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柳瀬やなせ 清人きよと。 半年前俺は大学を卒業して晴れて社会人になった。 特にこれといった目標や、やりたい事などなくなんとなく働いておこう、就職も無難でとりあえず目に付いただけのこれと言ったこともない仕事に就いた。 しかし家からは遠かったのでこの際アパートで一人暮らしでもして気楽にやれて心機一転だ的な意気込みでいた。



「父さんのな、知り合いの人が経営している寮があるんだがまだ住む所決めかねているようだから清人の事そこにねじ込んでおいたからな。 安く住ませて貰えるしよかったな!」

「はぁ? はぁああ!? 何勝手に決めてんだよ! 俺が選ぶからいいって言ってただろ」

「いやな、父さんとしてはお前はもう大人だしそれでもいいかと思ったんだがその人に相談したら大丈夫ですよって快く言われたもんだし断るのも悪いってな」



親父が勝手に俺の住むアパートを決めやがった。 んん? 寮とか言ってなかったか……



「親父…… とりあえずそれはそれでいいとしてどんな所なんだ?」

「…… 実はそこ女子高生が3人居るんだ」

「あ? 今なんつった?」

「お前を女子高生3人が住んでる寮にぶち込んでしまった……」

「あああ!?」



はぁ? 3人しかいないのに寮なのかよ!? 寮というかシェアハウスの間違いじゃねぇのか? それになんでJKなの? 今時のJKはそんな所に住んでるの?



「お前の言いたい事はわかる」

「あ? わかるのか?」

「………… お前はせっかく大学に行ったのにそれを活かすような仕事にも就かずに父さんは心配なんだ、条件を見ると給料もそんなによくなさそうだ」

「話逸らしたろ?」

「黙れ! 親の揚げ足とりなんかするんじゃない! とにかくお前はそこに行け!! そんな給料で一人暮らしなんてしてみろ、お前みたいなだらしない奴は高いアパート代払ってヒイヒイ言いながら生活する羽目になるに決まってる! そしてこれだけは言いたい。 女子高生がいるからって間違いなんて犯すなよ? 大人なんだからなお前は」

「そんな所へぶち込んだお前が言うな!」



なんだよ親父の奴…… でもまぁアパート探しの労力がなくなったと思えばいいか。 親父が紹介した俺の入る寮をネットで検索すると出てきた。



平家の小さいアパートだった。 確かに俺含め4人住んだらもういっぱいいっぱいな所だ。 マジでか? こんな昭和臭感じる所に今どきのJK3人既に住んでるのか? 信じらんねぇ。



だが引っ越しもあるので俺はその3日後土日を利用して荷物を纏めてその寮へと向かった。 ついこの間まで俺も学生気分だったが高校生か、しかも女子とかって本当に大丈夫なんだろうか。



てか本当に小さいな。 外から見ても必要最低限といった感じだ、隣に大家さんが住んでいるので挨拶に行くと……



「まぁまぁ! 優さんのお子さんがこんなに立派になって」

「え、ええと…」

「ああ、私優さんの仕事の元同僚だったのよ。 今は隣のアパートもやってるけど。 寮って言ってもあんなだけどねぇ」

「はぁ。 これからお世話になります。 あのー、ところでそこの寮に3人女子高生が住んでるって聞いたんですけど……」

「そうなのよ。 私の知り合い達のお子さんなんだけど良い子だと思うから仲良くしてやってね?」



なんだ、おばさんの知り合いで固めてるのか。 ならたとえJKでも融通は効くのか? 



いやいや、それよりなんか軽くないか? そんな中に男の俺がぶち込まれるんだぞ? 信用されているのか別にこんなの入っても何も起こらないだろとタカを踏んでるのかわからん。



大家さんと一緒に俺は小さなアパートとも言い難い平家の寮の玄関を開けると真っ直ぐ伸びた廊下に各部屋が左右に2つずつ、ちょうど俺で満員だ。



「ええと、清人君は左側の奥の部屋ね。 お風呂とトイレは真っ直ぐ行った1番奥ね。 ちょうど誰か入ってるわね。 それとキッチンは共同なの」

「共同か…… といってもどこにあるんでしょう?」

「この建物の入り口の脇にもうひとつ建っているでしょ? そこがキッチン兼お食事処かしらね。 みんなと顔を合わせるかもしれないわね」



夕飯食べる時わざわざ来るのかよ、めんどくせぇ…… しかも見知らぬJK達と顔を合わせるだって? 男1人なんてかなり肩身狭そうだし向こうだって気不味くならないか? 何よりあっちも気不味いだろ。



普通のアパートだったら素知らぬ感じで過ごせるだろうけどここはそれすら難しそうだ…… こりゃあ安いのも納得だわ。



説明をあれこれ受けて俺は自分の部屋に荷物を置いていく。 というか新入りが入ったら挨拶か何かあるかと思ったけど何もない、それはそれでいきなり会ったらどんな風に接したらいいかわからない。



んー、やっぱり親父の決めたとこってろくな所じゃなかったな。 一見幸せな状況かもしれないけど何かあったら逮捕されかねないぞ俺。 そうなったら仕事どころじゃなくなる、社会的に死ぬ……



間違い犯すなよって言ってた本人が1番間違いが起きやすいところに俺を放り込みやがって。



とまぁ俺ってそんなにモテた試しないし間違いなんて起きないとは思うけどこんな冴えない俺だから嵌められるという可能性もあるはずだ。 



ここは慎重になるべく目立たないようにしとかないとな。 その方が波風立たずに過ごせる、俺には会社もあるしな。 せっかく自分の部屋に居るのに気疲れするなんてごめんだ。 というかこんな事考えてる時点で気疲れしてくる。



段ボールを置いただけで部屋が手狭になった。 わかってはいたが部屋まで狭いよな。 畳6畳くらいのスペースしかない。 自分の家の部屋の方が広かった。



まぁ文句ばっかり言ってもしゃーない、俺はとりあえずトイレに行く事にした。

その時の俺は忘れていた、大家さんがお風呂に誰か入っていると言っていた事を。



ガチャッとドアを開けた瞬間風呂場の扉が開いた。



「え?」

「あ……」



そこにはバスタオルを巻いた女の子が見知らぬ男性である俺を見て硬まる。 そして俺も硬直した。 まだ始まったばかりなのに俺は間違いを犯してしまったようだ。









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