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18話 おもらし遊びにはまったおかげで……

最終話ですm(__)m

 そのあと、私はリリーと一緒にお風呂に入り、体をきれいにする。

お風呂を出て時計を見ると、門限までまだ一時間ほどがあった。

それからもう一度おもらし遊びするわけにもいかないので私たちは相変わらずおもらしの話をする。


 「ふうちゃんっておもらしの小説とか読まないの??」

「えっ!? そんなのあるの!?」

私よりもリリーは一歩先のおもらしを知っているようで、こんなことに尊敬するのはおかしいかもしれないが、少しリリーに感心してしまう。


 「うん! 例えば、これとかどうかな?」

リリーは部屋にあったパソコンで何かを調べると、私に画面を見せてくれた。

「この小説は双子の姉妹がいて、その双子の姉妹がおねしょしたり……」

リリーが小説の内容を語る姿はとても楽しそうだった。


 私はそんな姿を見て安心する。おもらしが好きだなんてとってもおかしくて、私だけしかこんな人いないのではないかと不安だった。

それなのに、こうしてリリーという同じ趣味の女の子がいて、小説を書いているような同じ趣味の人もいる。

それから時間が経ち、私は家に帰ることとなった。帰り道はリリーと黒服の人に家まで送ってもらった。




 いつも寝るくらいの時間になり、私はベッドの前に一枚のおむつを置いて悩んでいた。

おもらししてしまっていたのはおむつが原因かもしれない……

だから、おねしょもおむつをしていなければしないのかな。

でも、それでもししちゃったらどうしよ……

な、なにを躊躇しているんだ私!


 私は両手で頬を挟むようにして叩き、私自身を奮い立たせる。

きっと、大丈夫! なよなよしてるからおねしょしちゃうんだよ!

そうは言ったもののある程度の対策はしておこうと思い、私は寝る前にトイレに行った。

それから、おしっこがたまらないうちに早く寝ようと思い、急いで部屋に戻り、電気を消して、ベッドにもぐる。知らないうちに私は眠っていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 「風香、風香起きなさい!!」

いつもの朝とは違う少し怒鳴ったようなママの声が聞こえる。

私は寝ぼけまなこをこすりながら上体を起こした。起きるとともに、昨日の夜気にしていたことを思い出す。恐る恐る手をおしりに当てて確認すると手に伝わるのはじとっとした感触。ど、どうしよ…… おねしょしちゃった。それもおむつしてないし……

私の顔が青ざめていく中、ママが私を怒鳴った。


 「風香、このおむつは何!? これはどうしたの!?」

すでに青ざめていた顔が限界突破して再び青ざめていくようだった。

そうだ、昨日の夜におむつを片付けないまま寝たんだ。

私は床に並べられたおむつを見てそんなことを思い出す。

「風香! 答えて!」

「し、しらないよ!! わ、私のじゃない!」


 私は勢いに任せてそんなことを言ってしまった。

「知らないって…… だって風香じゃなかったら誰がおむつを履くのよ!」

「し、知らないもん!」

私はそう怒鳴るとともに、下半身を覆っている掛布団をバサッと力に任せてたたいた。

一瞬だったが、その反動で舞う布団。そして一瞬出来た隙間から覗く黄色い世界地図。

「風香! おねしょしちゃったの?」

ママが手に持っていたおむつを置いて私の方へ近づいてくる。


 ママは私の掛布団を無理やり取り去る。私だって抑えようとしたが、その力はとても無力ですぐに目の前には黄色い世界地図が広がった。

恥ずかしくて、怖くて、情けなくて、私の目からは涙が流れ出てくる。

すると、突然ママが私を抱きしめた。

「ねえ風香。おねしょをしちゃったことは何も悪くないの。でも隠そうとはしちゃだめ。ママね、ほかにも風香が隠してることあるんだったら言ってほしい。怒らないから全部言って」

先ほどまでとは違うとってもやさしい声。懐かしいようなママの匂い、心臓の鼓動。


 「ママ、あのね……」

私はおもらしするのが好きなこと、保健室の先生からおむつをもらったこと、それからすこしトイレが近くなったことをすべて話した。

終始抱きしめられたままだったが、そのおかげで安心してすべてを話すことができた。

「風香……」


 おもらしだなんて変な遊びはやめなさいって言われると思い、私は目を閉じる。

「おもらししたり、おむつしたりするのは好きにやっていいの。だけど、人の迷惑になったりしちゃだめ。例えば、作っちゃったおしっこの水たまりはちゃんと片付けたり、汚したお洋服はちゃんと洗濯すること」

思わぬ言葉を聞いて私は驚いた。

私は抱き着いたままこくりと頷く。泣いているのを知られたくないから声も出せないし、ママの顔も見られない。


 「それと、おもらしが好きなのは風香一人だけじゃないから、安心していいのよ。きっと何人もそういう人がこの世界にはいるんだから」

顔は見えなかったが、ママはとっても笑顔で話しているのだろう。

「やっぱり、風香は私の子ね。ほら、遅刻しちゃうよ!」

私は見られないように隠していた顔をママに向けて、いつも以上の笑顔で言った。

「うん! ママ、私ね、おもらし遊びにはまったせいで…… ううん。おもらし遊びにはまったおかげで、ママともっと仲良くなれた気がする!!」



 ここまで読んでくださり、ありがとうございました!!



後日談、番外編などをまた、出すかもしれませんm(__)m



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