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『柳瀬君風邪もう大丈夫かな?』

『はい、明日からはもう復帰出来ます。 長々と休んでしまい申し訳ありません』

『いいのよ、じゃあ今日は早めに寝るんだよ?』



先輩から電話が掛かってきた、たまには風邪を引くのも悪くないな、迷惑掛けたけどお見舞いまで来てくれるなんて思わなかったし。



「なんて?」

「なんて事ないさ、話してたように明日から会社行きますってだけだよ」

「その割には顔ニヤけてる。 あたし達と居てもそんな顔しない」



日向めっちゃ睨んでる…… トイレで話せば良かった。 ていうかさも当たり前に部屋に入ってくるなよな、知らない奴から見たら女子高生部屋に連れ込んでるおっさんみたいだし。



「俺がお前らと居てニヤついてたらそれこそロリコンみたいだろ」

「違うの? もうロリコンでいいよ清人は」

「一昔前は変態ロリコン呼ばわりして蔑んでた目向けてた奴の言葉とは思えないな……」

「言ってたけどあたし清人のこと好きだし」

「ま、まぁそうかもしんないけど」

「寧ろロリコンになれば? そうすれば楽になれるよ」



楽になれるって…… 未成年淫行の消えない罪を背負う事がか? 考えただけでも恐ろしい、そんな事になったら同級会に一生顔を出せなそうだ。



「いや、それはヤバいだろ」

「ヤバいって何? 清人はあたしに何するつもり?」

「な、何とは……」



ジッと訴え掛けるような目で迫る日向…… 何するって付き合ったら普通するような事だよ。 なんて付き合ってもないのにしたら余計ヤバい。 というか日向自身は何をどこまで望んでるんだ?



というか近い…… いつの間にか肩くっ付いてるし。 篠原にこんな所見られたら更にエスカレートさせようとしてきそうだし退散しよう。



「別に何してもいいよ? 清人ならいい」



エロい…… なんか日向が超エロい、エロさで言うなら篠原なんだけどそれとは違うエロさだ。



「あ、どこ行くの?」

「トイレだよ。 腹痛いからしばらく掛かるかも」



と言えば、うわぁ、キモ…… 出てもしばらくトイレには入らないという反応が返ってくる。 うちの親父と妹とのやり取りだ。



「ごめん、あたしが作ったお昼何か変なの入ってたかな?」

「え? あ、いやッ、それはないと思うけど」

「莉亜に胃薬貰ってくる」

「だぁーー! そこまでしなくていい! トイレ行けば治るから俺が出た後しばらく入らない方がいいぞ?」



何故に俺が自ら自分を下げなきゃいけないのか……



「そんなの気にしないよ」

「そ、そうか」



裏目だ、日向の前じゃ自分を下げようとしても裏目に出てしまう。 寧ろそこまで好かれているのかという事を思い知らされる。 仮に俺がこいつと同級生でなんの柵もなければ喜んで付き合っていたのかな?



トイレから戻って来ると日向は携帯を弄っていた。 ぱっと見誰かとLINEをしているようだ。 そして俺が来ると携帯を床に置いた。



「誰かと連絡してたんじゃないのか? そのまましててもいいのに」

「いいの小島君だから」

「ああ、あいつか。 日向に気があるとかなんとかって」

「何が?」



こ、怖い顔すんなよ…… この冷たい眼差しを小島他男子は向けられていると思うと気の毒だ。 いやいや、もしかしてそれがいいのか? 



「あたしからしたら面倒なだけだし私生活見たらどうせ幻滅するよ。 でも清人が友達付き合いどうたらとか言ってたから」



あの時日向が俺に泣いて縋った時のことちゃんとやってるんだ…… 本当に頑張ってるんだな日向は。



「気になる?」

「え、何が?」

「あたしが小島君と何話してるのか。 見る?」



日向は置いてた携帯の画面を俺に見せてきた。 俺は何も疑ってないし携帯見せろなんて一言も言ってない。 …… が近付けられた携帯の画面が目かの前にあるので目に入る。



スタンプ連発…… 会話はしているけど。 小島とやらもそれでいいのか? まぁちゃんとコミュニケーション取れてるならいいか??



「最近の女子高生ってこんな感じなのか?」

「さあ? 莉亜とか彩にもこんな感じだし」



まぁそうだな、日向だからこんな感じか。 



日向はピッタリと俺の横にくっ付き俺の横顔をジーッと見上げている、何が楽しいのか知らないが時々それで微笑んだり不思議そうな顔をしていて俺が日向に目をやるととても穏やかな感じに笑う。



マジで反則だろ日向みたいな顔面レベルが高い奴がそれやると。 もし俺がこいつと同級生とかだったら落ちてたかもしれない。



「ん? 寝るの?」

「夕飯まで寝てる。 なったら起こしてくれ」

「わかった」



布団に潜り日向に背を向け目を瞑る。 日向が立ち上がった気配がしたので部屋にでも戻るのかな? すると日向の匂いがしたと思えばフサッと顔に日向の髪らしきものが触れる。



「おやすみ清人」



耳元でそう呟かれ一瞬ドキッとした。 そしてドアが開く音がした。 どうやら出て行ったみたいだだと思って体を起こす。



「あ、起きた」

「あ……」



ドアの隙間から日向は俺の様子を見ていた。 嵌めたなちくしょう。





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