活の名前は「放課後研究部」というんだ!略して「放研部」だ!」
「それで具体的には何をするんですか?」
「ここはな、集まって個々が好きなことをする場所だ。本を読むのも良し、勉強するのも良し、ゲームをするのも良し、なんでもありだ」
なるほど、研究部というのだから何か特別なことをしているのかと思ったのだが、これといった活動はしていないのか。
「よくそんな内容で部設立の申請通りましたね」
「おい?お前、私が作ったこの部を馬鹿にしているのか?」
「いえ、別にそんなことは……」
「いいや!お前は今絶対にこう思ったはずだ!どの活動も家で出来ることだし、わざわざ学校にまで残ってやる必要ないって」
「……よく、わかりましたね。部長」
その瞬間、僕の頭に「バシンッ」と大きな音と衝撃が走る。
「唯、お前ってムカつくな」
「ちょっと!いきなり何するんですか!?」
「何ってハリセンで叩いただけだけど?問題あるか?」
「なんでハリセンなんて持ってるんですか!」
「そりゃ、ムカつく奴がいたらすぐに叩くためだろ!くらえ!もう一発!」
部長はひたすら僕の頭を気が済むまでハリセンで叩いた。
果たして、一体何発叩かれただろうか。
「ぶ、部長。もう……勘弁して下さい……」
「今日のところはこの辺で許してやろう。だが、また次この部のことを馬鹿にしたらゆるさないからな。私はハリセン以外にも色んな武器を所持しているから気を付けた方がいいぞ?」
部長は床に倒れ込む僕をゴキブリを見るような蔑んだ瞳で睨んでくる。
そんな物騒な人が部長がやっていて本当にいいのだろうか。危なすぎるだろ。
「お姉ちゃん、やりすぎだよ。唯ちゃん可哀想」
「何を言ってるんだ。元はと言えばこいつが部を馬鹿にしてきたのがいけないんだろ」
「別に馬鹿になんかしてないよ。私だって唯ちゃんと同じ意見だもん。よくこんな部活作れたよね」
「しずくまでそんなこと言うのか……」
部長は目をうるうるとさせて落ち込む。
どうやら部長はしずくちゃんには弱いみたいだ。
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