表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/150

4



「さすが社会人、変態ロリコンは伊達じゃない……」

「今すぐそれ返品しようか?」

「半分褒めてるのに……」



半分ってなんだよ? 残りの半分は貶してるんじゃねぇか!



「まったく…… 今日は厄日だな、なんでこんなに俺が振り回されなきゃいけないんだか」

「ピチピチのJK捕まえといてそれ失礼」

「お前はピチピチじゃなくてグダグダだろ、どう見ても」



それよりどうしよう、俺ここで弁当食べていく気だったんだけど。 こいつが居るとなぁ。 なんか食い辛い……



「またこっち見てる…… 」

「いやそんなんじゃない。 俺ここで夕飯済ませるつもりだったのになぁって思ってただけだ」

「そんなの帰って食べればいい」

「あんな事あったその日にあそこで食えるかっての。 向こうも俺の顔見たくないだろうしな」

「それはそうだね」

「ちょっとはフォローしろよ」



あ! てか部屋で食えばいいじゃん! 大家さんにみんなでお食事処とか言われたからそれに囚われてたわ。 バカだなぁ俺。



「よし、帰るぞ」

「食べていくんじゃなかったの?」

「部屋で食えばいいって事に気付いた」

「今頃?」

「うるせぇ」



帰り道はこいつの面倒な道案内がなくてもすぐ帰れた。 日向のせいで余計な回り道をしたがコンビニは近くにあったのだ。



アパートに着き玄関を開けると2人が出て来た。



「おかえりー! 早かったね? 買って来た?」

「はい……」

「んもー! 麻里ってば使えなさそうなのに使えるじゃんねぇ!」

「うっさいケバケバお化け」

「おかえりなさい。 ついでに用事頼んじゃってすみません。 …… ってなんであなたが麻里と一緒に? まさか無理矢理……」

「んなわけあるか!! こいつが玄関でボーッとしてていきなり車に乗せてって言うから仕方なくだ!」

「本当でしょうね……」

「本当だっつの! そこまで疑うか!?」

「清人がお金出した」

「え? そうなんですか?」

「おー、変態ナイス!」

「変態じゃねぇ。 俺は柳瀬清人だ! お前らより人生の先輩だぞ!」



こいつらマジでややこしいわ、口を開けば人を変態とか言いやがって。



「そうだったんですね。 それは失礼しました、それに自己紹介もろくにしてませんね。 私は神崎かんざき 莉亜りあと申します、お金を立て替えてくれた事はありがとうございます」

「お、おう…… で? そっちは?」

「ん? あー、私は篠原しのはら 彩奈あやな



初めてまともに会話したような気がする。 とりあえずこいつらと話しててどっと疲れたので部屋に行こうとした。



「清人夕飯にするって」

「あら、そうなんですか。 食べる所はそっちじゃないですよ?」

「え? 部屋で食べてもいいだろ?」

「ダメです! 居る居ないはあるにしろ食事はみんなで! そういう決まりです」



神崎は腰に手を当てプンプンと怒ったようにそう言った。 それに決まりって…… そんなルールあるのかよ? 日向じゃないが普通に面倒臭いな。



「いいのかよ?」

「ま、まぁ立て替えてくれた事ですし。 あ、当然後でお返ししますからね!」

「あー、莉亜って相変わらずねぇ。 てことでさっさと食べちゃおうよ? 今日は莉亜が作る当番でしょ?」

「そうですね、じゃあ行きましょう」



え? なんだよ、結局俺も行っていいのか? 



「清人来ないの?」

「…… わぁーったよ。 行くよ」



食堂に入るとそこは部屋よりも広くてキッチンや冷蔵庫、そして4人座れるテーブルがあった。 



「ええと…… 柳瀬さんでしたっけ? お弁当は買ってあるんですよね?」

「そうだけど?」

「だったらオカズはそれでいいですよね? みんな」

「あー! 清っちが買って来たからって莉亜手抜きだぁ」

「ち、違います! ちゃんと作りますけどもったいないじゃないですか?」



清っち…… 清っちって俺の事か?



神崎はエプロンを巻いて料理をし始めた。 高校生とはいえさすが親元を離れて一人暮らし? のようなものをしているだけあって料理は出来るんだな?



ん? 当番って篠原の奴は言ったよな、てことは篠原や日向も料理出来るのだろうか? 篠原はともかくめんどくさがりな日向はどんな代物を作るんだ?



「ん? なーに清っち」

「…… いや、お前らも料理出来るのかなって」

「ブブーッ! 清っちそれセクハラ!」

「見た目で判断…… 最低」

「わ、悪かったって。 俺は出来ないから凄いなって思っただけだよ」

「えー? 出来ないのかよ? 使えると思ったら使えねぇー」

「車とお金を持ってるのが清人の取り柄」



ぐッ…… 俺はお前らより一応年上なんだぞ? なんて生意気なんだ。



「だったら柳瀬さんが買い出し担当とかすればいいじゃないかしら? 気乗りはしないですけど」

「おっ! それいーねぇ!」

「良かった。 あたし楽できる」

「は!? 勝手に決めるなよ!」

「じゃあ柳瀬さんに今度お料理作ってもらいましょうか? 更に気乗りしないですけど」

「…… くッ。 わかったよ、てか二回も言うな!」



なんでいつのまに俺が買い出しのルーティンに組み込まれてんだ? パシリかよ……



そして神崎の料理も出来て4人で食事を摂る。神崎の料理はとても美味しかった。 良かったよ、ああ見えて料理は下手くそとかテンプレがなくて。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ