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「ほぅら! 綺麗なお姉さん達がいるよ〜? 良かったねぇ秀ちゃん」

「…………」



ある日の休日大家さんが知り合いの子供を連れて来た。 吉野よしの しゅう、4歳らしい。 なんでも半日俺達の所で面倒みて欲しいとの事だ。



「ごめんね莉亜ちゃん。 私用事があって」

「いいんです、いつもお世話になっていますし。 私達で良ければ」

「いいも何も秀ちゃんこんなに喜んでるから。 頼もしいわ」

「………」



そういう割には明らかに俺達を警戒して一言も喋らない。 



「それにしても清人君、目の下にクマが出来てるわよ大丈夫?」

「あー、あはは。 大丈夫です……」



その言葉に日向はジ〜ッと目を向けた。 夜中に日向が俺の部屋に入って来てベッドに入ってきやがった。



その光景がホラーさながらでドアが開く音が聞こえて目を覚ますと長い髪に顔が隠れてゆっくりと俺に近付いてきて目の前で立ち止まったかと思うと俺の上にダイブ…… 日向だとわかったけど夜中にいきなりそんな事されるとマジで怖かったぜ。



「それじゃあ秀ちゃんの事よろしく頼んだわね」



大家さんはそう言って出掛けてしまった。



「なーんか愛想のないガキンチョね、麻里みたい」

「彩みたいにウザくなくていい」

「麻里、彩奈! やめて下さい、子供によろしくありません! こんなに可愛いじゃないですか?」



と神崎が抱っこしようとしたら…… スパン! と神崎の頭をスリッパで叩いた。



「くッ…… あははッ! いい! いいねぇ秀ちゃん、莉亜の扱いよくわかってるじゃない」

「ぷッ、うぷぷ……」

「酷いです〜!! 麻里も彩奈も! 私ただ抱っこしようと思っただけなのに、あ〜ん! 柳瀬さんまで笑うなんて」

「ククク…… 悪い、だが今のは反則だわ」

 


秀は神崎から日向のもとへ駆け寄る。



「え? あたし?」

「あら、麻里に興味あるのかな?」



少し困惑しながら日向は自分の後ろに回った秀に向き直ろうとする。 



「いたたッ……」



日向の長い髪をグイグイと引っ張り日向は押し倒された。



「ロープロープ!」

「あ、あたしの髪はロープじゃない」



日向の髪をいたずらして結ぼうとしていた。 なんちゅークソガキ……



「もぉ〜麻里もすっかり遊ばれちゃって仕方ないなぁ。 ほら、クソガ…… 秀ちゃんこっちおいで」

「…………」



両手を広げた篠原に秀は突っ込んでいった。 その勢いがタックル並だったので篠原は壁に背中をぶつける。



「ゴ〜ル!」

「んもぉ! このクソガキ! 親の顔が見たいわ」

「金色! ピンク!」

「うあッ! 服が伸びちゃう!」



服を掴んで篠原の髪色が珍しいのか頭の上によじ登ろうとしているので仕方なく俺は秀を抱き上げ篠原から引き離した。



「お前元気有り余ってるなぁ」

「おー、高い。 …… おしっこ」

「はぁ!? ちょっと待ってろ!!」

「え、え!? ひゃあッ!」



時既に遅し…… 秀はおしっこを神崎の頭に盛大に漏らしていた。 俺も硬まってしまいスッキリした顔の秀だけがあった。



「スリッパの次はおしっこ……」

「莉亜元気出して」

「流石に可哀想ね、あはは。 私お風呂の準備してくるね!」

「すまん神崎、間に合わなくて」

「いえ、柳瀬さんのせいではありません。 秀君もまだ子供ですしこういう事もあるという事です。 秀君お風呂に入りましょう?」

「いやだぁーーッ!」

「あ! 待って下さい!」



逃げる秀を捕まえて神崎は一緒にお風呂に向かった。 お風呂に入っている2人から途中聞いちゃいけないような言葉が何度か聞こえたがスルーしておこう……



廊下に出るとちょうど風呂上りなのか秀が飛び出して来た。



「秀君、体を拭いてからです! 柳瀬さん捕まえて下さい!」

「ん? ああ」



突進して来た秀をキャッチした。 ビショビショだこいつ……



「ありがとうございます柳瀬さん。 キャッ!」



いつぞやの日向みたくバスタオル姿だった神崎はサッと陰に隠れた。 



「清人どうしたの?」

「風呂から出たみたいだ」

「そう。 あたしの部屋で秀の髪とか乾かせば?」

「いいのか? じゃあ俺も手伝うよ」

「うん」



服を着せて俺がせわしない秀を抑えて日向が髪を乾かしていく。 子供って大変だな……



「よし、終わり」



髪を乾かすと秀はピョンと日向の膝に乗った。 



「ほうきになってる」

「ほうきじゃない。 ポニーテール…… てかお母さんもやってない?」

「そうだねー!」

「俺トイレ行ってくるな?」

「わかった」



トイレから戻って来るとドア越しからもう秀の元気そうな声が聞こえてきた。 日向の部屋に入ると日向は馬になって秀を背中に乗せていた。 ゲンナリした顔をしてるけどしっかり面倒見てるな日向の奴。



「あ、おかえり清人」

「止まっちゃダメだよー!」

「少し…… 休憩、うッ……」



日向は仰向けに倒れると秀も日向の上に寝転んだ。 そしてあろう事か日向の胸に興味を持ったのかニットワンピの服の中に潜り込んだ。



「なんてとこに……」

「清人、抜いて! んあッ」

「変な声出すな! まったく」

「秀君の面倒見ててもらってありがとうございます、お昼にしましょうって…… ええ!? な、何してるんですかあなた達は?!」



様子を見に来た神崎は俺と日向に絶句した。 いやまあ、この光景はもう疑われても仕方ないけど……



「違う! この中に…… 出て来い!」

「ひ…… 引っ張らないで」



抵抗する秀をなんとか引き抜くと日向のパンツを掴んでいたのか膝の辺りに日向のパンツが……



「あわわわわ…… 」

「どうしたん莉亜? あら」



日向から引き抜いた秀は顔を出した篠原の脚にガシッとしがみ付いた。





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