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「いやぁー、清っちなかなかいい事言うじゃん! 弥生さんにとっては最悪だと思うけど麻里や私からしてみたらそんなに私の事想ってたのね! ってなっちゃうわ」

「だよなぁ…… 先輩にとっては最悪だよな。 くそ! せっかく先輩と両想いだってわかったのに」



俺は今篠原とコンビニに来ていた。 俺が先輩とよくわかんない事になったので恋愛経験が豊富な自分が教えてやると言い出したのだ。



「ん? その手はなんだ?」

「なんか買って」



ニッコリ笑ってそう言われる。 足元見やがって……



にしてもなんでこいつも俺に好きなんて言うかなぁ。 篠原を見ると周りの客とかは二度見どころかマジマジと篠原を見ている。 男だけじゃなく女も。 それは誰がどう見ても篠原は圧倒的に美人だからだ、神崎や日向だってそうだ。 それが俺みたいなのと仲良さそうにしているから不思議みたいな所もあると思うけど。



当の本人はそんなの慣れっこなのかまったく動じてない。



「これとこれとこれがいい!」

「肉まんにアップルパイソフトにポッキー…… よく食べるなぁ」

「ちょうどお腹空いてたんだもん」



お菓子類を買い車に戻ると溶けそうなアップルパイソフトから食べ出した。



「うん! 美味しい」

「そりゃ良かった」

「はい」



篠原はスプーンで俺にソフトクリームを差し出した。



「早く食べて? 溶けちゃう」



パクッと一口食べる。



「間接キスだね、それとも口渡しの方が良かったかな?」

「んなッ!? 口渡しって……」

「やってもらった事ない?」



それはないかな…… っていかんいかん! そんな事していいわけない、今の状態で。



「ほーわ、うへほっへ」



ってもう準備してるしッ! ど、どないせっちゅーねん!? というかエロい、半開きになった口に白濁液…… なんか違う光景に見えてきた。 やるしかないのか? いやダメだろ!



「だ、ダメだ!」

「いやん! もぉー押さないでよぉ。 ショーパンと脚に溢れちゃったじゃん! あー…… ベトベト」

「わ、悪い」



ある意味これもヤバい光景だ。



「拭いてよ、シミになっちゃう」

「ああ」



ティッシュを取って拭こうとするがオイオイ、ショーパンの股下じゃねぇか、女子高生のそんなとこを……



「はーやーくー!」

「くッ……」




ショーパンを引っ張りズラして拭いた。



「はぁんッ……」

「変な声出すな!」

「出させてるのは清っちでしょ? そんなとこ刺激されると…… あッ」

「うぐぐぐ……」

「脚に掛かったのも」

「はいはい」



なんつー白くて綺麗な脚だ。 それに細い、モデル体系とか自分で言ってるだけあるな。



「んー? 私の脚に見惚れてる? 舐め取ってもいいんだけどなぁ清っちなら」

「んなわけねぇだろ! 細い脚だなって思っただけだ、ほら拭いたぞ」

「はーい。 あーあ、アイスちょっと溶けちゃったぁ」



わざとやってないかこいつ? こうなる事わかってて。



「うんうん、わざとだよ?」

「え!?」

「そんな目してたもん清っち。 イェーイ、当たり!」

「お前そんだけ可愛くてそれなのになんで俺を好きになったのか未だによく理解出来ねぇわ」

「ん? まぁ清っちは眼中なかったもんね私の事。 こんな圧倒的美少女居てある意味凄いわ、でもエロい目では見られてた気はするけど」

「勝手な捏造するなよ」

「清っちはそんなんだからわからないだろうけど私が清っち好きになる要素結構あったと思うよ? それに清っち可愛いし!」

「可愛いって…… 」

「だからついつい意地悪してみたくなる事あるけど好きだからやってるの」



まぁこいつら3人は可愛いとは思ったけどまず恋愛対象とかありえないなと思って見てたしそう接してたつもりだったんだが。



「つーかなんなんだよ? 先輩と俺って一体どうなってんだ?」



女子高生に教えを乞う、なんとも情けない光景だ。



「あー弥生さんはね、清っちに好きって言われたけど麻里の事もあるじゃん? だったら麻里と別れて私と付き合ってなんて言えないだろうし弥生さんはそんな冷たい人でもないし清っちがちゃんと踏ん切りつくまで待っていてあげようっていう事かな、清っちには勿体ない出来た女だわ」

「踏ん切りか……」



俺は篠原が言った事を考えていると横から抱き付かれた。



「え? は?」

「迷ってくれてるんだね、弥生さんの事が好きなら真っ先に私らなんかフッていくのが正解なんだけど迷うくらい清っちは私らの事好きなんだね」

「す、好き!? 俺がお前らを?」



いやいや、そんな目で見てねぇって言ってるだろ? 俺はただこいつらと生活する上でギクシャクとか変なトラブルが起きないようにと…… もう起きてるけど。



「はなから否定で始まってるから意固地になってるよね、でも私は清っちのそういう所にも惹かれたからさ」

「俺がお前らを好きかはともかくお前ってそこまでわかってる割には余裕だよな? 例えそうだとしても俺は……」

「私なんとなくわかっちゃったんだ、だから清っちに告ったの」

「何がわかったんだ?」

「そこまでは教えたげない! 弥生さんの事をアドバイスしてあげるつもりだったし。 ならポッキーゲームしよ?」

「え? ポッキーゲーム?」

「そう! 私と清っちがひとつのポッキーを口で咥えます! それで多く食べれた方が勝ち!」



知ってはいるが篠原の罠にまた嵌っているような気がする。 だけど何か引っかかるので教えて欲しいし……



「わかった」

「おお! 受けて立たれるとは参ったなぁ」



とか言いつつ余裕そうな顔しやがって。



そしてポッキーを咥えて見つめ合う。 なんて近いんだ…… ていうか車の中でやるの恥ずかしい、だってここコンビニの駐車場だぞ?



「せーのスタートッ!」



篠原は一口目で大きく俺に近付き俺は堪らず身を引いた。



「やったぁー、勝ち! でもなんか勝ち方複雑あははッ!」

「くそ……」

「もっかいやる?」

「いい、お前なんか違う事企んでるから」

「ちぇーッ、意気地なし」



その時何人かコンビニから出てきた客が俺と篠原を見ている事に気付いた。



「バカ! 注目されてんじゃねぇか!」

「えー? 本当だ」

「お前気付かないフリしてただろ!?」

「なんの事かな?」

「お前だって親戚の兄ちゃん設定してるくせに知り合いに見られたらヤバいだろ!」

「大丈夫そうだから放置してただけだし」

「ほら見ろ気付いてたんじゃねぇか!」

「バレちゃった、あはッ」



先輩の事はなんとなくわかったけどやはりこいつの考えている事はよくわからなかった。






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