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今日も清人は仕事に行った、寂しい…… もう清人が居ないと莉亜や彩が居たって物足りない。



清人にはそんなあたしの気持ちなんか知らないだろうけど。 とにかく寂しい。



「今日は早く帰ってくる?」

「なんとも言えないけど多分いつも通りの時間じゃないかな」

「わかった、行ってらっしゃい」



ウザいって思ってるかな? あたしが清人の立場だったらそんなに興味もない人にそこまでされるのはウザいと思う、でも構ってもらいたい。 こんな風に思うの初めて。



でも今日は清人の部屋掃除、清人は仕事に行っているので清人の部屋にあたし1人……



ベッドの上に座ってみる。 座ると横になりたくなり寝転ぶ。 ふへへ、清人のベッドにあたしだけ〜♬ …… 虚しい。



ふと気が付くと清人のとは思えない髪の毛が。 すぐにわかった、この金髪は彩の髪の毛。 なんで清人のベッドに? まさか彩も清人のベッドにこんな事してるの?



そう思って床を見てみる。 ここにもあった、彩ちゃんと掃除してるのかな? あたしが実家に帰って順番が変わったからなぁ……



これじゃあたしがちゃんと掃除してないみたいでにうるさく言われそう。



ていうか寂しいから清人の枕にダイブして清人の匂いでも嗅いでおこうと思ったら寝ちゃってた。



「クシュンッ! 寒い……」



エアコンが止まってて布団も掛けないで寝たからかな? 起きた途端全身に寒気が走ったけどちゃんと掃除しとかなきゃ。




◇◇◇




清っちは仕事に行っちゃったし莉亜と麻里は部屋の中、今日は私が清っちの部屋掃除かー。



清っちも居ないし居ない間にやっても面白くないなぁ。 とりあえず清っちの部屋に行ってみる、前から思ってたけど清っちってエッチな物置いてないんだよねぇ、それでも一応健全な男なんだよね?



ふふふ、でもあったら私にネタにされるかと思って置いてないのかな? それは正解だね。



大して汚れてないのに掃除なんかする事ないなぁと思い清っちのベッドに寝転んだ、清っちの匂いって私からしていい匂いだから相性はいいんだよねぇ多分。



ゴロゴロしているとベッドから落ちてしまった。



「いったー…… テーブルに頭ぶつけるところだった。 ん?」



ゲームのソフトが並んでる棚の1番上に私がやりたいゲームがあって開けてみてガッカリ。 違うソフト入ってた……



そういえば清っちって適当に入れてる事多かったよねと思って私はしっかりゲームをもとに戻してあげた。 なんかスッキリ! 清っち感謝してよね、洗濯物もあるし今日の掃除はこれでお終い! さて、清っちのゲームでも勝手にやってよう。





◇◇◇





今日は麻里が風邪を引いてしまい私が柳瀬さんの部屋掃除です。 彩奈の次という事でしっかりやらねばいけませんね!



どうせやり残しがいっぱいあるに違いないです。 柳瀬さんの部屋をそっと開けてみる。



私が提案しておいてなんですが男の人の部屋を掃除して洗濯までするなんて。 これじゃあ主婦みたいです…… わ、私とした事がなんて事考えてるんでしょう。



こんなの父の部屋に入ったり洗濯したりするのと考えれば…… それも考えれば考えるほど気が滅入ってしまう。 両親なんて、両親なんて……



いえいえ! 今はそんな事どうでもいいです。 



気を取り直してテーブルを拭こうとすると足に何か当たり何か崩してしまう、慌てて覗き込むとゲームソフトだった。



全く呆れます、いい大人がゲームなんて…… 楽しいのでしょうか? 私は一回もやった事ありませんが。 こういうのは彩奈がよくしてるんですよね。



パカっと開けてディスクを取り出す。



こんな物にお金を掛けるなんてやっぱり無駄遣いです、でもまぁ麻里の買った貯金箱にお金も入ってる事ですし私がどうこう言うのもあれですね



というより彩奈の次という事で想像は付いていたのですがちゃんと掃除してます? それか柳瀬さんが散らかすだけ!? 彩奈らしき髪の毛がチラホラ落ちてます、何してるんですか? ちゃんとやればあの子が1番出来るのに。




◇◇◇




「日向の風邪大丈夫?」

「食欲はあまりないみたいですから心配です」

「知恵熱でも出したんじゃないかなぁ」

「篠原、そういえばお前また俺の部屋で勝手にゲーム進めてたろ?」

「バレた? 感謝してよねぇ、アイテム増やしてあげたから」

「まさか彩奈は掃除もしてないで柳瀬さんの部屋でゲームをしてたんですか?」

「な、なんの事かな? ね! 清っち」

「ね! じゃねぇよ」

「そんな事だろうと思いましたが呆れました、柳瀬さんはそんな事で怒るような方ではないでしょうけどなんだと思ってるのですか? はぁ……」

「清っち優しいもんね! 私みたいなのが1人居るくらいがちょうどいいのよ、ほらほら! 清っちはご飯食べたなら麻里におかゆ食べさせておいで! 作ってたからさ」

「俺が?」

「柳瀬さんお願い出来ますか? 移るといけないのでマスクして行って下さいね?」



そういう事になり日向の部屋をノックする。 



「俺だ、入っていいか?」

「入って」

「大丈夫か?」

「寒いし頭痛いしお腹痛いし身体の節々も痛い」

「…… 痛いのオンパレードじゃねぇか、おかゆ持ってきたけど食べれるか?」

「食べたい…… でも起き上がるとクラッとする」



食べさせてって事かな? スプーンでおかゆをすくって冷まして日向の口に入れた。



「どうだ?」

「美味しい」

「もっと食べる?」

「うん」

「おい、鼻水出てるぞ」

「拭いて」



なんか子供みたいだな日向。 実際子供なんだが…… 最近は何かと頑張っててそれは俺が見てもわかってた。



結局日向はおかゆを全部食べてしまった。 食欲ないんじゃなかったのか?



「なんで風邪引いたんだろうな?」

「…… わかんない」

「他に何か欲しい物あるか?」

「………… 不安だから…… 少し手握ってて」



日向の手を握るとやっぱり熱があるようで熱かった。



「清人ぉ……」



日向の顔が俺の胸にくっ付いた。



「お、おい?」

「このまま、少しこうしてたい」



グリグリと俺の胸に顔を擦り付けて鼻水でも拭いてるんじゃないかと思ったが熱が出て少し不安なとこもあるんだろうけど俺にこうしてもなぁと考えるが日向がこれで安心するなら仕方ない。



「いてッ! いててッ」

「あ…… ごめん」



いきなり日向に爪が食い込むほど手を握られる。 しばらくその痕は消えなかった。





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