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次の日の仕事終わり先輩はまた来てくれた。 この事はあいつらには言ってない、だって言ったら修学旅行とか楽しんでられなそうな気がするから。 帰ってきてから言おう。 なんて好きって言われてなきゃ自意識過剰だよな俺。



「壊れたテーブルの代わりにダンボールとかってお粗末過ぎますがこれで」

「うんうん、私は気にしないからいいよ」

「というより明日も仕事ですけど大丈夫ですか?」

「うん、だって今日はタクシーで来たし。 節度を持って飲もう!」



先輩は俺の家で酒を飲みたいらしく今日は俺の家で2人で飲み会という事になった。



「柳瀬君は遠慮しないでどんどん飲んで」

「なんか酒飲むの久し振りなんでゆっくりいきます」

「前は私酔い潰れちゃったよねぇ。 あの時介抱してくれてありがとね」

「なんか懐かしいですね、あの時はコソコソしながら飲んでましたけど」



今だとしてもやっぱりあいつらが居たらコソコソしそうだけどな!



先輩と飲んでいるとテーブルに置いてた携帯が鳴る。



「彩奈ちゃん達からLINE?」

「多分そうですね」

「返さなくていいの? 私に遠慮しなくていいよ?」



そこまで言われて見ないわけにもいかないし画面を開くと案の定あいつらからだった。



俺が携帯を見ていると先輩が立ち上がってピッタリと俺に肩をくっ付けてきて携帯を覗いてきた。



「え? せ、先輩!?」

「私も見たいなって思って。 ダメ?」



ほんのりとほろ酔いの先輩の顔がとてもエロい。



「んん〜? やっぱり可愛いねぇ彩奈ちゃん達。 一緒に住んでるだけあってとっても仲良しだし」



先輩は人差し指を出して携帯を上にスクロールしていく。 上の方の会話まで見ちゃう気だ。 なんかヤバい事書いてないよなと思いドキドキしながら一緒に見る。 すると……



「あー、柳瀬君これはアウトだよぉ!」



篠原のLINEにはあいつが俺をおちょくるために撮った下着姿の写真……



「そ、それはあいつが勝手に」

「これは犯罪臭がプンプンしてきた、もっと見せなさい!」



なんて言って先輩ノリノリじゃないか……



「彩奈ちゃんって大胆だなぁ。 柳瀬君もこんな感じがいいのかな?」

「いや、別に俺はそこまでじゃないですけど先輩だったら」

「あー、柳瀬君エッチ! じゃあ暑いし脱いじゃおうっか!」

「え? ええ!?」

「冗談だよ冗談、ふふッ」



先輩は俺に寄っ掛かってきた。 先輩も十分大胆だ。



「あ…… 柳瀬君の服にお化粧ついちゃった」

「本当だ、でも家の中なので気にしないで下さい」

「昨日もテーブル壊した時につけちゃったね、柳瀬君凄くキツく抱きしめるんだもん」

「あ、あれはとても悪かったと思ってます。 咄嗟とはいえすいません」

「私は嬉しかったよ?」

「え?」

「柳瀬君が庇ってくれて凄く嬉しかったよ、可愛いって思ってた柳瀬君も立派な男だなってね。 ドキドキしたなぁ」

「先輩?」

「もう一回して?」



先輩が甘えた顔と声で迫って来た。 めちゃくちゃ可愛い……



「ねぇ柳瀬君」



というか既に抱きついちゃってるけど。 でも俺も先輩を抱きたかったので昨日のように強めに抱きしめた。



「柳瀬君好き」

「先輩…… 俺も」



酒が入ってるせいか先輩は俺を押し倒す勢いだった。



「柳瀬君、麻里ちゃんや彩奈ちゃんともこんな事してる?」



う…… このタイミングでなんて答え辛い質問を。 なんで答えたらいいんだろう? やってないと言う方が正解なのかやってると正直に話した方がいいのか。



でもやってるなんて言ったら先輩傷付くかもしれない。 いや、こんな状態だからもうとっくに傷付けてる?



先輩にまた嘘をつくのか? 先輩は俺を好きと言ってくれたのに…… ぐぎぎぎッ、こうしている間にも答えを待ってる先輩に早く言わないと怪しまれる。



「沈黙は肯定と取って構わないのかな?」

「先輩!」

「はい?」

「じ、実は近い事はしてる…… と思います多分」

「意地悪な質問しちゃった、柳瀬君の反応見て大体わかったよ。 うん、そっか」



先輩は俺から少し離れた。 やっぱそうなるよな……



「柳瀬君」

「はい……」



あ…… と思う間もなく先輩と俺はキスしていた。 その瞬間俺は何か吹っ切れたように先輩を押し倒していた。 というより先輩に覆い被さるように倒れた。



「柳瀬君?」



先輩はしばらく俺の下にいたが起き上がって気付けば先輩の膝の上に頭があった。



「お酒弱くなった?」

「そ、そうみたいです」

「じゃあ寝ていいよ」



先輩が俺の頭を撫でているところで俺の記憶はなくなって目が覚めるとベッドの中だった。



「起きた?」

「え!? 先輩?」



時計を見ると夜中の1時になりそうだった。



「ごめんね? お風呂借りちゃった。 ここで入っていった方が早いかなって思って」

「全然それは構わないですけど俺って一体……」

「柳瀬君あれから寝ちゃってね、寝顔見てたら可愛くてさ。 ほら」



先輩は携帯で俺の寝顔を撮っていた。 酔っ払いのアホ面だ…… 死ねる。



「そんな事してたら遅くなっちゃってさ、柳瀬君も起きた事だしそろそろ帰るね?」

「あの! 俺先輩とその……」

「次はシラフの時にしようね」



俺のおでこをツンと突いて先輩はそう言った。





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