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「え? え? 柳瀬先輩にご褒美?」

「実はボウリングで3位までにご褒美があるのでしたぁ! ついでにコイントスも当てたので特別賞〜!」

「お前何勝手に決めてんだよ?」

「私がルールを決めたから私がルールなんだよ? それに意をとなえる人はいなかったんだし気になったらちゃんと聞かないとダメなんだから。 私が3位だったから私のご褒美は私の言う事を聞く事!」

「彩奈ちゃんってちゃっかりしてるわねぇ。 私も見習いたいわ」

「先輩、こいつに感心しないで下さいよ。 いつも余計な事ばっか…… あ!!」



そこで失言してしまった事に気付く。 如月を見れば怪しげな顔でこちらを見ていた。



「いつもって…… 柳瀬先輩それはどういう事でしょう?」

「そ、それは」

「はぁー、柳瀬君ったら。 もう誤魔化せないよね。 ごめんねゆいちゃん実はね……」



先輩は如月に神崎達の事を話した。 



「えー!? 柳瀬先輩とこの子達って一緒に暮らしてるんですか?」

「一緒って…… 部屋はもちろん別々だよ、俺も親父に勝手に決められて今に至るんだ」

「柳瀬先輩とこの子達なんか妙に仲良くていくら乙川先輩の知り合いだからっておかしいなぁとは思ってましたけどそういう事でしたか。 こんな可愛い子達と一緒にねぇ。 へぇ」



大体の事情を知ると如月はニヤニヤと俺と日向を交互に見た。 



「それで柳瀬先輩の毒牙に麻里ちゃんが引っ掛かったという事ですね」

「清人は何もしてないよ。 あたしが清人を好きになっただけ」

「あ、あの! 柳瀬さんは確かに不祥事は度々起こしていましたが柳瀬さんは子供の私達とそんな気は起こす事なくちゃんと大人としての対応をされていました」




おい! 神崎が珍しくフォローしてくれたのは嬉しいけど不祥事とか余計だ!!



「不祥事? 莉亜ちゃん不祥事って柳瀬先輩はどんな不祥事起こしたの?」

「あ…… え…… ふ、不祥事というか事故のようなものなのですが大した事はありません、はい……」

「莉亜ちゃんが真っ赤になるって事は大した事あったんだよねぇ?」



しつこい…… やめてくれ如月。




「まぁまぁ。 ゆいちゃんも柳瀬君と今まで仕事してきてわかるでしょ? 柳瀬君はそんな変な事する子じゃないって」

「あ、まぁそれはそうですけどね。 乙川先輩も酷いです、あたしだけ除け者みたいにして」

「あはは、ごめん。 ただ柳瀬君からしてみれば黙ってて欲しい事だし私から言う事出来ないしだったら私の知り合いって事にしちゃえばいいかなって思ったんだよ」

「それを柳瀬先輩が誤爆してるんなら無駄な努力でしたねぇ」



うぐぐ…… 言いたい放題言いやがって。 



「なあ如月、この事は」

「わかってますって! 先輩にはいつも迷惑掛けてるし誰にも言いませんよ。 だからこれからも迷惑掛けます」



ニコッと微笑み仕事でしくじっても許してねと遠回しに言ってきやがった。 こいつもちゃっかりしてる。



「良かったね柳瀬君」

「良かったですか? これをネタにされて引っ張り回されそうです……」

「ふふッ、私が居るじゃない」

「えー! ゴホンゴホン! なんか一件落着したようで良かったですね。 ところで話を戻してもいいかな?」



話の行く末を見守っていた篠原がもういいよね? という感じで割り込む。 一件落着したところにまた一悶着入れる気か?



「あ、そうだったね。 それで柳瀬君にご褒美って何を?」

「1位の人と同じくキスしてもらいまーす!」

「ええッ!?」



篠原以外の面々が騒つく。 何言ってんだこいつ……



「あ、でもキスできる人は1人だけでーす」

「ならあたしがする」

「麻里ダメだよ。 清っちが選ぶ人なんだから」

「は?」



な、なんだって!? いや、これは先輩を選ぶチャンスなんだけどいろいろと確執が出来てしまう、日向には顔向け出来ないし俺はもうあそこには戻れないかもしれない……



篠原こいつなんて事言ってくれるんだ、こういう終わり方をしてしまうなんて俺の本意じゃない。



「彩…… 」

「ま、麻里落ち着いて下さい」



日向の顔がどんどん怖くなっていく。 今にも篠原に掴みかかりそうだ、前は喧嘩する前に止まれたけど今回は絶対喧嘩になる。 



「嫌だなぁ麻里、清っちが選ぶって言ってもランダムなの。 だから運ゲーだし清っちの意思はないよ」

「何それ?」

「ふふふ…… まず1人ことの成り行きを見守る人、ディーラーって事で。 それを決めて清っちには後ろを向いて貰って他4人は並びをシャッフル、そしたらみんなには目を瞑ってもらいます。 後は4人に肩手を出して貰って清っちがその手に触れた人がキスしまーす! ちゃんと最後まで目を瞑っててね、その為にディーラーが居るんだしそれなら後腐れないよね!」



篠原はドヤって言ってるが後腐れなくするならそんな提案するなよ。 



「それで誰がディーラーの役する?」



篠原は3人に問い掛ける。 



「誰って…… うーん。 ここは年長者の私がやった方がいいのかしら?」



先輩が名乗り出てしまった。 そんな…… いや、いろいろとあれなんだけど先輩が除外されてしまうのは……



「ダメダメ! ならあたしがやりますよ。 乙川先輩はわかりやすいんですから」

「ゆいちゃん…… いいの?」

「はい! しっかり見張ってますから任せて下さい」

「てことだけど麻里わかった?」

「………… 嫌だけどそこに清人の意思がないなら。 運だし…… でも後から覚えててね? 清人」

「莉亜もいい?」

「むぐぐ。 わ、わかりました、彩奈のルールに意をとなえなかったのも落ち度ですし決まった事なら…… な、なので仕方ありません、言っておきますけど今回だけ! 今回だけの特例ですからね!」

「はいはい、くどいなぁ」

「そうそう! 誰になったって恨みっこなしで行こうね!」



というより「後から覚えててね」ってなんで俺が言われなきゃいけないんだ!? 後が怖いぞそれ…… それに神崎も納得してしまった、今回はなんでそんなに物分かりいいんだよ、それでいいのかよ。


「じゃあ私も参加する事になったけど清っちよろしくね! ゆっぴディーラーよろしくね!」

「はいはーい! それじゃ柳瀬先輩は後ろ向いててね」



始まってしまった。 パーキングでなにやってんだ俺ら……







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