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終局から始まる世界線  作者: マクシミリアン
3/8

アイゼンワークス

民家の群を通り越し、囲むように立つ大きな壁を抜ければそこは、ウェベスト王国の首都。世界屈指のその城塞都市はこの十年で交易が最も盛んな国となり、多くの物資が毎日輸出入を繰り返している。


「いつ見ても壮観だなぁ」


「ちゃっちゃと依頼品持って行って今日はアネラのばあさんとこでうまい飯食おう!」


「はい!あそこの特製キッシュは絶品です!」


「ラザニアもな」


町並みはとても賑やかで、出店やフリーマーケット、武器商人の個展などもあり、武器が盛んなことから、戦士が集まる街でもあった。


「お、っと、前見て歩けよー」


「すみません」


「えっーーーー」


「おう!俺にぶつかって倒れるのは全員ぶつかってきた方だからな!ふはっはっはは」


「どうしたのレリアナ」


「いえ、ただ、ひと目で眼を奪われる人間て本当に居るのだなぁ、と」


「そうか?フードで良く見えなかったけど」


「ふはははっ見よ!この俺の鍛えられた肉体を!」


「おい、筋肉馬鹿は少し黙ってくれないか」


「あ!?」


「はいはい、ついたよー」



【ギルド アイゼンワークス】


彼らの所属するギルドはウェベスト一の大きなギルド、アイゼンワークス。屈強な戦士が集まり、それを束ねるギルドマスター、アイゼンを筆頭に多くの戦士が集まるこの王都で最強と唄われる。


「おっヴィーたちかえってきたぞ!」


「オークを四人で刈るなんてあいつらほんと化けもんか?」


「ヴィータ!シューウェイ!バルド!レリアナ!おかえりー!」


「レリアナむさ苦しい男どもに何にもされてねえかー!」


「うっせぇ!カラン!誰がむさ苦しいだ!誰が!」


「主にお前だろう」


「シューてめぇ!ンだと!?」


「あはははっまーたやってるよ」


「喧嘩は後にしねえとまたマスターにどやされるぞ〜!」


「ぶはっ違えねえ」


そのギルドの中でも一、二を争うチームがヴィーダ達のチームだった。パワー型のバルドに、遠距離型の魔法師シューウェイ、バランスタイプのヴィーダと、ヒーラーのレリアナ。全員とても強い魔力を所持しており、魔力量のみならばシューウェイはウェベスト一である。


「あれが、、ウェベスト一の魔法師、、」


「ああ、お前新人だったか?シュー達を見るのは初めてか」


「はい、、武剣祭で三冠を達成しているバルドさんとあのシューウェイさんを見れて僕は感動しています!!」


「はははっ確かに!あの二人の実力はここに居る全員が認めてるよ。でもな、一番おっかねえのは、、」


そう言う目線の先には、受付に討伐してきたオークゴブリンの耳を渡している黒髪の少年。比較的細身で、身長も小柄だ。魔法師のシューウェイは基本前線には立たないため、筋力量は必要としてないが、彼は腰に剣を刺している。前衛で戦うのだろう。確かにあの二人と組んでいる以上ただ者ではないが、少年には武と剣を極めた大男と、王国随一の魔法師に並べるのはどうかと思った。


「あの、あの方は、、」


「ヴィーダ。一応あのチームのリーダーだ。」


「ええっリーダーはバルドさんじゃないんですか!?」


「確かにあいつは人を惹きつける魅力を持ってるがな、筋肉馬鹿だからな、ありゃダメだ


あの化け物二人をまとめあげてるのは、あいつにしかできねえだろうよ」


「おお〜、かっこいい、!」


眼をキラキラ輝かすその少年は、あまり目立たず、しかし有名な二人に引けをとらない佇まいのその少年に憧れさえ抱いた。


「それに、戦闘に置いても、あいつはかなりやるぞ〜」


「ヴィーダさん、、俺も体格はバルドさんみたいにはなれないし、魔力量もそこそこなので、シューウェイさんみたいな大魔法師にはなれないけど、ヴィーダさんみたいにはなれますかね!!」


「はははっその息だ!頑張れ頑張れ!」


「はい!」


その頃、羨望の眼差しを向けられているとはつゆ知らないヴィーダは


「これ、換金を願いします」


「わぁ〜オークゴブリンだけでも骨が折れるのにいろんなモンスターと対峙してきたんですね、、」


「ははは、成り行きで、」


「きっちり!査定させていただきます!」


「ユーナさんにはいつもお世話になってます。ありがとう」


「はぁ、ヴィーさんにはいつも癒やされますぅ、、」


「ここには、荒くれ者が集まっちゃってますもんね、お疲れ様です」


受付嬢の少女を人知れず悩殺していた


「あ”?誰かに筋肉馬鹿ってよばれた気がする、、」


「おいおい、筋肉に脳内汚染されてついには幻聴か?」


「シュー、お前はいつもいつも俺を馬鹿馬鹿と、、」


「事実なんだからいいだろう」


「オラァ!!てめぇ!一旦外出ろ!!きょーこそ決着つけてやる!」


「ふっ良いのか?武剣祭の王者が地に這いつくばる姿を見せてしまっても」


「ンだと!!!?」


「もーー二人が暴れたらギルドが木っ端みじんだよ、、やめてやめて」


「木っ端みじん、、たしかに、、」


「ほら、マスターに帰ってきた報告して美味しいご飯を食べに行こう?」


「くそ、喧嘩は飯食ってからにお預けだ」


「ふんっ」


「ヴィーくん居なかったらこのチームどうなってるんだろう、、」


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