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「ほらよ、出来た」



篠原のお陰で俺の貴重な休みを少し無駄にしてしまった。



「うわぁー、ちゃんと出来てる! しかも綺麗! パネェわ清っち!」

「どうだ思い知ったか俺の実力」

「清っちも使えねぇと思ったら使えるじゃんね!」

「あ? お前失礼だろ、せっかくやってやったのに」

「まぁまぁ、これくらいでそんな恩着せがましい事言ってるとモテないよぉ〜? あ、清っちってそういえば彼女とか居るの?」

「なんだよ急に……」



彼女か、俺もこいつらの歳の頃は居た事はあった。 だけど高校卒業して次第に自然消滅したんだよなぁ。 俺は結構小まめに連絡とかしてたんだけどウザかったのかそれとも俺の事なんてやっぱり…… いや、とりあえずそんなのはどうでもいい。



「おーい、どしたぁ? しけた思い出でも思い出してるの?」

「うるせぇな、今はいないよ。 だったらなんだよ?」

「あははーッ、予想通りって思っただけぇー!」

「はぁ、俺って歳上の威厳とかないのかな?」

「ないない! そっちの方が絡みやすくていーじゃん? あ、それと頑張ってくれたご褒美にさっきの莉亜の誤解といてあげるよ」



あ? 誤解させたのはお前の方じゃねぇか……



「んん? なんか物足りなそうな顔してない?」

「物足りないっていうか誤解はお前のせいだろ!」

「ふーん、物足りないのね? それなら今日は私の手作り料理堪能させてあげるよ! ヤバいから楽しみにしてて!」



人の話聞かないよなこいつらって。 つーかヤバいってどういう意味のヤバいだよ? 



「堪能させてあげるって今日はお前が料理当番なんだろ?」

「あはッ、バレちった」



篠原はテヘペロッとあざとく舌を出して可愛い表情を作って誤魔化す。 いや、まぁ本当に可愛いからいいんだけどなんかムカつく。



「さっきからうるさい」

「あ、麻里! 見て見てこれ清っちが作ったんだよ」



ドアの隙間から日向が眠たそうな目で俺の作った棚を見た。



「ふーん」



なんとも興味なさげ。 こいつの場合寝てた所を起こされたからだろうけどな。



「あんたの部屋もこういうの買って作ってもらって置いたら?」

「なんでそうなるんだよ!?」

「だって麻里の部屋ったらなんの飾り気もなくて可愛くないんだもーん!」

「彩の部屋あたしには目に毒…… 痛々しい……」

「はぁ? いつもいつもダサい格好ばっかしてる麻里に言われたくないよねぇ?」

「露出狂の彩に言われたくない。 見てて恥ずかしい」

「カッチーン! あんたみたいなプチ引きこもりにそんな事言われると頭に来くるんですけどー?」

「やる気? 前からそのうるさい髪の毛引っこ抜こうと思ってた」

「へぇ? あんたにどうにか出来るわけ?」

「なぁ、おい…… そこまでにしとけって。 日向も欲しかったら作ってやるから」



そう言うと日向にギロッと睨まれる。 なんか雲行きが怪しくなる…… おいおい、キャットファイトするなら俺はとっととズラかろうかな。 ていうか俺って本当に威厳がないんだな。



「2人とも何してるんですか? …… はぁ、またあなたですか」



神崎…… 仕方ない。 



「いやぁー、すまん。 俺が篠原って薄着でエロいなぁって言ったら日向がやっぱり俺ってロリコンだったんだねって言って。 そんで篠原にさっきの朝の続き迫ろうとしたら……」



その瞬間バチーンと音と共に頬に痛みが走った。 神崎が俺にビンタをしたのだ。



「「え?」」

「あれ……」

「あなたって人は…… 本当にどうしようもない人だったんですね。 私達は上手くやっていたのにあなたのせいで滅茶苦茶です! さっきの麻里の顔はとても怒っていました、あなたが怒らせたんですね?」



あ、いや…… それはこいつらが喧嘩しそうになったのを俺なりになんとかしようと。 ってバカらしい、なんで俺がこいつにビンタまでされて仲を取り立ててやろうなんて思ってんだ? 



「ちッ、うるせぇな」

「はい?」

「わかんねぇのか? 迷惑してるのはこっちなんだよ! 誰もまともに話は聞かねぇわ、変態扱いするわ、こっちこそうんざりなんだよ」



見る見る神崎の顔が赤くなる。 相当おかんむりのようだ、だけどざまぁねぇわ大人気ないけど。



「出てって下さい…… 」

「ああ、こんなとここっちから願い下げだわ、せいせいする」

「き、清っち?」

「…………」



日向と篠原が何か言いたそうだがお前らのせいでもあるしカッカきてた俺はそのまま寮を出た。 



まぁ戻る事になるんだが……


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