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「清人大丈夫?」

「あー結構酷いかも。 移るからあんまり近寄らない方がいいぞ?」

「うー心配…… あ、移ってもいいから看病しようかな」

「インフルエンザじゃなかったからって移るとキツいだけだからやめといた方がいいぞ」

「そうですよ麻里、柳瀬さんから全員に移ってしまったらどうするんですか?」

「みんなで休めばいいじゃん、学校も休めるし清人ともっと一緒に居られる」

「麻里…… そんな大胆な事すらすらと言えるなんて。 なんだか変わりましたね」

「そう? うん…… そうかも。 それでなんで莉亜が清人の部屋に居るの?」

「それは…… 私今日早退したので、それで柳瀬さんもたまたま風邪を引いて診ていてあげれる人が私1人だったからです! 放っておけないじゃないですか?」

「ふぅん」



すると部屋のドアが開いた。 まぁ神崎と日向はここに居るから篠原なんだけど。



「あ、間違えた。 なんかまーだ慣れないのよねぇ。 あ、それにしても莉亜元気そうじゃん? 学校の時はテンションガタ落ちだったのに」

「わ、私はもう大丈夫なので」

「ふーん? ガリ勉のあんたがテストの結果が思わしくなかったのにそんな飄々としてるなんて。 ようやくつまんない事で悩むのやめたのかな?」

「つまらない事ではありません! ありませんがスランプの時期こそ気分転換する事が大事だって気付いただけです」

「あっそ…… ん? 清っちどうしたの?」

「なんか風邪引いちまったみたいだ」

「え? 大丈夫?」



すると俺の携帯が鳴った。 電話…… 誰だろう?と思い画面を見ると先輩!? 



「出ればいいじゃないですか、誰からですか?」

「先輩だ」

「あ、清っちの好きな人ね」

「ふぅん…… あの人か」



神崎は2人に静かにしているように促し電話に出るように促す。 だったら出て行ってくれよ……



「あ、もしもし!」

「柳瀬君今大丈夫?」

「はい」

「具合どう?」

「風邪だったみたいです、熱も少しあって…… もしかすると明日も会社行けないかもしれないです」

「そっかぁ。 会社の事は心配しないで? でも柳瀬君が心配ねぇ。 一人暮らしでしょ? うーん、お見舞いに行ってもいいかな?」

「え!? お、お見舞いですか?」

「ええ!? うぶッ」



神崎が俺の言葉を聞いて声をあげたが篠原に口を塞がれた。 お前が静かにしてと促してるのに真っ先に声をあげてどうするんだ?



「ん? 誰か居るの?」

「あ…… いえ、窓際で猫が喧嘩してて」

「そう。 ご飯とかまだよね? 何か買ってくから行っていいかしら?」



こうまで言われて断るわけにはいかないが今はみんな居て状況は最悪だけど先輩のせっかくの申し出…… どうすりゃいい? 



「というか先輩ってここわかります? 前は酔っていたので」

「んー、会社の近くだったよね。 多分大丈夫だよ、平家だったしわかりやすいし。 じゃあ決まりね!」

「え!? あの!」



電話は切れてしまった。 いやいやマズいなぁ。 そうだ! 幸い夕飯の準備とかはこいつらはまだしていない、なら……



「柳瀬さん、それで詳細は?」

「お見舞いに来る事になった」

「えー! 面白そう」

「面白くないバカ彩」

「そうですよ、柳瀬さんは私達と暮らしている事を内緒にしてるんですよ? そんな所にもしバッタリと居合わせたらどう思うでしょう?」

「さぁ? 美人に囲まれて羨ましい奴…… くらい? あ! 私達従姉妹設定にしてたよね」

「彩が余計な事言うから」

「なので私達はここに居てはマズいです。 どうしましょう……」

「お前らさ、良かったら今日は外食にしてくれるか? 金は渡すから」



俺は5000円札を神崎に渡した。 



「え? でも……」

「いーじゃん莉亜、清っちの行為に甘えちゃおうよ? それが1番清っちは楽なんだからさ」

「あたしは嫌だな…… 2人きりにするの」

「アハッ、麻里の嫉妬炸裂! こりゃ後が怖いねぇ清っち」

「ぐッ…… 仕方ねぇだろ、これは不測の事態なんだから」

「確かに仕方ありませんね。 柳瀬さんにご迷惑が掛かりますし来ないうちに早く出掛けましょう」

「あら? 随分聞き分けがいいのね莉亜」

「聞き分けも何ももともと彩奈のせいじゃないですか。 邪推はやめて下さい」

「ふーん。 それはそれは失礼しました、いひひ」



篠原頼むからそれ以上茶化さないで早く行動してくれ……



「むぅぅ…… 清人」

「ごめんな日向、別にただのお見舞いだからさ」

「ほわッ!? ま、麻里」



日向は俺の顔をギュッと抱きしめた。 女子高生にこんな事されるなんて……



「変な事しないでよ?」

「お前にされてる……」

「麻里、柳瀬さんは風邪引いてるのでそれ以上近付いたら移ります」

「これ以上ってもう密着してるけどねぇー。 見せつけるじゃないの麻里ったら」



日向は俺から離れて神崎に手を引かれ部屋を出て行った。



「お前は行かないの?」

「清っちのドキドキした顔見てるだけ」

「高校生にドキドキするかよ」

「あはは、でも顔真っ赤」

「熱があるからだろ! さっさと行けよ」

「はいはい、じゃあ先輩と楽しみなよ」



そうして神崎達は出掛けたようだ。 日向の奴ビックリさせやがって……


明けましておめでとうございます(^^) 今年も宜しくお願いします。

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