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「お前らのせいでもうグダグダだ」

「だって仕方ないじゃん、清っちの車前は乗り心地普通なんだけど後ろの席ってシートが固くてあんまり良くないんだよねぇ」

「悪かったな安い中古の軽で」

「彩奈、乗せてもらってるのに文句はダメですよ」

「あんたが前の助手席に座ってるくせに何言ってんのよ、ねぇ? 麻里」

「ほんと……」

「ジャンケンで決めようって言ったのは彩奈です。 それに柳瀬さんが言う通り行く前からグダグダしていたら着く頃にはお昼過ぎになってしまいます」



まぁどの道昼は過ぎるけどな。 混んでるし……



「そういえば……」

「あうッ!」

「麻里が化粧するなんて物凄く珍しいじゃない? てか初めて見た、どこ行くにもすっぴんだったくせに。 一体誰に見せたかったのかなぁ?」

「べ、別に……」

「彩奈、麻里だって女の子です。 化粧のひとつやふたつするのは不思議じゃありません。 ねぇ麻里」

「うん」

「だぁーーッ! あんたってば本当にアホよねぇ。 あ、清っち! 麻里の化粧した顔どぉ?」

「ん? 元から可愛いんだから可愛いだろ」



ダルそうな顔は変わらないけど顔に力が入ってないだけで目はパッチリしてるからな日向は。 なんか日向が化粧すると普段の雰囲気も相まってエロい…… なんて言えるわけないけど。



「はきゅぅ…… か、か…… 可愛い……」

「ありゃりゃ。 可哀想なんだか幸せなんだか」



こいつら3人毎回揃うとほんとうるせぇな、うるさい原因は篠原だが。



俺は道がアイスバーンになっているからそれどころじゃないんだっつの。



うるさいトークを聞き流しようやく街へと着いたのはやっぱり昼を過ぎた頃だった。



「おー、やっぱいつものクソ田舎よりこっちのがいいわねぇ」

「言葉悪いです。 田舎だからたまにこういう所へ来るのがいいんじゃないですか」

「どうでもいいけど昼飯どこで食べる?」

「どこか食べたい所はありますか?」

「俺はどこでもいいわ。 お前らが決めてくれよ」

「じゃあ私が検索する」



篠原は携帯で店を検索して日向と相談し始めた。 



ここの街には前に来た事あったなぁ。 会社の営業ついでに先輩と…… あの時は確かそう。 ここの通りのハンバーガーショップで食べたんだっけ、懐かしいな。



「あ! あそこのハンバーガー屋! 食べログで結構評価高くていいかも」

「え?」



マジかよ…… まさか先輩と来た所をチョイスされるとは。 てか有名な店だったのか。



まぁ篠原も日向、神崎もそこでいいとなったのでそのハンバーガー屋で食べる事にした。



先輩と来た次はこいつらと来る事になるなんて。 



店に入ると今日はすんなりと座れた、先輩と行った時は混んでたんだな。



「ふーん、結構メニュー見るからに美味しそうじゃん。 BLTにしよっかな」

「あたしアボガドバーガー」

「私はおすすめで」



3人とも決まったようなので注文した。



「清っち小慣れてるね。 来た事あるの?」

「ん? まぁ一回だけだけどな」

「誰と来たんです?」

「誰でもいいだろ、まぁ会社の先輩とだけどな」

「それって女?」

「…… そうだけど?」

「ふふーん。 それはそれは」

「清人の好きな人?」

「お、おい…… そういうのはいいだろ」



聞かれたくない話をしていると注文した物が来た。 



「うん、なかなか美味しい! タダだと更に美味しく感じる!」

「こら! 図々しいです彩奈」

「清人のも食べてみたいな。 あたしのもあげるから」

「え?」

「あー、だったらみんなでシェアしよっか?」



女っていちいちこういうの好きだよな、自分のを食べればいいのに。



「うん! 清っちの以外美味しかったね!」

「だったらなんでシェアした?」

「まぁ食べてみなきゃわかんなかったけどやっぱブルーチーズ苦手だわ」

「臭いが独特ですしね」

「じゃあ最初から食うなよ」

「あたしはいいと思ったよ清人っぽい」

「まったく食わせてやったんだから日向みたいな感想にしろよな」



いや、清人っぽいとはなんだ? 臭いって遠回しに言ってるのか? こいつが1番酷いこと言ってねぇか??



店を出て次はどこ行こうかなんて話題になったが大体想像はついている。 デカいデパートがあるから当然そこに行くよなこいら。



「じゃああそこ行きたい!」



篠原は俺の予想通りデパートに行きたいと言った。 あそこも先輩と行った場所だ。 何故か先輩と行ったコースをなぞっているな。



「うわぁ…… 人いっぱい」



日向が俺の袖を掴んでそう言った。



「あははッ、麻里はぐれるなよぉ〜」

「あなたもですけどね彩奈」



店の中に入るとここは混んでいた。 こりゃあ疲れそうだ……



「清人はどこか見たいところとかあるの?」

「俺か? もともと来る予定じゃなかったし俺は別にいいかな。 日向は?」

「ゲームセンター行きたい」

「え? ゲーセン? お前ゲームなんかやるの?」



日向は首をフルフルと振る。



「UFOキャッチーやりたい」

「ああ、そっちか。 ってあれ!? あいつらは?」

「居なくなった……」



はぁ!? はぐれるなよって言った側からもうはぐれてるじゃねぇか……




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