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今日は平日休みだ。 俺的には先輩に会えないのは少し寂しいが会社休みなので仕方がない、だがちょっぴりお得な気分でもある。 神崎達は学校でのんびり出来るからな。
「麻里! 起きて下さい、遅刻しますよ?」
「うにゅ〜……」
朝から慌ただしい、俺が昨日から今日は休みモードだったので日向は俺に引っ張られたらしい。 なんだそりゃ……
「あ〜、朝からドタバタじゃん。 麻里、寝癖直したげる」
「うーん……」
こうなったのも朝ご飯食べた後日向は部屋に戻って壁に寄り掛かって寝落ちしそうになっていたからである。
「まったくもう。 麻里も困ったものです。 柳瀬さんお昼はパスタを作ったので冷蔵庫に入っています、なのでお昼になったら温めて食べて下さいね?」
「ああ、ありがとな。 それより送って行かなくて平気か?」
「なんとか大丈夫そうです、ご心配お掛けしました。 …… 柳瀬さんも何かあった時や困った時は連絡下さい」
「? ああ……」
困った時とか神崎達に連絡したところでお前ら学校だろと思ったけど。
「行って来るね清人、良い子にしててね」
「俺はガキかよ?」
「あはは、麻里は寂しいんだよねぇ」
「うるさい彩」
そうして3人は学校へ行った。 ふぅー、ようやくひと息つけるな。
部屋に戻りゲーム機の電源をつけてボーッとゲームをしていた。 喉が渇いたのでキッチンへと寄り冷蔵庫を開けてジュース飲んでいるとふと目に入った。 持って行き忘れた弁当を。
これは…… 日向の弁当だよな? どうしよう、見つけちゃったらそのままとはいかずソワソワしてきた。
結構前に会社に届けてくれたよな。 これは俺も学校に日向の弁当を届けに行くべきだろうか? 時計を見ると10時ちょい過ぎ、行けば余裕で間に合うけど俺が学校行っていいのか?
のんびりとした日を過ごすはずだったのに日向の弁当のせいで変な葛藤が……
行って日向のクラスの誰かに見られたらあれやこれや聞かれて迷惑だろうな、俺ってどういう設定だったっけ? 日向の親戚の兄ちゃん? あれ? 篠原の兄ちゃん? どっちでも同じか。
あいつら3年生になって3人揃って同じクラスだってなって喜んでたよな。 はぁ〜……
携帯を見ると別に弁当忘れたとかそういうのはメッセージで届いてない、つまりなんとかなるって事だろうが一度届けてもらってるし。
考えてても仕方ない、俺は部屋着からサッと身なりを整え、日向の弁当を持って車に乗った。
学校の駐車場に車を停めて日向にメッセージを送ってみる。 既読にならないって事は授業中だな、なんとなく外から声が聞こえたので校庭の方へ行ってみた。
体育の授業なんだなと思って眺めていると派手な頭の奴いるなぁと思ったら篠原だった。 うわぁ、なんか渡しにくいなぁ。
だったら日向はと…… ああ、居た。 男子も居るから合同でやってるんだな、日向の隣に居る奴は見覚えあるな、小島だった。
日向と話しているけど内容を読唇術で解読してみよう、何々……
「日向、ボーッとしてんなよ? またコケたら洒落んなんねぇだろ」
「余計なお世話」
小島が日向の肩に触れようとすると日向はスッと躱した。
「ありゃ」
「小島君こそここに居ないであっち行けば?」
「別にいいじゃんか」
相変わらずウザそうにしているな、日向は階段の方へ座って腰を寝かせて首をこちらに向ける。 え? 俺と目が合った。
日向のボーッとした顔が俺を見て目を見開いて勢いよく腰を上げた。 ヤバい、こっち来るぞと思って影の方に隠れると日向の足音が聞こえてきた。
「清人ッ! 来てくれたの?」
「う…… 弁当忘れてたろ」
「うん!」
「うん!」ってそんな嬉しそうな顔で言うなよ。
「なんで隠れたの?」
「いろいろと面倒だろ、俺ってお前らの住んでるとこの住人なだけだし」
「え? あたし清人の事好きだし何か問題ある?」
いや、それ以前の問題だろ……
「まぁいいや、余計な事だったかもしれないけどほら、弁当」
「ありがとう。 全然余計じゃない」
日向は弁当より俺の手を取った。 受け取ったら戻ると思ったのに。
「つーか戻れよ、こんなとこ誰かに見られたらヤバいだろ」
「…… わかった」
するともう1人こちらに向かって来る足音が聞こえたので日向を出す。
「うおっと…… 日向何してたんだ?」
「別に何も」
「それ弁当? なんで持ってんの? 早弁か?」
「疑問符多過ぎ、次お弁当の時間かと思って持ってきてた」
「お前いつもボーッと生きてるなぁ」
すぐ角で日向と小島らしき人物の会話が聞こえ2人は戻って行った、チラッと顔を出すと日向はこちらを向いており目が合う。 うーん、学生らしいなぁ。
次に校庭を見るとこちらに目を向けている人物がもう1人。 篠原だった、相変わらず目敏い奴。
俺が気付くとニコッと笑ってピースした。 そんな篠原に他の男子が篠原のピースしている先の俺の方を向いたのでサッと隠れる。
目的は果たしたしそろそろ行くか。 あー、スッキリした。 帰ろう!
「あなた…… こんなところで何をしているんです?」
「はい?」
最後の最後で教員に目を付けられた。




