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「じゃあ行ってきます柳瀬さん、くれぐれも火の扱いには注意して下さいね? タバコの火もちゃんと消す事!」



子供か俺は?



「寝坊しちゃダメだよ? 清人だらしないから」



お前には言われたくない。



「清っち寂しくなったら私の部屋に行っていいからね、でもちゃんと事後の証拠は消すんだよ?」



なんの?



修学旅行の日になりこいつらは早い時間帯から出発するので見送りだ。 眠い……



「俺の心配なんていいからさ、目一杯楽しんで来いよ、つーか静かになって俺としてもリラックス出来ていーや」

「清人が強がり言ってる」

「そう言わないと威厳ってのが保てないらしいからね清っちは」

「心配の種が何を言ってるのやら」



どんだけなんだよ俺……



そして神崎達は学校へと向かった。 送ってってやろうかと行ったが目立つからいいと言われたし、朝飯食ったら眠くなってきたしもう少し寝とくか。








◇◇◇








くそッ!! 寝坊した、二度寝なんかするんじゃなかった日向のフラグだったのか!?



2時間遅れ…… サーッと血の気が引く。 携帯を確認すると何件か会社から電話が。 急いで電話を掛け直して会社に遅れますという旨を伝える、遅いけどな。



会社に適当な理由を言ったのでペコペコと頭を下げてササッと現場に入る。 



ふう…… ここまで来ればいつもの如く普通に来ているみたいに馴染んだなと思ったら肩をトントンと突かれる。



「柳瀬君おはよう」

「あ、先輩おはようございます。 事務所に居ないと思ったら」

「それはこっちのセリフだよ、柳瀬君無断欠勤かと思ったよ」

「そうですそうです、柳瀬先輩最近たるんでます! 初心を忘れてます!」



先輩はいいが如月はウゼェ…… でも寝坊した俺が悪いので仕方ない。



「病院って聞いたけど本当?」

「いいえ寝坊です」

「わお! 遅刻した上に嘘つきじゃないですか!」

「流石に寝坊しましたなんて言うのは体裁が悪いかなって思ったんだよ」

「開き直るなこの寝坊助!」



バシッと如月に背中を叩かれる。 ちくしょう……



「あはは、それくらいにしなよゆいちゃん。 でもあの子達居て寝坊するなんてもしかして全員遅刻?」

「いえ、今日あいつら修学旅行なんで早く起きて二度寝したら遅刻しちゃったんですよ」

「ああ、修学旅行か。 懐かしいな」

「どうせここら辺に住んでるならまとめて京都とかですもんね、柳瀬先輩もですよね?」

「そうだな、テンプレ通りって感じのコースだったけどそれなりに楽しかったな」

「ん!?」



如月は何か閃いたのか先輩から俺を引き離した。



「なんだよ?」

「柳瀬先輩、チャンスじゃないですか? 先輩と2人きりで1つ屋根の下で過ごせるチャンス!」

「何かと思えばそれかよ? いくらなんでも露骨過ぎんだろ、あいつら居ないから来ないですか? なんて言ったら何かする気なんじゃないかと思われるだろ!」

「何かするって…… もしかして居ない隙に行くとこまで行っちゃう気ですか!?」

「バカか!? んな事すっかよ! あいつら居ないからそんな事するのってなって失望されるだろ!」

「いやもう強引に行っちゃって下さいよ男らしく」



聞かれないようにコソコソ話しているので先輩が近付いてきた。



「2人とも私だけ仲間外れ?」

「あははは! 柳瀬先輩がエッチな本あたしに預けてたんであの子達修学旅行に行ってる間返してくれって」

「ば、バカ!!」



よりにもよってなんて最低な言い訳してんだ!



「ち、違います! エロ本は如月のでゴミに出しにくいから俺に貰ってくれって頼まれてたんです」

「ひどーい!! それじゃあたしがスケベみたいじゃないですか!」

「まあまあ。 柳瀬君も男の子なんだからそんなの持ってても不思議に思わないよ」

「え? あの違うんですよ!?」

「でもゆいちゃんに預けるのはいただけないなぁ。 そういう関係だったの?」

「柳瀬先輩ったら乙川先輩には預けにくいそうで」

「だぁーッ! もういい、それはもういい!」

「くッ…… うふふ、そんなわけないじゃん。 わかってるって、柳瀬君がそんな事わざわざ頼んでないって事くらい、柳瀬君の環境だとそんな隙もなさそうだしね」

「はいそうなんですよ」

「じゃあ一人暮らしなら持ってた?」

「ええまぁそれなりに…… って先輩!」



誘導尋問に引っ掛かってしまった…… そして仕事も終わり帰って来ると当然誰も居ない。



あー静かだ。 これでちょっとは一人暮らしっぽい環境だよな。 そうは言っても今日の分の弁当と夕飯はあいつらが作って行ったし。



少し寝て起きて19時を過ぎていたのでキッチンへ夕飯を食べに行く。 気付けば冷蔵庫に張り紙が。



”温めて食べてねダーリン♡”



篠原の奴だな…… まぁありがたく頂くか。 



いつもはうるさい篠原とそれを注意する神崎、黙々と食べる日向の3人が居て賑やかだけど俺1人だとシーンとしていた、当たり前か。 食事を終え部屋に戻り再びベッドに横になる。



今頃あいつら京都に着いただろうなぁ。 もう高校の修学旅行なんて俺にとっては楽しかったような気がするの曖昧な思い出だ。 あの時は彼女が居てこっそり2人で会って一緒にコースを回ったっけ。 



年頃なんだし普通に恋が出来るなら俺とじゃなくて同じ学校の奴らとは言わなくてもそれか同年代くらいのと付き合った方が楽しんじゃないだろうか? あいつら飛び抜けて可愛いんだし男なんてすぐ出来そうだしな。



一緒に暮らしてる分なんだかんだで俺も気になるんだなぁ。 篠原なんか学校内でファンクラブとかあるみたいだし。 一体どこのラノベだよ?



もしかしてこの修学旅行で…… なんて事もあるかもしれない。 だって修学旅行だからな、そしたらどうなるんだろうな? そうなってもこの生活は成り立つと思う、最初の頃に戻ったという意味で。 そんな事を考えているうちに寝てしまった。





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